更に1週間後
玲奈はいつも最寄りの駅のキップ売り場で
午前8時に珠理奈と待ち合わせをしていた。
だがこの日に現れたのは
平手友梨奈だった。
「あ・・・平手さん。」
「すいません。
珠理奈は急遽、仕事が入ったので
私が一緒に行きますね。」
「もう大丈夫だと思いますので
私一人で通勤しますから、
これ以上ご迷惑かけられません。」
玲奈は珠理奈にだけでなく
友梨奈にまで迷惑をかけるのが
申し訳ないのであろうか、
かなり悪びれた表情をした。
「大丈夫ですよ。私も休みで
やることありませんし
20分程度のガードですから
気にしないでください。」
友梨奈はそう言って
もうキップを買い出した。
友梨奈も玲奈に惹かれるところがあり
一緒に時を過ごしたいと内心思っていた。
「そうですか・・・じゃあ、お願いします。」
玲奈はお辞儀した。
友梨奈はその所作がとても美しく思い
一瞬見とれてしまったのだ。