「神様からの贈り物」

~扁平上皮癌との闘い~

まだ数年は続くと思っていた、愛猫「ぺい」との平凡な日常。
しかし、その後の誤診と突然の癌宣告...。
それでも、再び元気になれる奇跡を一緒に夢見た記録です。

■エピローグ

どれだけ涙を流した事だろう・・・。もう、これ以上書くのは無理。過去を、記憶を、振り返ることが、あまりにも辛くて筆の進まない時期が何度もあった。特に後半の第四章以降は、本当に辛かった。再び、あの悲しみの記憶を思い出すということ。それは、最初は、全く同じ経験を繰り返すのと同じだと思っていた。でも、どうしてあの時、もっと気づいてやれなかったのか?その時々で、最善を尽くしたはずだった。それなのに、「ぺいちゃん、ごめんな、ぺいちゃん、痛かったよな、ごめんな、ごめんな」と、文字を入力する手は何度も止まって、何度も、本当に何度もパソコンの前でうつ伏せになって泣いた。それは、最初に想像していた単純に同じ経験を繰り返すより遥かに辛かった。そして、そんなことを何度も繰り返していた時、ふと、一つだけ確信した事があった。それは、これほどの悲しみは、溺愛の我が子を十一歳で失った時の悲しみと絶対に同じだという事だった。今の私に、人としての我が子はいないから、これは、想像上でしかないのだけど絶対に同じ。そう断言出来た。