一般相対性理論 重力は時空の歪により発生する | 時空の謎と、アンドロイド

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なぜ時間は戻れない、時空は3次元+時間なのはなぜ、第2のアインシュタインが簡単な原理ですっきり解決するのを見てみたい。ウサイン・ボルトより速く走れるアンドロイドが作りたい。

前回の検討で、重力が働く環境では、時空が歪むことが分かった。
今回は、重力は時空の歪みにより発生するという、一般相対性理論の理解しにくい考え方について計算してみる。

前回のまとめ
重力による時間と長さの収縮
  1. 重力の中心から r の位置で、重力加速度が g の場合、重力の働く座標系では、重力の働かない座標系と比較すると、
    β = √(1 - (g・r / c2) ) の割合で、時間が縮小(時計が遅れ)し、重力加速度 g の方向に長さが縮小する。
  2. 非ユーグリッド座標系
    重力の中心から r の位置で、重力加速度が g の重力が働く座標系は、円周の長さが、2πr よりも β の割合で短くなる球形の非ユーグリッド座標系の形をしている。
    中心から r の位置で、重力加速度 g が外側に働くような反重力が働く座標系は、遠心力が働く場合と同様に、円周の長さが、2πr よりも、1/β の割合で長くなる馬蹄形の非ユーグリッド座標系の形をしている。


ニュートンの万有引力の法則では、距離が r 離れた2つの質点 M1 と、M2 の間には、万有引力定数 G により、F = G・M1・M2 / r2 の引力が働く。
この方程式は、距離が離れた物体間に重力が遠隔力として作用していることを表している。
ニュートン自身も、いったい真空空間の何が重力を伝達しているのか考えたが、答えは得られなかった。
アインシュタインが一般相対性理論を発表した当時も状況は同じで、遠く離れた星まで重力を伝達している実態がなにか分かっていなかった。

そこで、アインシュタインは、重力が働く環境では、時空が歪むことから、時空の歪みが重力の実態であると考えた。
つまり、質量があると ⇒ 重力加速度が生じる、重力加速度があると ⇒ まわりの時空が歪む との考え方をさらに発展させて、
まわりの時空が歪むと ⇒ 重力加速度が生じる、と考えた。
アインシュタインの発想は、ここでとどまらず、重力加速度が生じる ⇒ 質量(E = M・c2 より、エネルギーと考えてもよい。)がある、とまで、考え方を発展させた。

私には、考え方に相当の飛躍があるように思われるが、等価原理で、慣性質量と、重力質量が同じであるとの前提からだけで、アインシュタインはこの結論を導いている。

さらに、この考え方は、空間が歪んでいる ⇒ 質量(エネルギーが存在する) ⇒ 空間が歪む ⇒ ・・・ とぐるぐる循環しているので、一歩間違うと、無限に質量(エネルギー)が増加してしまうようにも思える。

おそらく、アインシュタインは特殊相対性理論を完成させた前後には、等価原理は思いついていたと思われるし、おそらく、ここで考察した程度のことはきわめて早い段階で考えていたと思われる。
ところが、これを数学的に厳密な方程式にまとめるのに、相当苦労し、特殊相対性理論を1905年に発表してから、一般相対性理論を発表する1914年まで、10年近い年月を費やしている。

厳密な方程式にまとめるのが困難だった理由は、歪んだ非ユーグリッド座標系を扱う必要があることと、空間が歪んでいる ⇒ 質量(エネルギーが存在する) ⇒ 空間が歪む との循環問題を解決することに、天才アインシュタインでも苦労したのだろうと思われる。
アインシュタインが10年の歳月を掛けてまとめた一般相対性理論の重力方程式については、また別の機会があれば紹介したい。
ただし、厳密にアインシュタインの重力方程式を解くには、歪んだ非ユーグリッド座標系を扱う、リーマン幾何学と、ベクトルを拡張したテンソル等の高度な数学の知識が必要になる。

