以前、3万円台以内(4万円未満)で購入できる革靴ブランドをご紹介させていただきましたが、今回は4〜7万円以内、つまり8万円未満で購入できる革靴ブランドについてご紹介させていただきます。
4万円未満でも良い革靴はたくさんありますが、8万円未満までご予算を増やしていただくとかなり選択肢も増えてきます。
この価格帯で良い靴に興味を持たれた方に是非ご覧いただければと思います。是非参考にしてみてください。
ブランドごとの特徴
各ブランドの特徴を簡単に記載しています。こちらの5項目を参考にしてみてください。
種類 | ブランドごとに取り扱っている種類が違います。 ビジネスで履けるようなドレスシューズ以外にもカジュアル寄りなブランドもいくつかございます。 |
価格帯 | 4〜8万円の靴をメインに取り扱っているブランドばかりですが、それを超えるものもあります。 |
製法 | 靴の底付け、つまり製法によって履き心地が違ったり、修理が向き不向きかなど、特徴があります。製法についてはこちらの記事でご紹介していますが、数が多いのでお時間あるときにでもご覧ください。 |
特徴 | デザインが豊富とか、カジュアルがメインとか、ブランドの特徴を簡単に記載しています。 |
サイズ展開 | 足の小さい方、大きい方はサイズ選びにお困りだと思うので、既製靴のサイズも表記しています。 |
パラブーツ [Paraboot]
種類 | ・カジュアル ・スポーツ ・ドレス |
価格 | 7〜9万円 |
製法 | グッドイヤーウェルテッド、ノルウィージャン |
特徴 | ・フレンチカジュアル ・リスレザー ・ルーズフィット |
サイズ展開 | UK5〜14 |
“カジュアル系革靴の代名詞”
1908年に創業したフランスのメーカー・パラブーツ [Paraboot] です。
グッドイヤーウェルテッド製法やノルウィージャン製法のカジュアルシューズを多く展開しているブランドです。
パラブーツのアイコンシューズ、シャンボード [Chambord]、アヴィニョン [Avignon]、ミカエル [Michael] は7万円台で、これらはパラブーツの中ではスマートカジュアル・スポーツウェアと位置づけられていますが、7〜9万円台のビジネスシューズも一部展開しています。
他にもアウトドアの登山靴やスニーカーなども展開しています。
ただし、ボリューム感のあるカジュアルシューズ故、フィッティングはゆるめのものが多い印象です。厚めのソックスやインソールなどで履き心地を調整していただくといいと思います。
パラブーツといえば『リスレザー』です。スムースレザーの一種ですが油分が多めに含まれていることで、その独特な表情が特徴的な革が有名です。
※リスの革を使っているわけではないのです。
また、日本ではあまり目にしませんが、本国ではこのようなドレスシューズも展開されています。
カルミーナ [Carmina]
種類 | ・ドレス ・ローファー ・ブーツ |
価格 | 7〜11万円 |
製法 | グッドイヤーウェルテッド |
特徴 | ・美しいシルエット ・デザイン、木型種類豊富 ・コードバンモデル多数 |
サイズ展開 | UK5〜14 |
“エレガントなドレスシューズとコードバン”
1866年にスペインのマヨルカ島で創業したメーカー・カルミーナ [Carmina] です。
クラシックなドレスシューズからローファー、ブーツまで幅広いデザインを展開しています。また、デザインが豊富であることと、木型も革も種類が多いのできっとお気に入りの1足が見つかるはずです。
インポートシューズではありますがかかとも小さく、サイズ展開と細身のシルエットの靴も多いので、日本人の足にも合いやすいのも魅力のひとつです。
シェルコードバンやアリゲーター、クロコダイルといった希少性の高い革は10万円以上しますが、カーフやスエードであれば7万円代で選び放題です。
ストレートチップ – carminashoemaker.com
アンラインドサドルローファー – carminashoemaker.com
