稜平、「いいんじゃない。葉子の顔つきが変わったで…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.105.

ドキドキ その話に由佳理は、お味噌汁を啜りながら、
「ふふふふ。」

葉子、そんな父の話に、両目をキョロキョロと。そして顔を右左に。口を噤んで。
「い…、いや…。それは…。その…。あの…。」

稜平、すかさず、
「はい。終わり~~。はははは。」
そして、葉子を見て、
「これ以上の事は、正に、野暮。はは、いいんじゃない。葉子の顔つきが変わったで…。」
そして稜平、妻にも、
「ねぇ~~。良い事でしょう~~。かかかか。ご馳走様~~。」
椅子から立ち上がる稜平。

葉子、慌てて、
「ちょ、ちょっと、待ってよ、とう…。」

稜平、体は廊下に、顔だけ葉子に、右手を上げて、
「じゃね~~。行ってらっしゃ~~い。」

「…って言うか、稜平さん、ずる~~い。」
由佳理。

葉子、そんな母に口をモグモグと、
「かぁ~~さん…???」

由佳理、いきなり顔を…、
「えっ…???…えへへへへへ…。」
葉子に、困ったような笑みで…。

葉子、
「もぅ~~~。」

数秒、その場が沈黙。



「…けどさぁ~~~。」
由佳理。
「かあさんも…、とうさんと同じ。」
そう言って由佳理。
「まっ。でも、言い出しっぺはかあさん。…でも、とうさんも同じように感じてた…、みたい。…って言うか、とうさん、作家だから、多分、とうさんの方が、かあさんより早く、感じて…たのかな~~。葉子、顔つき、変わったって…???」

その話に葉子、
「へっ…???」

「とうさん、喜んでた。」
稜平の真似をして、
「はは、ようやく…、かな~~って…。」

葉子、その声に眉の先を吊り上げて、
「はい…???」

「だ~~ってさぁ~~。まっ。確かに葉子、忙しい、忙しいって…。仕事、仕事。…でもあったけど~~。でもさ。学生時代とは違って、社会人になって。…それまでなんて、そんな…、友達だって…。まず…。ん~~。扶桑に勤務になって、それからだよ、友達出来て、ようやく友達とも付き合い始めて…。」

葉子、
「……。」

「館城輪湖さんだっけ…???…それに、佐賀美君。佐賀美虎一郎君。いっつも3人一緒に匡子さんのお店~~。」

葉子は始終、口を尖らせて…。

「匡子さんといっつも電話で話してるけど~~。…でも、かあさんはそれでも嬉しい。葉子にもようやく友達出来て…。ありがたい…。…んだけど~~。でも…、まだ…、葉子自身に…、いいひと…。」

葉子、ようやく、
「かあさん。」

「それが…、今までず~~っと。ここ8年…、ず~~っと。…でも…。今年、今の時期になって…。そんな葉子に…。」

そこまで話した母に葉子、
「へっ…???…今の時期になってって…。何…かあさん…???」

葉子に由佳理、ニッコリと、
「ううん。まっ。とにかく、葉子が素敵な女性でいてくれたらかあさん、何も言わない。かあさんの自慢の娘だからね~~。」
そこまで言って由佳理も、
「はい。ご馳走様~~。」

玄関のドアが開いて閉まる音。

由佳理、
「おっと~~。爽太、帰って来た~~。」

そしてそのままお風呂場に行く足音。

「爽太~~。ご飯ね~~。」

お風呂場から、
「あ~~。うん。サンキュ~~。」

由佳理、食器を持ってキッチンに。

葉子、
「ふ~~ん。なんだか…、はぐらかされている…ような…。」






朝の財務企画部。

そしてお手洗いで…。
「顔つき…。変わった…???」
鏡の中の自分を見て、顔のあちらこちらを触って。口を尖らせて葉子、
「変わって…ないよね…。」

そんな葉子を、こちらもお手洗いに来た湯川励子、
洗面台で上体を前に鏡を見ている葉子に、
「えへ…???葉子~~。鏡の前で、何をしてるぅ~~???…かかかかか。」

いきなり声を掛けられて葉子、
「えっ…???…あ…。あ、ははははは。」

「ところでどお…???…ホテルの方は…???」

葉子、そんな励子に、
「ん~~。まだまだ…ですね~~。」

「はは。そっか~~。や~~っぱりね~~。紫も、同じ事言ってる~~。…でも…、なにやら…、一個、発展…あったとか…???」

その声に葉子、
「えっ。え~~。でも…、私たちには、調べる事が…。」

「な~~んだよね~~。警察じゃないから~~。」
そして励子、
「あっ。…でっさ~~、葉子~~。」
洗面台に腰を当てて、
「何々…???紫の~~。はははは。」

途端に葉子、
「えっ…???へっ…???」
そして、思い出したかのように、
「あ~~~。はは。あは。励子さんも…聞きました~~???」

「なんとも、あやつ。」

そして葉子、口だけニッコリと、
「はい。」
ニタリとさせて、
「相談のお相手の方は…。ホテルの…。」
 

励子、
「うんうんうん。ホテルの…、御曹司~~。まさかね~~。」

葉子、口だけ真一文字に、
「はい。その…、まさかでして…。」






こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,138.   稜平、「いいんじゃない。葉子の顔つきが変わったで…。」

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