レイボヴィッツ 名盤 ベルリオーズ 幻想交響曲

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こんにちは、
ともやんです。

 

今日はポーランド生まれの現代音楽の作曲家で指揮者のルネ・レイボヴィッツ(1913-1972)の亡くなった日。享年59歳。

ルネ・レイボヴィッツは、シェーンベルク、ベルク、またラヴェルに師事した現代音楽の作曲家。

 

戦前の1937年には指揮者としてもデビューしたが、第二次大戦後の1947年に国際室内音楽祭を創設し、新ウィーン学派の作品をパリなどで初演した、加えて演奏、教育、著作などでこの学派の音楽の普及に務めた人。

 

ルネ・レイボヴィッツの名盤

 

指揮者としては、62年にリーダイズ・ダイジェストの企画でロイヤル・フィルと録音したベートーヴェンの交響曲全集が代表作。

 

まさにベートーヴェンに纏わる様々な慣習や思いなどを削ぎ落し、スコアを綿密に分析して忠実に再現した爽快な全集。

 

しかもスコアを機械的に再現しただけではなく、早めのテンポで推進力抜群の演奏。62年というまだまだ重厚長大なベートーヴェンの演奏が多かった時代に、快速球一本でビシバシ決めまくった演奏で、60年経った今も輝きを持った全集です。

 

そんなレイボヴィッツによるベルリオーズの幻想交響曲を聴きました。

録音は、ベートーヴェン全集の3年前。

 

ここではテンポを遅めに取り、冷徹で明快な演奏を展開して、だからか余計にこの曲が持つ革新的で猟奇的な内容を細部まで緻密に再現している。

 

レイボヴィッツは、指揮者としての知名度は低いですが、なかなか手練れの大した人でした。

ぜひ、聴いてみてください。

 

ベルリオーズ 幻想交響曲について

 

ベルリオーズと言えば幻想交響曲。クラシック音楽ファンを自称する僕は、ベルリオーズに関しては幻想交響曲しか聴きません。

 

これはいけないことです。ベートーヴェン健在の時からその死後に掛けてロマン派音楽を広めていった作曲家の革命児的な存在であるベルリオーズを幻想交響曲しか聴かないというのは、もったいないです。

今後はしっかり聴いていきたいとは考えています。

 

さて、幻想交響曲は、標題性をもった交響曲。
その先駆的な音楽だった、ベートーヴェンの『田園交響曲』とゲーテの『ファウスト』から強い影響を受けて作曲されたものです。

 

そして作曲への情熱を与えたのが、女優ハリエット・スミッソンへの失恋だった(ただ後の1833年には結婚)。

 

ベルリオーズは、1830年1月から『幻想交響曲』を一気に書き上げたのです。
回想録には次のように記してます。

 

"ゲーテの詩からの影響から抜けきらないまま『幻想交響曲』を書き上げた。ある部分の作曲にはずいぶん苦労したが、またある部分は信じられないくらい簡単に進んだ。たとえば、聴衆にも私にも同様に鮮明な印象を与えるアダージョ(「田園の情景」)の部分には三週間以上かかった。へとへとに疲れた私は諦めて放棄し、また取り上げて、こうして二回、三回と書き直した。これとは逆に「死刑台への後進」は、たった一晩で書き上げた。"

 

レイボヴィッツ 名盤 ベルリオーズ 幻想交響曲

 

エクトル・ベルリオーズ - Hector Berlioz (1803-1869)
幻想交響曲 Op. 14
Symphonie fantastique, Op. 14

 

1.(15:25) I. Reveries: Largo - Passions: Allegro agitato e appassionato assai
2.(06:45) II. Un Bal (Valse): Allegro non troppo
3.(16:57) III. Scene aux Champs: Adagio
4.(04:39) IV. Marche au Supplice: Allegretto non troppo
5.(10:01) V. Songe d'une Nuit du Sabbat: Larghetto - Allegro - Ronde du Sabbat: Poco meno mosso
total(53:47)

 

ウィーン国立歌劇場管弦楽団 - Vienna State Opera Orchestra
ルネ・レイボヴィッツ - Rene c (指揮)
録音:1958年7月

 

ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」/幻想交響曲(ロンドン交響合唱団&管弦楽団/ウィーン国立歌劇場管/モントゥー/レイボヴィッツ)

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ベルリオーズ 幻想交響曲<タワーレコード限定> ルネ・レイボヴィッツ ウィーン国立歌劇場管弦楽団

 

指揮者、作曲家、理論家のルネ・レイボヴィッツ(1913~1972)はワルシャワの出身。5歳でヴァイオリンを学び、8歳で作曲を開始した神童でしたが、17歳の頃にベルリンで聴いたシェーンベルクの《月に憑かれたピエロ》が転機となり、この作曲家に師事するようになります。その後、作曲をラヴェルに、指揮法をモントゥーに学びました。

 

1936年に指揮デビューしましたが、間もなく第二次大戦が勃発したため、作曲と理論書の執筆に集中。彼の著作《シェーンベルクとその楽派》(1946)、《十二音音楽入門》(1949)は有名です。1947年には指揮活動に復帰して新ウィーン楽派の作品を演奏、録音して、その紹介者として活躍しました。

 

1950年代後半にステレオ録音が開発されると、レイボヴィッツは一転してクラシックの名曲を大量に録音しました。とくに有名なのはロイヤル・フィルとのベートーヴェンの交響曲全集と、自らの編曲版によるムソルグスキーの《はげ山の一夜》ですが、実はそれ以前の1957~59年、ウエストミンスターに録音していたことを知る人は少ないのでないでしょうか。

 

彼は同レーベルにウィーン国立歌劇場管弦楽団とともに、《幻想交響曲》(初出品番:WST14046)、シューベルトの《グレイト》(同:WST14051)、《舞踏への勧誘》(ワルツ集)(同:WST14025)、モーツァルトのモテット集(同:WST205、シェルヘン指揮《レクイエム》2枚組の第4面)という4点のステレオLPを録音しました。これらのうち《グレイト》は日本未発売に終わり、残りの3点も長く廃盤の憂き目を見ていました。

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ともやん

ともやん

小学生の時、NHK交響楽団を指揮する岩城宏之氏の指揮姿に魅了されてから、クラシック音楽に興味をもち、今日まで生きてきました。 現在、LP、CD、カセットテープも含めて約1000件以上を所有しています。 毎日数枚ずつ視聴しながらブログを運営しています。 好きな作曲家は、ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームス、マーラーから武満徹、伊福部昭。 このブログでは、サブスクで楽しむことが出来るオーケストラ曲の名演、迷演、珍演をご案内して行きたいと思います。 お付き合いのほど、よろしくお願いします。 1957年富山市生まれ、横浜市在住。