ご覧の通り、シルエットの美しいエレガントクラシックなドレスシューズはカルミーナというブランドを体現するひとつの魅力ですが、デザインも木型も種類が豊富なので、丸みのあるカジュアル寄りな靴の選択肢も多いのも特徴です。
プレーントゥダービー – carminashoemaker.com
チーニー [Joseph Cheaney]
種類 | ・ドレス ・ローファー ・カントリー/ミリタリー |
価格帯 | 6〜8万円 |
製法 | グッドイヤーウェルテッド |
特徴 | ・英国靴らしい堅実なデザイン ・アーバンなカントリーシューズ |
サイズ展開 | UK5〜14 |
“英国靴入門的正統派ブランド”
革靴の聖地イギリスのノーザンプトンで1886年に設立されたブランド・チーニー [Cheaney] です。グッドイヤーウェルテッド製法の英国靴らしい堅実なドレスシューズとカントリーシューズを展開しています。数ある英国ブランドには10万、20万を超える高価なものもありますが、チーニーは比較的安価に英国靴を提供しています。
カントリーシューズでありながら、グリップ力の高いコマンドソールを採用し、無骨ながらも都会的な仕様の靴に仕上げられています。
ボードイン&ランジ [Baudoin & Lange]
種類 | ・ローファー ・ベルジャン |
価格帯 | 4〜8万円 |
製法 | セメンテッド |
特徴 | ・カジュアル/コンフォート |
サイズ展開 | UK4.5〜12.5 |
“新時代のクラシックカジュアルフットウェア”
2016年に誕生したイギリスのブランド・ボードイン&ランジ [Baudoin&Lange] です。
モダンなライフスタイルや旅行先でのコンフォートシューズ的な位置付けのクラシックスタイルのローファーのみを展開しています。ベルジャンシューズという名称で呼ばれることもあります。
その中でもプレーンなものからタッセルやバックルを施されたものがあったりと、時代に合わせたデザインがおもしろいブランドです。基本は4〜6万円台、一部7〜8万円ですが、アリゲーターを使ったモデルはかなり高くなります。
アップル社の元クリエイティブディレクター・ボードイン氏とレースカードライバー・ランジベルト氏によって誕生したブランドであるというところもおもしろいところです。
アンラインド(裏地無し)仕様の靴が多いため、長く履いたり長距離を歩いたりするのは向かない靴ですが、履き心地は柔らかく休日やカジュアルユースでは重宝しそうです。
Sagan Classic – baudoinlange.com
buckle loafers – baudoinlange.com
残念ながら日本で購入できるところは多くありませんが、BEAMSのようなセレクトショップで取り扱いがあったり、公式サイトも日本語対応していて購入ができるようです。送料無料、返品交換も無料ですって。
マグナーニ [Magnanni]
種類 | ・ドレス ・カジュアル |
価格 | 4〜6万円 |
製法 | オパンカ、マッケイ、ボロネーゼ |
特徴 | ・イタリアンテイスト ・手染め ・ロングノーズ |
サイズ展開 | 23.5〜28.0cm |
“スペイン発、イタリア系色気コスパシューズ”
1954年にスタートした、独特なデザインと独特な製法が特徴のスペインのブランド・マグナーニ [Magnanni] です。イタリアブランドはなかなかに高価なブランドが多い中、同じテイストの色気靴としてこちらのマグナーニは比較的良心的な価格で靴を提供してくださっています。
クラシックスタイルな革靴ではなく、美しいシルエットと例を見ない独特なデザインが特徴的です。言葉で説明するよりも実際に写真を見ていただいた方が早いと思います。
マッケイ製法やボロネーゼ製法といった、軽さと柔らかさが特徴の靴だけでなく、オパンカ製法という靴底がサイドに持ち上がっているデザインもこのブランドの代名詞的製法です。足を包み込むようなフィット感を得られると言われています。
また、マグナーニは手染めによるパティーヌ仕上げの靴も展開しており、スタイリッシュな靴や独特な色気靴がお好みの方には是非ご覧いただきたいブランドです。
