面接の場で採用担当者があなたに聞きました

あなたの強みは何ですか?

4人の就活学生がいます。 4人ともに、この質問は聞かれそうだな、と準備していたので それぞれ自分の「強み」を語ります。

私の強みは、初対面の人とでもすぐに仲良くなれることです。 ひとつのことに打ち込むことができることです。 複数のタスクを同時並行に行えるマルチな部分です。 決して人に嘘をつかない、正直なとことです。

さあ、あなたに質問です。

この中の誰が採用されたでしょうか?

答えは…

わかりません。

なぜか?

上の文章だけでは、質問者の意図がわからないからです。 質問者の意図がわからない、ということはその質問に対してどういう答えをした人物を採用するつもりなのかもわからない、でしょ。

だから、誰が採用されていてもおかしくないし、誰も採用されなかったかもしれないんです。

この「あなたの強みはなんですか?」という質問に対する模範解答は次のようなものです。

この「あなたの強みはなんですか?」という質問に対する模範解答は次のようなものです。

私の強みは●●●●ということです。
==>>>> ここは粘り強いでも社交性があるでもなんでもありです。
と申しますのは、私はこれまで●●●●●●のときも@@@@ということをしてきましたし、
●●●●●●●になったときも@@@@@なことを経験してきたからです。
===>>> ここは上の強みを裏付ける具体的なエピソードですね。
この●●●●という部分は、仕事の上では@@@@という意味で私の強みとなることと考えておりますし、
●●●●●な意味で社会人になってからの私の成長を促してくれると考えております。
===>>> 仕事に役立つ強みであることを強調します。
さらに、公私ともに人間関係を構築する上でも@@@@な部分は
相手の方への気配りに繋がっていくものであることはこれまでも
経験しておりますし、これからもそうなっていくものと考えております。
===>>> 仕事以外の面で強みになる要素に触れる。
以上のことから私の強みは@@@@@@@なところだと考えております。
うーん、ちょっと長いけどこのテンプレートにあてはめて話せば、完璧じゃあないでしょうか?
どんな面接でも乗り切れそうですよね。
おそらくそうだとは思います。
ただちょっとあまりに出来杉くんな答えなので、つまらないなあとは思いますけどね。

仕事の出来る人の答えは?

むしろ私だったら、次のようなことを言う人を採りたい!と思いますけどね。
それは、私の能力の中で貴社の業務に具体的に貢献できそうなところ、という視点でお答えすればよいでしょうか?
それとも、性格やそれ以外も含めてということでしょうか?
また、貴社の業務に限らず社会人として長所となる部分という観点でお答えすればよろしいでしょうか?
ま、ちょっと偉そうに聞こえなくもないですが…
要は「あなたの質問だけでは漠とし過ぎていていかようにも答えられるのですが、
具体的にはどういった意図で質問しているのでしょうか?」
ということを確認質問してくる人がいれば「やるなあ、こいつ」と思うわけですよ。
模範解答は、この質問には有効な回答だし、あなたがそれなりにできる人だということは伝えられると思います。
でもこういった回答は、意図がよくわからないものに対して、広範囲に答えることで一応カバーしているという答え方ですよね。
それに対して、質問の意図そのものを明確にするという逆質問は、
相手の意図を明らかにして、問題点を明確にしてから、
それに対する回答を提示する、というアプローチですよね。
実際に仕事のできる人、のアプローチはこちらなんですよね。
慣れてくれば、直接的な質問ではなくて、会話の中で相手の意図を探っていくのですが、
面接という時間お限られた中では、ズバッと聞く方が効果的なことが多いと思います。

相手の抱えている問題、悩み、疑問、を明確にしながらそれに対する解決を提示していく

これが仕事のできる人のアプローチなんです。
それに相手もそれなりの人なら気付くんですよね、
ああ自分の聞き方が曖昧だったな、って。
ま、わざとそうしている、って場合もあるかもしれないですけどね。
よくわからない質問に
この3タイプに分けられると思いますがおそらく100人のうちで
80人は一番目、
19人は二番目
残りの1人がいるかどうかというのが3番目
このくらいの人数比ですよ。
面接で強みを聞かれてちゃんと答えられたのにと思っている人の大半は一番目ですからね。
答えた方はちゃんと答えたつもりでも、聞きたいことを答えてないという。
これだけで落ちるってものではないでしょうけど、あまりプラス評価には繋がってない可能性が大ですよ。
大切なのは、自分が伝えたいことを話すことではなくて、
相手の聞きたいことを理解した上で答えることですからね。