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日々の名残り~The Remains of the Days~

腐敗した果実の方程式

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「腐ったミカンの方程式」という言葉をご存知ですか?

1980年から1981年にかけて放送されたドラマ「3年B組金八先生」の第2シリーズで教師役の武田鉄矢が不良少年の悪影響を例えて言ったセリフで、箱の中に一つの腐ったミカンがあると、他のみかんにも腐敗が広まることから、一人の不良少年がクラス全体に悪影響を与えることを表現しています。

元日本代表監督ジーコが日本代表を揶揄して使っていたことでご存知の方も多いかもしれません。
まぁ決していい意味言葉ではありません。

金八さんが言うように、集団に悪影響を与えるのは果たして本当に一つの腐ったミカンなのでしょうか?

近年のいじめのニュースやパワハラ、セクハラが横行した会社、スキャンダラスな政治家たちから見て取れる不正や不条理な社会を見ていると一個人だけの責任、腐敗だけでは説明がつかないように思います。

もちろんその当事者に責任がないわけではありません。
当事者を庇う気なんてさらさらないければ、ルールを犯した者は罰せられてしかるべきであると思う。

だが、余りにも同じような事件、同じような過ち、同じ悲劇が焼き直したかのように繰り返され過ぎている。
多くの人々が口々に議論し、問題視される事件や大きな社会問題が徐々に「・・・またか。」と何度も繰り返される陳腐なストーリーのように人々の心に刻まれていく。

まるで、何度タイムスリープをして運命を変えようとしてもその運命にあらがうことのできない物語を見るようなそんな心持ちを誰しもの胸に抱かせる。

なぜ、同じように繰り返される。
それは、一個人、一つの小さな異物、一つの腐ったミカンだけの力だろうか?
その一つの異物を取り除けば全てが万事解決する?

そうではないだろう?
現代社会における問題は、一つの腐ったミカンでは片づけられない。

ミカンどころかミカン箱自体が腐敗してるのではないだろうか?
社会の構造、学校の構造、会社の構造、家庭の構造。
そのどこかがおかしいから問題は起こる。
そして、一つのミカンを取り除いたところで、その箱自体が腐敗しているのならば何の意味も果たさなければ、問題解決にもなりはしない。

余りにも、臭いものに蓋をするという行為が横行している。
腐敗した場所を覆い隠すように、ミカンを詰め込みそれによりさらに腐敗は進んでいく。
そんな問題解決では、腐ったミカンを悪戯に増やすだけだ。

腐ったミカンと呼ばれるものが見つかるたびに、何度もミカン箱が腐敗していないか確認する機会はあったはずだ。
しかしそうはしない。
問題を大きくしたくないからだ。
あくまでも、一つの腐ったミカンのせいにする。

いじめがあっても隠蔽する。
不正や不祥事があったら、個人の責任や会社の責任として、その会社そのものや社会全体のものにしようとはしない。
何か事件があれば、犯人は私たち一般人とは違う狂人だと報道する。
そのミカンが腐っていたのですと・・・。

一時の安心感や保身の為に行われる行為により、犠牲者は増え続ける。

決して腐敗しないミカンもなければ、決して退廃・腐朽しない箱などない。


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