ペルフェット [Perfetto]
種類 | ・ドレス ・ローファー |
価格 | 4〜6万円 |
製法 | グッドイヤーウェルテッド |
特徴 | ・エレガントなシルエット ・丁寧な底付け |
サイズ展開 | UK5.5〜9 |
“細部と仕上げにこだわった美ドレスシューズ”
国内有名ブランドや、セレクトショップなどのOEMを数多く製造されている国内メーカー・ビナセーコーさんが、2007年に自社で立ち上げたのがペルフェット [Perfetto] というブランドです。イタリア語で『完璧な』を意味します。
既製靴は4〜5万円台、パターンオーダーでも5〜6万円台で提供してくださっている良心的なブランドです。
木型は主に3種類ですがシルエットがどれも綺麗なのと、ピッチドヒールも相まって非常にエレガントな靴に仕上がっています。木型も日本人の足を意識した形状なので、かかとも小さく高いフィット感を得られます。
オーセンティックなデザインの靴もありますが、オリジナリティのある独特のデザインの靴も展開されています。
木型の美しいラインに沿うエレガントなデザインも秀逸で、底付けや靴の仕上げは細部までこだわって作られているので、それを4万円台・5万円台で購入できるというのは非常に良心的です。
オリエンタル [Oriental]
種類 | ・ドレス ・カジュアル |
価格 | 5〜12万円 |
製法 | ・グッドイヤーウェルテッド ・ハンドソーンウェルテッド ・グッドイヤーマッケイ |
特徴 | ・小足、薄足におすすめ ・少しスパイスの効いたデザイン |
サイズ展開 | UK5〜14 |
“本格仕様の独自ドレスシューズ”
1957年に東洋製靴株式会社として奈良県で創業したメーカーですが、2016年にその名からオリエンタル(oriental:東洋の)というブランドを立ち上げます。
ハンドソーンのモデルから、グッドイヤー、グッドイヤーマッケイと製法の使い分けも幅広く、本格仕様の靴でも5〜12万円程度の価格帯です。
ドレスシューズをメインに製造されていますが、ローファーやブーツも展開されています。どれもデザインのバランスが秀逸で、飽きのこないデザインであることも魅力です。
サイズ表記だけで見ると他のブランドよりも小さめな仕様です。また甲も薄いものが多いので足の小さい方向けにもおすすめできるブランドです。
トレーディングポスト専用で展開しているモデルは、一見よく見る定番のデザインかと思いきや意匠にはかなりこだわりが詰まっているようで、よくよく見るとちょっと特殊なデザインや他には見ない装飾が施されています。
パンチドキャップ – tradingpost-online.jp
実店舗はトレーディングポストやワールドフットウェアギャラリーでの取り扱いがメインです。
ローク [Loake]
種類 | ・ドレス ・カジュアル |
価格 | 3〜5万円 |
製法 | グッドイヤーウェルテッド |
特徴 | ・キルトタッセルが有名 ・英国ロイヤルワラント |
サイズ展開 | 24.5〜27.0cm |
“案外ドレスなマンモス老舗英国ブランド”
革靴の聖地イギリスのノーザンプトンで1880年に設立されたブランド・ロークです。先にご紹介したチーニーのようにクラシックスタイルの所謂英国靴を製造しているブランドとして、長い歴史とロイヤルワラント(英国王室御用達)を取得しています。
日本だとブライトン [Brighton] というキルトタッセルローファーが有名です。
しかし、現地ではそれ以外の英国靴らしいクラシックシューズが多く生産されています。
アジア圏にも工場を保有しており、そちらとノーザンプトンの週の生産足数は6,000足。マンモスファクトリーです。
ノーザンプトンの工場も非常に大きく、機械化が進んだ効率を考えられている工場です。とはいえ手作業に頼らないといけない部分もあるので、そこは職人の手に頼らざるを得ない部分もありますが、機会化と効率化によって、生産数を確保できることで高いクオリティのものを比較的良心的な値段で提供しているというイメージです。
レンド [RENDO]
