「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

アルバム

一周忌の日に思ったアルバムの購入について、丸一日、時間をおいてみた。だけど、特に心境に変化はなかったので、帰宅して直ぐに注文を済ませた。それは、一周忌にしておくべき事として、少しでも早くアルバムを完成させたかったからだ。そうして、一周忌から四日目、やっと手元にアルバムが届いた。もう少しでアルバムが出来る。そう思うと本当に嬉しかった。早速、梱包を解いてアルバムを確認してみると、想像していた通りの商品だ。このアルバムには、百枚の写真を挟める。そこで、生前に撮影していた写真の中からアルバムに残しておきたいものを選りすぐってプリントすることにした。そして、そのプリントしたものと、元々、写真として存在していたものを合わせてみると、全部で七十八枚になった。これらを挟んでゆく順番は、年月の古いものから並べてゆく事にした。そうしておけば、出会ってからの思い出を順番に辿れるからだ。それで、そうして作ったアルバムを一枚一枚捲ってみる。すると、直ぐに最後のページになってしまう。思い返してみると、ぺいと暮らした年月も、本当にあっという間だった。いまさらだけど、もっと、一日一日を大切に、もっと、最大限の愛情を注いでやれば良かった。少し後悔のようなものが湧き出てくる。もちろん、一緒に暮らしていた時は、その時々で、それなりに愛情を注いできたつもりだ。猫の一生が、十数年ということも分かっていた。でも、それは、今思えば、所詮、漠然とした感覚だった。それと、そもそも、もし、別れが悲しいものだとしても、まさか、これほどまでに悲しい思いをするなんて想像もしなかった。完成したアルバムのページを捲るたび、本当に色々な事を思う。それにしても、やっと、ぺいとの思い出がアルバムという形になった。もちろん、このアルバムは、母とも共有したいと思って作ったものだ。ぺいを病院に何度も連れて行ってくれたり、色々と面倒を見てくれた母。そんな母にアルバムを見てもらえる事が凄く嬉しかった。そして、翌々日、アルバムを持って母の家に出向いた。もしかしたら、ぺいが、母に会いたいと思っていて、ぺいからの以心伝心で、私は、なおさら嬉しかったのかもしれない。 

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