岡田麿里監督作品『アリスとテレスのまぼろし工場』
副監督で参加しています。
『劇場版 呪術廻戦 0』12月24日劇場公開決定!
お楽しみに!
7月21日に終映、興収100億円を突破! ありがとうございます!!
8月12日からAmazonPrimeにて配信決定。
絵コンテ原案、原画等で参加しています。
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「著者の指摘通り勝利への道は『強い意志』だ。国家と故郷への愛と夢を胸に、青年よ、挑戦しようよ!」
これは1994年4月に出版され、国内外から批判されてわずか2ヶ月で絶版回収になった『HITLER ヒトラー選挙戦略』に寄せた、高市早苗議員の推薦文です。
リテラの記事は書物から引用されており、単にイメージで批判しているわけじゃないことがわかります。
情報戦略では、こう書かれている。
《「そして、説得できない有権者は抹殺するべきです」
自民党広報部長(当時。著者の小粥義雄氏)が殺人教唆!?と驚愕していたら、次に「この抹殺とは人を殺すことではありません。政治的活動を一切させないように工作することです」と続き、ホッと胸をなで下ろしたのだが、いやいや、考えてみると、「政治的活動を一切させないように工作」というのも相当に恐ろしい。それって、反自民党的な有権者ならびに市民団体や政治勢力を弾圧して、政治に関与させないようにする!ってことじゃないか?》
他、ヒトラー・ナチ党の選挙戦略から学ぶのがこの本の趣旨なのだが、批判的な視点を持って学ぶべきところは学ぶ、という姿勢とは一線を画しているようだ。自党の権力を強化するためなら手段を選ばない姿勢が見て取れる。
さて、それはともかく
高市早苗議員が直接政策論を語ったものを見てみましょう。
「三橋TV」に2回出演して、総裁選出馬の経緯と重視している政策を語っています。
第一回
第二回
ボクは、2本を2回じっくり見て聞きました。
まず、総裁選出馬の前に、安倍晋三氏に7月末まで何度も何度も再出馬を訴えたとのこと。
アベノミクスでやり残したことを実現しなければ、と。
高市議員の主張する政策論は以下の3本が柱だと思います。
1:プライマリーバランス黒字化目標凍結
2:政府投資による供給体制の強化
3:情報と技術の対中国姿勢
出馬の経緯を考慮すれば、アベノミクスの継承です。
1のプライマリーバランス黒字化目標の凍結には異論ありません。破棄と言ってほしいところですが、ひとまず凍結でも良いでしょう。
2からが問題です。
高市議員の話を聞いていると供給側、サプライサイドの話が非常に多い、テクニカルな話がやたらと多い、と言うか、そればっかりです。財政拡大論も供給力の強化に向かっている。
経済を勉強している人ならわかると思いますが、デフレーションは需要不足で供給過多な状況です。デフレ時に供給力を強化すればデフレは悪化するのです。デフレ脱却には、公共投資や民間投資、減税等で需要を創出することが必要です。
高市議員は公共投資の話もしています。防災を強化するべきだとも話しているが、どうもピントがズレている感じが拭えない。医療提供体制の強化も言いますが、これも供給体制、テクニカルな話がメインです。医療従事者が所得と見合わないために離れてしまうデフレ状況には関心を示さない。
テクニカルな体制強化で改善できるという姿勢は、改革・規制緩和とつながっている。安倍-竹中路線がそれです。
三橋さんから、改革路線についてどうかと問われると、ことばを濁しました。内閣にいたのではっきり言えないのかもしれないが、言わないようではダメでしょう。
どうやら高市議員の言う政府投資の増強というのは、アベノミクスの延長上にあると考えざるを得ない。
3の情報と技術のセキュリティ強化。
日本は甘いので強化が必要なのは確かです。
番組でも、安倍内閣でやり残したのは「スパイ防止法」のようなセキュリティ強化政策だと言っている。
さあ、冒頭で話題にしたヒトラー戦略本の話を思い出しましょう。嫌な予感がバリバリしてきますよね…。
どの政治家でも言論人でもそうですが、「国家観」を金科玉条のごとく言う姿勢はまったく感心しません。
喫緊必須な話題については、びっくりするくらい何も言っていません。
コロナ災害に対する、給付と補償にはひとことも言及なしでした。
「これだけの災害が…」と言いはじめたので給付と補償に言及するかと思いきや、コロナ禍の話じゃなかった。
過去最大の感染者数を更新して、重症者数も増加。死亡者数は今現在15945人で、東日本大震災で確認されている死亡者数を超えました。
感染被害に伴って、この1年8ヶ月、生活と経営に多大な被害がつづいている。第5波が最後ではなく、もっと酷くなる可能性もある。
にもかかわらず、財政支援、給付と補償、これが全く、何も、ひとことも、言ってない。
医療やワクチンに対しても平時を基準にしたようなテクニカルな話ばかり。
予想を遥かに超えるミクロ思考のようです。
高市議員を猛プッシュする藤井聡教授にしてもそうですが、平時の延長で将来的なことへは財政拡大を言うのです。 ところが、現在の危機を認めないものだから、喫緊必須な給付と補償を優先してやらせようとしない。 今必要なことをやらせずに、将来できると思うのは、夢の世界に逃げたいだけじゃなかろうか。
デフレ状況やCOVID-19災害を直視しない政治家を推せるのはどうしたことか。
2012年に安倍晋三氏が自民党総裁になった時の期待感、高揚感を再現したいのか。だったら、失敗は自明でしょう。中身が大差ないんだから。
それから、高市議員は消費増税についてどう発言したか。
2014年に消費増税されたのち、景気は悪化しました。そのとき宮崎哲弥さんが番組で高市議員に質問しています。
「消費増税したことに反省はありますか?」
最初は話をずらし、ことばを濁しました。
「消費増税を反省してないんですか?」
二度問い詰められて
「反省しておりません」
こう言ったのです。
一度目に話をずらしたのは、失敗だった認識があったのでしょう。その上で「反省していない」と言った。実に政治的なウソつきです。今はどうなんでしょうね。
期待できます?
三橋さんは救世主なんていない、とよく言いますよね。その通りだと思います。
できることを半歩分もやろうとしないなら、人が代わろうが政権政党が代わろうが、将来の美しい話をどう飾り立てて言おうが、一歩を踏み出すのは無理です。
今の内閣がダメだから次の内閣で、なんてのが成功した例ありますか? ないんです。
菅内閣がどんだけダメダメだろうと、まず半歩分でもやらせることです。給付や支援金は不十分でもやっている。補償もやれ!もっとやれ! もっとやれ! こう求めて足して一歩にさせなきゃ政策転換(令和の政策ピボット)なんて歩き出せやしません。
総裁選は延期して臨時国会で大規模補正予算を出せ、と。そのくらい言ってもよかろうに。
全政治家はもちろん自民党総裁候補の顔を見たら、まず最初に「給付と補償は!?」と詰め寄らなきゃダメですよ。
どうして詰め寄らないんでしょうね。
ことばを濁されたら番組で応援できなくなるから?
もう、給付と補償には関心がなくなった?
コロナ禍はもう気にしなくて良い?
思うようにならない現状に耐えられなくなって、爽快感に浸りたくなったんでしょうか。
だとしたら、また「裏切られた〜〜」って言うことになりますよ。
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