種類 | ・ドレス ・カジュアル |
価格 | 4〜6万円 |
製法 | グッドイヤーウェルテッド |
特徴 | ・細足用木型 ・フィッティング調整 |
サイズ展開 | 23.5〜27.5cm |
“小足・細足の味方、浅草発フィッティング対応ブランド”
2013年に浅草でスタートしたブランドです。
また、通常の Eウィズの木型だけでなく、足の細い方に向けた Cウィズの木型も展開されていて、足が細くて合う靴がないという方にも喜ばれているブランドです。また、履き心地やフィッティングに対して寛容でいらっしゃるのでパターンオーダーなどをする場合は、木型の微調整をしてもらえます。
既製靴 ¥45,000 と パターンオーダー ¥51,600〜 で展開をされています。
Rendo 取材記事はこちら
MIYAGI KOGYO(宮城興業)
種類 | ・カジュアル ・ビジネス ・スポーツ |
価格 | 5〜6万円 |
製法 | グッドイヤーウェルテッド |
特徴 | ・ブリティッシュ ・サイズ展開豊富 |
サイズ展開 | UK4.5〜9.5 |
“正統派ブリティッシュテイストの良質和製ブランド”
山形県の宮城興業が2018年にスタートしたブランド、MIYAGI KOGYO です。
ブリティッシュテイストに寄せ、全体的に丸みのあるシルエット、靴の内側は直線的で、デザインもオーセンティックなものが多い印象です。
かかとの芯材や靴底内部の素材などにも歩行の快適性を追求しています。革や仕上げも繊細で見た目にも非常に美しい靴です。
一部のモデルはサイズ4.5から展開されているものもありますので、足の小さい方にもおすすめです。
アレンエドモンズ [Allen Edmonds]
種類 | ・ドレス ・カジュアル ・ブーツ |
価格 | 6万円〜 |
製法 | グッドイヤーウェルテッド |
特徴 | ・アメリカンテイスト ・カントリーシューズ |
サイズ展開 | 23.5〜27.0cm |
“米国大統領が顧客、ジ・アメリカンクラシック”
1922年にアメリカのウィスコンシン州で創業メーカー・アレンエドモンズです。
外羽根のロングウイングのモデルはアメリカン靴らしいダブルソールの無骨さと、カントリーシューズらしい丸みの強いシルエット、そしてアメリカ靴特有のステッチや穴飾りが特徴です。
コードバンを贅沢に使ったチャッカブーツは10万円を超えるものもありますが、やはりアメリカンテイストの強めの特徴が色濃く出ています。
Whitney Cap Toe – amazon.co.jp
日本にはあまり多くのモデルが入ってきていないようですが、アメリカの公式サイトではドレスシューズからドレスブーツ、ローファーやカジュアルシューズまで幅広いデザインの靴を展開しているブランドでもあります。
取り扱っているお店はあまり多くありませんが、トレーディングポストで販売されています。
シェットランドフォックス [SHETLAND FOX]
種類 | ・ドレス/ビジネス ・ローファー/ブーツ |
価格 | 4〜9万円 |
製法 | グッドイヤーウェルテッド |
特徴 | ・種類豊富 ・歩行設計木型 |
サイズ展開 | 23.5〜27.0cm |
“日本の足元を支える大手メーカーのハイエンドブランド”
日本を代表するブランド・リーガルが1982年にスタートしたハイエンドブランド・シェットランドフォックスです。
大手メーカーとして豊富な日本人の足方データをもとにフィッティングと履き心地を実現しているようです。デザインも多く選択肢が多いのもやはり大手メーカーならではです。
こちらのケンジントンII がシェットランドフォックスの中では最も人気のモデルです。
最後に
3万円台以内でご紹介しているブランドにも、一部4万円以上の革靴もありますので、是非そちらも。そして今回の動画もご用意していますので、よければご覧になってみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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