総務に向く人とはどのような人物像なのだろう。営業職のようにノルマに追われたり、技術・研究職のように高い専門知識を要し静かな環境のなかで集中して仕事をするようなこともない。
黙っていても他部署からやっかいな問題が舞い込んできてはそれを処理するのも総務になる。それに対して、いちいち「それは総務の仕事ではないだろう」「それはあなたの部署で解決して」と仕事をえり好みするような人物では務まらない。「総てを務める」のが総務だからだ。
営業職のように外部との交渉力だけでは足りないだろう。どちらかといえば内部との調整力に長けた人物が適任だろう。
外部の人間とのやり取りには一定の遠慮なり、ビジネス上の敬意が働くが、同じ会社の人間どうしでは時にエゴがむき出しになる。そうした場面にどれだけ普段のコミュニケ-ション能力と情報収集能力で臨機応変に立ち回ることができるかが総務を担当する者の力量であろう。
総務に向く人はあらゆることを嫌がらないフリができる人物かもしれない。単なる事務処理や書類整理に長けているぐらいでは総務の中でも浮いた存在でしかない。