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ルシア、藪岡の隣に座って…。
「どういう事…???」 「いや…。」 真剣な表情の中でも顔を傾げて藪岡、 「俺にも、今一つ、ピンと来てなくって…。」 そして、 「あの、陽織ちゃん。」 「あ、はい。」 「病院で…。何か…。気付いた事…、ないかな…???…と、言うか…、何か…病気で…???」 陽織、 「あ。…それなんですけど…。」 「うん。」 「私…、目が覚めて…、気付いたときには病院のベッドで…。その時点で、何が何だか分かんなくって…。…それに…。私…、体自体が、こんなに大きくなっているなんて、信じられなくって…。」 その瞬間、肇も藪岡もルシアも、 「…ん…???」 「はっ…???」 肇、ルシア、 「体が…、大きくなっている…???」 陽織、店長とオーナーを見て、 「はい。」 藪岡、両肘をカウンターに。そして両手を組んで、 「うんうん。…で…???…他には…???」 陽織、 「他には…。……。えっと~~。」 空を見ながら…。 「え……っと~~。」 そして、思い出したように、 「あっ、そうだ。」 「ふん。」 「病院で、入院していたのは、お姉ちゃん。」 瞬間、3人同時に、 「お姉ちゃん。」 いきなり両眉の先端を吊り上げる藪岡。 肇、藪岡を見て…。 ルシア、 「どういう事…???」 慌てて藪岡、目をパチクリと…。数秒だけ、 「……。」 そして、 「ねね、陽織ちゃん…。」 その声に陽織、目をパチクリとさせて、 「あ、はい。」 「申し訳ないんだけど…。言いたくなければ言わなくとも…。でも…、もし、話してくれれば…。…その…、お姉ちゃんって…。名前…、聞いてもいいかな…???…全然…。無理なら、それでも構わないけど…。」 陽織、 「あ、はい。大丈夫ですよ。お姉ちゃん、柚香って言います。」 3人共に、 「ゆずか。」 店の外に出た亮輔、 「…ったくよ~~。」 走りながら…。…そして、阿須賀を見つけて、 「おぃ。」 けれども…。そんな亮輔の声も聞こえない位置で阿須賀、 既にタクシーを呼んでドアを開けようと…。 亮輔、 「チッ。」 思わず舌打ち。 「なんなんだよ~~。」 タクシーが動き出して自分の近くまで…。 後部座席で亮輔に気付いた阿須賀、亮輔に向かって、「あっかんべぇ~~。」の仕草。 亮輔、思わず、歌舞伎の見得のような顔をして、そして、 「ふ~~~ん。」 藪岡、 「ゆずか。…そして…、お姉さん。」 ルシア、藪岡を見て、 「何々…???…藪さん。陽織ちゃんに、お姉さんって…。」 肇も藪岡を見て…。 藪岡も、 「ん~~~。これって~~。」 腕組みをして…。 「参ったな~~~。」 ドアを開けて店の中に入って来る亮輔。 ルシア、 「おかえり~~。」 そして、亮輔以外に人が入って来ない事に気付いて、 「あら。彼女は…???」 亮輔、また自分の座っていた椅子に…。 「タクシー拾って、行っちゃった~~。通りしな、俺にあっかんべぇ~~。」 口をグンニャリと。 肇、亮輔におしぼりを…。 藪岡、亮輔は見ずに、 「おやおや。とんだ災難。」 「まっ。明日になれば、また電話。」 「仲のおよろしいことで。」 亮輔、 「あっと。それより…。」 洗い物をしている陽織を見て、顔だけ藪岡に…。そして小声で、 「彼女…。」 肇、そんな亮輔を見て…。 藪岡も、 「あぁ…。」 ルシア、藪岡の隣の席で、 「陽織ちゃん、お姉さんがいるんだって。」 その声に両眉の先端を吊り上げての亮輔、 「お姉さん。」 藪岡、背中を後ろに、そして腕組みをして、 「う~~ん~~。な~~んともな~~。」 亮輔、そんな藪岡を見て、 「な…、何…???…藪さん…。その…、な~~んともな~~って…。」 亮輔に藪岡、 「うん…???…まっ。考えてみれば、すぐに分かるんだけ…ど~~。」 亮輔、右眉を歪めて、 「はっ…???」 「陽織ちゃん、お姉さんがいる。」 「うん。」 「話を聞くと…。陽織ちゃん、病院の病室で目が覚めた。」 「うん。」 「しかも…。とてつもなく長い眠りから…。」 亮輔、僅かに頷いて、 「…って、確か…。さっき…。」 「あぁ。」 藪岡。 「但し。自分の体はなんともない。入院していたのは自分じゃなくって…、陽織ちゃんのお姉さん。」 そこまで聞いて亮輔、 「は・あ…???…どういう事…???」 藪岡、真っすぐ前を見て、 「…で…。…これからが問題…、なんだけど…。」 亮輔、 「う…、うん。」 「入院していたのが、陽織ちゃんのお姉さん。…けど…。長い眠りから目を覚ましたのは…、陽織ちゃん。…なのに…。…そういう場合…。普通、周りの人が、気付かない…と、言う事は…。」 亮輔、そこまで話を聞いて、 「えっ…???…えぇ…???…どういう事…???」 藪岡、そろそろ洗い物が終わる陽織に、 「陽織ちゃん。」 陽織、 「あ、はい。」 「もしかして…。陽織ちゃんって…。お姉さんと…、双子…???」 その声に陽織、 「あ、はい。そうです。双子です。」 瞬間、亮輔、 「えっ…???…うそ…。」 LIBRA~リブラ~ vol,032 ルシア、藪岡の隣に座って…。「どういう事…???」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.02.01 08:49:55
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