自分に厳しく・甘く、他人に厳しく・甘く、、どれがいいのか？

友人とゴルフに行った。

ティーショットを打ち、会心の当たりと思って落下点に行くと

エライことになっていた。

　

フェアウェイにボールはあるが、深くめり込んでいる。

前日からの雨が朝まで続いたことで、フェアウェイが柔らかかったのだ。

どうしよう。。

ボールの上部が地面と同じ高さ。

「少しズラして打っちゃってください。ノーペナで」

仲間のありがたい言葉。

浜野の綺麗な芝を掘るのは申し訳ないし。。

甘えるべきか。。

ゴルフは「人の性格がよくわかる」と言われる。

短気、細かい、気難しい、負けず嫌い、などいろいろとあるが

分かりやすいのが、他人に厳しいかどうか。

例えば、ラフに入って地面が固そうだったり、木が近い時。

競技であればルール通りにそのまま打つしかないが、仲間内では楽しむことが目的だ。

ケガをしたり、クラブを折ったりしたりしたら、楽しくなくなる。

「危ないんで、打ちやすい所からで、、どうですか」

とでも言い、あとは本人の判断に任せるのが正解だろう。

上級者でキチンとやりたい人であれば、そのまま打つだろうし

初心者でこだわらない人であれば、打ちやすい所から打つだろう。

微妙な距離のパター。

（ちょっとどうかな）と思っても、初心者で心が折れそうな状況なら

「それ、オケです」と言ってあげるべきだろう。

「『ゴルフは自分に厳しく他人に甘く』でやれば、楽しくやれますよ」

と言われたことがあるが、その通りだと思う。

しかし、相手が自分に厳し過ぎると甘えにくくなる。

そんなことを考えていたら、三国志の張飛と関羽を思い出した。

張飛といえば「自分に甘く、他人に厳しく」、

関羽といえば「自分に厳しく、他人に甘く」の代表例だ。

どちらも非業の死を遂げている。

張飛は、目上の者には腰が低く、へいこらする人物だったが

部下に恨みを持たれ、寝首をかかれてあっさり殺される。

一方、関羽は「自分に厳しく、他人に甘く」と理想的な人物のようだが

それが結果的に彼を追い詰めることになる。

張飛と違って、目下の者には優しいが、目上や同等の者に対しては厳しい。

劉備から荊州を任されるが、そこは北は魏の曹操、東は呉の孫権と対峙する拠点。

両方から攻められ、同僚に援軍を要請する。

しかし彼らが渋ったことで孤立無援に陥り、呉に捕って処刑される。

関羽が自分に厳しかったがゆえに、同僚たちは手を貸せなかった。

もし彼に自分への甘さがあれば、手を貸しやすかったろうし、

勝ち目のない戦への対処の仕方も提案できただろう。

自分に厳しく勇猛果敢であったがゆえに、孤立した。

あれっ？ゴルフの話だったのに。。

結局は、バランスが大切なのだろう。

ほどほどに厳しく、ほどほどに甘く。

他者への寛容さが大切なのだ。

さて、、地面にめり込んだボール。

仲間からのありがたい言葉に、どうしたものか。。

「あざす！！」

間髪入れずに、球を拾った。