理沙、栞奈を見て、
「お姉ぇ…。」
栞奈、
「解決するって事。」
その声に理沙、
「えっ…???じゃあ…。」
蒼介、
「あぁ、そうだ。理沙のその考え方で、事故は解決するって事だ。」
和奏も頷いて、
「うん。そういう事。」
理沙、
「えっ…???…ほんと…???」
けれども理沙、
「あっ、でも、おとうさんとおかあさん。私が事故にあって…、いろいろと…。私、何か間違った事、いけない事したって事。」
瞬間、蒼介、
「な~~んにもない。大丈夫だ、安心しろ。」
和奏もニッコリと、
「うん。」
栞奈、
「賠償請求もなくなるのは、ちょっとね~~。残念。」
その声に和奏、
「お姉ぇ。」
すかさず栞奈、舌をチロリ。
理沙、そんな姉を見て、
「えっ…???そうなの…???私、悪い事。」
蒼介も栞奈を、
「もぅ~~。お姉ぇ。」
瞬間、栞奈、
「わお。かかかか、私が悪者になっちゃう。ご飯、ご飯~~。いっただっきま~~す。」
理沙、母に、
「おかあさ~ん。」
和奏、理沙を見て、
「ふふ、大丈夫。さすがは私の娘。いい子だ。」
理沙の頭をトントンと。
蒼介、椅子に座り直して、
「おし。これで一件落着。」
理沙、父を見て、
「おとうさん。」
「ん~~~???これで決着したんだ。かかか、ある意味、理沙、おまえは大したもんだ。おまえのお蔭で吉武さん、救われたんだから。当然、子供達も。」
コーヒーを一口。
「これで、奥さん、治療に専念できる。」
理沙、ようやく安心して、
「ほんと…???」
「あぁ~~。警察の方へは、とうさんが話をする。」
和奏、
「はいはい。ふたりとも、急がないと大学、そして仕事~~。」
蒼介、
「おっと、ヤバイ。」
そして、その話は蒼介から検察庁に。そして警察に。和奏からは法律事務所に。
検察の方も。法律事務所の方も、「そうですか~~。そういう結論に。」
警察の久我も、
「分かりました。そのように手続きの方を…。」
理沙の事故は、示談と言う方向で進められた。
和奏、電話で一樹に…。
一樹、
「はっ…???…示談。」
一瞬、戸惑いを隠せない一樹ではあったが、和奏の話を聞いて、
「ほぅほぅほぅ。な~~るほどね~~。…そういう事かぁ~~。はい。はいはい。えぇ。分…かりました~~。」
そして、その話は一樹から校長の坂崎に…。
坂崎も、
「へっ…???示談。」
室越、
「おやおや。こりゃまた…。どういう事の成り行きで…。」
説明する一樹。
話しを聞いて坂崎、
「へぇ~~え~~。加害者がうつ病に~~。」
室越、
「なんとも、厄介な…。」
一樹、
「そんな訳で、瑞樹は、加害者の女性と子供たちのためにって…、事で。」
坂崎、
「責任能力ねぇ~~。」
「事故の事すら覚えてない。それどころか、子供の事まで…。」
「うんうん。辛いわよね~~。」
室越、
「全く持って。」
そして和奏、病院の方にもその事を…、駒田も看護師たちも、
「理沙君らしい。」
そして、看護師たちからは、
「解決してよかった~~。理沙さん、凄~~い。」
放課後、一樹からオンラインで…。
「瑞樹~~。おま、事故の事、示談…だってなぁ。おかあさんから電話で聞いたけど…。」
一樹、腕組みしながら…。
理沙、画面に向かって、
「うん。いろいろ、考えた結果。その方がいいって。」
「おまえ、自分だけの考え…???」
その声に理沙、
「ううん。みんなの意見も参考に…。」
「そっか。まっ、とにかく良かった。校長先生も教頭先生も、とにかく良かったって…。解決して。」
「うん。」
「じゃ、まず…。」
一樹、思わず頭を撫でて、
「車椅子バスケ、頑張れ。」
理沙、ニッコリと、
「は~~い。」
その2時間後、
「え―――――――っ!!!示談~~~。」
杏美と麻理絵。
けれども杏美、
「…って、示談って…、どういう事…???」
麻理絵、
「えっ…???あ、えっと~~。確か、何もなかった事になるって…事。ほら。交通事故でも、どっちかがぶつかったとか…。そういう場合~。なかった事にしてくれ~~って。」
杏美、頷きながら、
「へぇ~~~。」
けれども、
「へっ…???うそうそ。理沙、あんた、そんな…???なかった事にって…、あんた、それでいいの…???」
理沙、その声に、
「いいも何も…。あっ。そっか、アズとマリ~には、話してなかったもんね~~。」
そして理沙、事の顛末を話し始める。
杏美、話しを聞きながら、
「う~~っわ。何それ…???事故のショックでうつ病って…。」
麻理絵、
「そっか~~。子供達ね~~。」
玄関のチャイムの音。
杏美、
「おっと、来た~~。」
vol.138. 栞奈、「解決するって事。」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。