つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

青い瓦を葺いた神の城、碧き水に囲まれし城郭。

2021年10月10日 18時33分33秒 | 旅行
                        
前回投稿の続編。

コロナ感染鈍化の機を捉えた1泊旅行。
目的の一つは、1年2ヶ月ぶりの「旅打ち」だった。
目的は他にもあり、その一つが「カトリック大津教会」見学。
同じgooブログを通じて知り合った方「Zhenさん」主宰のブログ、
Being on the Road ~僕たちは旅の中で生きている~」で紹介されていて、
実物を見てみたいと考えていたが、ようやく念願が叶った。
(※上記下線・赤文字、リンクあり)



滋賀県 大津市 馬場、京阪電鉄・膳所駅そば。
住宅街の一角に建つカトリック大津教会。
何といっても目を引くのは青い甍(いらか)の屋根だ。
天辺に十字架をいただく楼閣風の建築。
入口のひさし屋根の格天井。
和洋折衷の趣は、まるでお城の天守の様にも見受けられる。
実に印象的だ。



献堂は、昭和15年(1940年)。
「信仰の土着化という立場から教会の建物は日本風のものであるべき」
--- との考えに基づいているのだとか。



前庭の設えは「ルルド」。
フランス南部、ピレネー山脈の麓の地・ルルドの洞窟で、
羊飼いの少女の前に聖母マリアが現れ、
そのお告げに従い、足元の土を掘ると洞窟前に清水が湧出。
霊泉は多くの病を治癒した。--- という奇跡を模したもの。
故事をご存じの方は少なくないと思う。
こちらが同教会を“湖畔の聖母”と称する所以だろうか?



中には美しいステンドグラスがあり、珍しいタイル貼りと聞いていたが、
残念ながら扉は固く閉じられたまま。
これも時節柄、致し方ない。

同教会HPによれば、本日(2021/10/10)よりミサを再開。
信徒を2グループに分け、それぞれ指定の日に限り参列可にしたとの事。
いずれにしても内部の見学は難しかっただろう。
次の機会を待ちたい。

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代わっては、宿泊先となった滋賀県 甲賀市 水口(みなくち)での観光。

かつて、東海道五十三次50番目の宿場町として栄えた水口は、
平成の大合併により、現在「甲賀市」を構成する一つとなった。
観光キャッチフレーズは「お城のまち」である。



目指すは「水口城」。
地勢的に都に近く、徳川幕府3代将軍「徳川家光」が京都上洛の際に泊まる、
「宿館」として築城された。
名前に「城」は付いているが、統治・防衛の拠点としての役目は薄い。
築城は幕府直轄、延べ10万人の大工が動員されたという。



京都の二条城を小型にした格好でなかなか華麗。
湧水を利用した堀に青い水をたたえていたことから、
ついた別称が「碧水城(へきすいじょう)」。
ネーミングも美しい。
「本丸」と「二の丸」の二郭で構成され、失われた本丸内部には「御殿」があった。
しかし、将軍の宿舎として使われたのは1回限り。
家光以降、将軍の上洛は途絶え、水口藩設立後は藩主の居城となった。



平成3年(1991年)「水口城資料館」として開館したが、
現在、城内へ渡る橋の老朽化により、今月1日(2021/10/01)から臨時休館。
資料館を観覧したかったが、致し方ない。
上記「カトリック大津教会」の内部見学と同様、次の機会を待つとしよう。



ところで水口城は、珍しい側面がある。
明治維新後、廃城となった際、建物や石垣の大半が公売に付され、
旧本丸跡は「県立 水口高等学校」の敷地となり、運動場として利用されているのだ。
訪問当日もサッカー部、テニス部らの学生たちが汗を流していた。
ちなみに同校の校舎は、伊賀街道を挟み、お城のはす向かいにある。



そんな水口高生をはじめ近隣の腹を満たしてきたのが
お城から徒歩数分の「谷野食堂」である。
創業は戦後間もない昭和28年。
製麺業を営む傍ら食堂も経営。
自家製麺を使った「スヤキ」が人気。
最近は“ご当地B級グルメ”として紹介されることも多いらしい。
僕もいただいてみた。



特盛580円。
そば玉、もやし、ネギをラードで炒め、ラーメン丼にドーン!
卓上のソース、コショウを振り自分で好みに味付け。
天地をひっくり返し、ひたすら混ぜ合わせ完成。



ズズッ、ズズズッ。
うん、そばカリカリ、もやしシャキシャキ。
味を濃くしたければ、自分でソース&ペッパーを追加しながら食べる。
お腹一杯、ごちそうさまでした!
コップの水を一気に飲み干し、やや勢いよくテーブルに置いた僕は呟いた。
「よし、行くか!」

今回の旅ブログは、もう1回だけ続く。
                          

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6 コメント

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りくすけさんへ (Zhen)
2021-10-10 21:38:22
こんばんは

冒頭でのご紹介、ありがとうございます。

「青い瓦を葺いた神の城」秀悦な表題です。カトリック大津教会をご訪問頂きありがとうございます。(神父でも、信徒でもないですが)

教会や資料館の内部を見学できなかったのは、「またいらしてください」といった神の思し召しと思ってください。何もかも、見てしまうと、それでお終いですから。(笑)

谷野食堂のスヤキ特盛、まさに「よし、いくぞ!」と気合を入れて食べる豪快さが似合いますね。

では、また、次を楽しみにしています。
Zhen様へ。 (りくすけ)
2021-10-11 05:54:35
コメントありがとうございます。

カトリック大津教会、外観だけではありますが
じっくりと観覧させてもらいました。
中に入れなかったのは残念ですが、
Zhenさんのおっしゃるとおり
水口城資料館共々、神の思し召しと考え、
再訪を誓っております。

ところで、本文中の貴ブログ紹介箇所から、
リンクを張らせてもらえたらと思いますが、
差し障りなかったでしょうか?
お考えお聞かせくださいませ。
Unknown (Zhen)
2021-10-11 06:36:58
りくすけさんへ
おはようございます。
リンクの件、まったく問題ありません。
ぜひぜひお願い致します。
ては、また。
Unknown (作業員)
2021-10-11 07:59:03
お城とB級グルメ
素晴らしい旅ですね(^^)
「スヤキ 」美味しそう!
食べてみたいリスト入りです
Zhen様へ。 (りくすけ)
2021-10-11 08:20:35
早速の承認、ありがとうございます。
では、遠慮なく!
作業員様へ。 (りくすけ)
2021-10-11 08:24:27
コメントありがとうございます。

スヤキ、きのう自分でも作ってみましたが、
店の味には遠く及ばず。
複雑なレシピではなさそうですが、
調味料とか、調理器具とか、手順とか、
色々と違いがありそうです。

甲賀水口の旅、おススメです。
次回続編もまたおススメ。
ぜひご覧くださいませ。

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