術後6年 | 子宮筋腫をとったらば

子宮筋腫をとったらば

2015年12月に開腹で子宮の全摘をした、45歳・既婚・子ナシの備忘録。

手術してから6年が過ぎました。

年の瀬が近くなるといつも

入院していた病院の部屋の景色や、

不安で仕方なかった気持ちを思い出して

いろいろな感情が交錯します。

 

手術をすると決心するまでの間のこと。

決めてから入院を待つまでの

落ち着かないじわじわと怖い気持ち。

入院してからのぽつんとした孤独感。

手術直前のとてつもない緊張と、

もちろん術後の悶える痛みも。

 

体調が安定すれば贅沢にも病院で退屈して、

時間の潰し方に困ったりもしました。

堂々とダラダラしていられるなんて

今考えたら日常ではなかなかあり得ない

チャンスなのだから、ちょっと身体が痛くても

もっと上手に自由な時間を楽しめばよかった。

でもそういうことができないコンディション

だからこそ、入院しているのかもしれません。

そう思ったうえでもなお、

「でもでもやっぱりもったいなかったなー」と

感じてしまうのはまさに私の下種の後知恵。

とっても残念です。

 

いちばん大事に覚えていたいと思っているのは

治って嬉しいのありがたさです。

医療を受けられる環境にいることも、

それを無理のない料金で享受できることも、

当たり前ではなくてたまたま、すごくラッキー。

担当してくださった先生は受診から手術まで

確かではっきりとしていて頼りがいがありました。

これも初診に担当だったことによる偶然、

めちゃくちゃツイてる。

術後に大きく体調を崩すことなく、

予想された範囲内の回復だったことも。

私が何を努力したわけではなくて、

現代医療の恩恵とそれに対して

運よく身体が耐えられたから。

いろいろな幸運がたくさん重なって、

あの辛さから解放してもらって、

年齢並みには元気な今日があるということは、

本当にとってもありがたいことです。

 

手術をしていなかったとしたら、

もう月のものはなくなっているころでしょうか。

個人差があるのでなんとも

言えないところだけれど、

あの痛みやだるさや身体の重さが

あと数年続いていたとしたら。

身体の不調だけではなくて、きっとメンタルも

不健康だっただろうなと思うのです。

とっても不機嫌で感じの悪い

40代後半を過ごすことになっていたかも。

そもそも愛嬌のないタイプなので、

さらに感じが悪くなるのを避けられたのなら、

それもものすごくありがたい手術の恩恵かも。

 

実際に術後6年の51歳の身体は

年相応に快適なのだと思います。

具体的に手術したことを日常で感じるのは、

うんと寒いとき、少し傷付近がもぞもぞする、

そしてうっすらと縦に傷が残るの2点のみ。

手術する前はあんなにあれもこれも心配

したのに、6年経って残るのはこれだけ。

それすら心配には及ばない、

生活に影響も与えない微かな名残です。

こんなふうに術後の心配がなかったことも

幸せなことだと感謝しています。

 

ブログで子宮筋腫の手術について

あらかた書き終わったあとは、

年に一度の区切りを記録するだけになって

それももうこんなに話題に乏しい。

先日ふとお寺が目に入って、

何の脈絡もなく「七回忌」という言葉が

何故か頭に浮かびました。

私の子宮は死んで6年、ちょうど七回忌。

なんだか一つの区切りを迎えたような。

普段はあまり視界に入らないけれど

でも確かに棚の上に置いてあった荷物が

ひょいと下ろされたような気がします。

昔の人はうまいタイミングの時間の区切りを

分かっていたのかなと、

全然違う事柄なのに重ねて考えました。

もちろんなにかが起こった時には

書き残しておこうと思うだろうけれど、

定期的な観察は不必要になったのかも。

無意識に張っていた肩の力が

すっと抜けたような不思議な気分でした。

 

それでも手術をして残るものはあって。

今までちっともわかっていなかったところに

少しだけれど目が開いたようにも思います。

情けないけれど自分で体験しなければ、

こんなに近々と療養する人に対する

気持ちは持てなかったように感じます。

病気はどなたにとっても辛いことで、

等しく回復を願う気持ちに今も以前も

変わりはないと思うけれど。

手術前よりも一段だけ深く、

同情とは少し違うなにか。

「お互いに頑張りましょう」というような、

そんな気持ちを陰ながら

持つようになりました。

 

ここを読んでくださる方がもしも手術前だったり、

治療方法に躊躇っていたり、

もしかしたらご家族やご友人のための

情報収集だったりしたとしたら。

どなたもどうぞご納得のいく方法を選んで、

よりよい治療と予後をと思わずにいられません。

不安や痛みができるだけ少ない

安全な治療でありますように。

あと、コロナ退散!

どの人も楽しく笑って暮らせる日が、

一刻も早く来てほしいと願うばかりです。

 


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