特殊相対性理論の考え方から、重力から時空の歪みを求めるところまでは、なんとか高校レベルの数学の知識でもついていけたが、アインシュタインの重力方程式は、突然異次元の世界になってしまう。
なんとか、簡略化した方法でも良いので、時空の歪みから重力を求める方法がないかと、一週間以上悩んでいた。
色々な解説本を読んでも、特殊相対性理論についてはわかり易く数式で解説していても、一般相対性論になったとたん、薄いゴムの膜の上にボールを置くと、ゴムが歪むのと同じように、時空も歪むから重力が生じる??とのイメージの図を使った定性的な解説になってしまい、具体的に時空の歪みから、重力を求める方法について説明しているサイトも解説本も見つけられなかった。

でも、昨日の夕方とつぜん閃いた。
アインシュタイン博士は、頭の中の答えに会うように、方程式を導いた。
つまり、答えから方程式を導いた。
それと同じだった。
答えが目の前にあることに気づいていないだけだった。

前置きが長くなったが、時空の歪みから重力加速度が生じることを実際に、計算してみよう。

あなたは、ロケットの周りの時空の歪みを測定する装置をもっているとする。
この装置は、時空の歪を表す2つの値を測定することができる。
・時空の曲率(曲率は、曲率の中心への方向と、中心までの半径 r で定まる。)
・半径 r から計算される円周の長さ 2πr と、実際の円周の長さの比β
 βは円周の縮小率を意味する。

この2つの値から、重力加速度 g を求める方程式が、目的の方程式だ。
つまり、重力加速度 g = が左辺にあり、測定値 r と、βが右辺にある方程式を求めればよい。

まさに、答えは目の前にあった。
前回もとめた式、β = √(1 - (g・r / c2)) を g = が左辺にくるように変形すれば良い。

β2 = 1 - (g・r / c2)
g・r / c2 = 1 - β2
g = (1 - β2)・c2 / r ・・・①

式①が求める方程式だ。
測定した r と、βを、式①に代入すれば、時空が歪むと発生する重力加速度 g が計算できる。
重量加速度 g は、円周の縮小率が小さいほど、半径 r が短いほど大きくなる。

嘘みたいに簡単だが、これで空間の歪みから生まれる重力加速度が計算できた。

この方程式には、一見、広い空間でしか定義されないと思われる半径 r と、円周の縮小率βを含むが、この2つの値は、測定している局所的な環境でそのように観測されれば良いので、広い空間で同じ値である必要はない。

つまり、実際に距離 r の位置に重力を及ぼす星が存在するかどうか関係なく、ロケットの周辺の時空の歪みが、半径 r と円周の縮小率β であれば、式①により重力加速度 g が発生する。

もし、縮小率 β > 1 となる場合(実際の円周の長さの方が、2πrよりも長い場合)は、①式のβに、1/βを代入すればよい。
この場合は、曲率の中心の方向とは反対に、重力加速度 g が働いている。

この状況は少しSFぽく感じるが、前回の等価原理から時空の歪を計算した際の、遠心力に相当するので、架空の計算ではない。
ただし、先ほどのアインシュタインの考察で、時空の歪みから質量(エネルギー)が生じると考えると、反重力を生むマイナスの質量(エネルギー)が生じることになる。
反重力とはなんだ、との話になるが、アインシュタインの重力方程式には最初から反重力を意味する項がふくまれてる。
有名な宇宙定数と呼ばれる値がそれだ。

以上で、今回の考察を終わる。
次回は、一般相対性理論の不思議な結論のひとつ、質量の無い光が、重力により曲がることについて考察する。

今回のまとめ

重力は時空の歪により発生する
局所的な環境で時空の歪が以下のように測定されたとすると、式①で計算される重力加速度が生じる。

・時空の曲率(曲率は、曲率の中心への方向と、中心までの半径 r で定まる。)
・半径 r から計算される円周の長さ 2πr と、実際の円周の長さの比β
 βは円周の縮小率を意味する。

g = (1 - β2)・c2 / r ・・・①

円周の縮小率 β < 1 の場合は、曲率の中心の方向へ重力加速度 g が発生する。
もし、縮小率 β > 1 となる場合(実際の円周の長さの方が、2πrよりも長い場合)は、①式のβに、1/βを代入すればよい。
この場合は、曲率の中心の方向とは反対向きに、重力加速度 g が発生する。
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