もうだめかもしれない。

大丈夫ですかと聞かれたら、はい大丈夫ですと言うタイプの人間です。

マクドナルド

昼飯は一人で会社を抜け出してマクドナルドへ行く。

ここには俺とよく似た、社会から孤立した社会人の中年男がたくさんいる。

匿名性の中に身を委ねて餌のような合成肉を食っていると、無感情になり、思考が限りなく透明に近づいていく。

平日の昼間、マクドナルドには老人たちも多い。信じられないほど何度も大量の消毒液を吹きつけてはナプキンを束で使ってテーブルを擦ってから使う老婆。そこまで嫌なら外食などしなければよい。ただでさえお前らの年金やら医療費やらその他諸々をささえるために給料の三分の一近く国に引かれてるからこんなところでしか飯が食えない俺たちとお前らは違う。小金溜め込んでるババアは金を使えよ。こすい飯食ってんじゃねえよ。

今度は薄汚れたジャンパーを着込んだ双子コーデと見まごうばかりの野球帽を被った老人二人組だ。俺の隣の席に座るや否やコーヒーとアップルパイを嬉しそうに頬張りながらマスクを取って大声で楽しそうに話し始めた。

俺はすぐに立ち上がり離れた席に移動する。

若い女は一人で黙々と何やら資格試験の勉強をし、老人たちが大声で話しては笑い声を響かせる店内。今日も老人の車が暴走し人の命を奪った。人殺しになってまで生き長らえたいその傲慢さは本当にお前らが戦時中に望んでたことなのか?俺たちはマクドナルドで昼に静かに飯を食う自由さえ老人たちに奪われている。お願いだ。年寄りどもこれ以上日本を痛めつけないでくれ、これ以上日本人を傷つけないでくれ。