2023年1月25日水曜日

思ったより、ずっと良かった


 先日、用事があってパリに行きました。
それが、よりにもよって、スト、デモの日でした。
フランス全国で、交通、学校、もろもろのことが、
ストップする日です。

しかたなく、前日から出かけることにしました。
それだけでも、
「前日のTGV(新幹線)は、ちゃんと走ってくれるだろうか」と、
心配になります。

結果は、前日は、
まるで「嵐の前の静けさ」でした。
街は人けがありません。
地元のタクシー運転手さんも、
「今日は、あまり仕事がなかった」と言っています。

ともかく、TGVはちゃんと走ってくれました。
夜のパリの街も、とても静かでした。

そして、次の日。
スト、デモ、だけでしたら、
ふつうは、そんなに心配しないのです。
ですが、このごろでは、
すぐにめちゃくちゃをする人が出てきて、
外へ出るのも、はばかれます。

窓を開けて、耳をすませて、
様子をうかがいます。
あぁ、大丈夫そう、と確かめてから、
外に出ます。

問題は、その日の夜です。
キャバレーに行くことになっているのです。
これは、ずいぶん前から予定されていました。
私はあまり、そういうところには行きませんが、
これも、仕事の一部分なので、行くことにします。

メトロが走っていないのに、
どうするか?
歩いて行くほかありません。
夜の装いは、なるべく動きやすい
スリムなジーンズにします。
ハイヒールはカバンに入れて持っていく。
1時間の道のりは、スニーカーで行きます。

おまけに、寒い!
さらにおまけに、雨がしとしと降っている!



あとで気がついたことですが、
私たちが歩いた道のりは、デモが行進した道そのものでした。
そのせいか、
お店や銀行は、ウインドーに保護の板がつけられていました。
物々しい雰囲気です。
でも、
ニュースで聞きましたが、
暴動は起こらなかったようです。

あぁよかった。

それにしても、
ふだんなら、これくらいの道のりでしたら、
スタスタ歩くのですが、
どういうわけか、
歩くのがしんどくてなりません。

スリムのジーンズが、足にまとわりつく感じが、
気になりますし、
きのうは、夜遅く床についたし、
傘をさしていても雨が横から顔に入ってくるし、
これで1時間も歩けるのだろうか、と自信がありません。

それに、
もう1つ、問題は、
キャバレーなんかに行っても面白くないだろうという
感じが、なんとなくするのです。
音はうるさいだろうし。

行きたくもないところに、
どうしておめかしをして、
雨風の中を歩かなくてはならないのか。
そう思うと、すぐくたびれてしまいます。


などと、不満に思うのですが、
だからと言って、立ち止まるわけにも行きません。
歩く以外に、解決はないのです。
たまに、空のタクシーが見えたりしますが、
渋滞がひどくて、車は、
いっこうに進む様子もありません。

カーナビなどで調べても、
歩いて行くほうが、タクシーに乗るより、
ずっと早く着けるようなのです。

それでも、タクシーに乗れば、座ってられるのになぁと
思いながら、
てくてく歩いていますと、
だんだん、考えもしずまってきます。
ただ、ひたすら足だけが動いて、
ひたすら進むだけになります。

すると、そんなにしんどくもなくなってきます。
まるで歩くマシーンのように、
どんどん歩けてしまいます。

かれこれしているうちに、
着きました。
あぁ、よかった、と思います。
自分でも、すごいことができた、と嬉しくなります。

結果は、

気持ちのいい人たちと出会えて、
女装の、気さくな人たちにサービスをしてもらって、
軽い気持ちになりました。
夕食をいただいてから、
そのあと、同じ席に座りながら、
ショーを観ました。

ダンスが、とてもステキでした。
歌のモノマネも、見事でした。
20ちょっとの出し物がありました。
それはそれは、盛りだくさんですが、
それぞれ趣向が違っていて、
飽きないのです。
もっともっと見たくなるほどでした。

思っていたより、すっと楽しい夕べでした。




帰りはどうなるのか、と心配していましたが、
ちょっと待っただけで、
タクシーが来てくれました。

運転手さんにさっきのことを話したら、
へぇー、そんなに道が混んでたの、とびっくりしていました。
パリの街は、
なんの怪我もなく、静かにデモが行われたようでした。
夜は、
スラスラと、車が走りました。

なんだか、
こんなに心配することはなかった、と思いました。
それに、
自分としては、
ずいぶん珍しいものを見に行った、
楽しかったなぁという感想になりました。

そして、
一番の感想は、
今、おあずけになっているボディジャム(ダンス系フィットネス)を、
なんとかして復活させなくては、と
いうことでした。
キャバレーで踊っているダンサーを見て、
また、そのように踊りたくなりました。

地元では、消滅してしまったのだから、仕方がない、
では、ぜひ、パリで、
ボデイジャムを行なっているジムを見つけよう、
という結論になりました。




きょうも、ご訪問、ありがとうございました。






 





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