RE Model car Museum

1/43RE車ミニカーBLOG

'03 マツダ RX-8 TYPE-S

2002年、平成12年排出ガス規制によって
90年代の日本車絶頂期を彩った
スポーツモデル達は軒並み生産中止と
なってしまいました。

70年代に日本版マスキー法の
昭和50年排出ガス規制によって、
ツインキャブで武装したスポーツモデルが
絶滅した時期と良く似た
スポーツカー冬の時代に
再び戻ってしまったのです。

既に搭載するのはRX-7のみとなった
ロータリーエンジン(RE)も
これによって一時的に
生産中止になっていたのですが、
2003年5月、新たなスポーツカーの心臓
13B-MSP、RENESISとして蘇りました。

そのスポーツカーこそがこのRX-8です。

マツダ RX-8 1/43 オートアート製

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新エンジンRENESISの最大の特徴は
マツダが長らく採用していた
サイド吸気ペリ排気を改め、
サイド吸気サイド排気としたこと。

これによって、給排気のオーバーラップを
ゼロにして燃焼効率の改善が出来たことで
排ガス規制をクリアしたのです。

また、それに伴うNA化の恩恵は
エンジン本体以上にスペースを割いていた
ターボとパイピング類が不要となり、
更にエンジンを車両側に寄せて、
低くマウント出来るようなったことでした。

これは1995年、次期RX-7かと言われた
コンセプトカーのRX-01によって
提案されたレイアウトで、
次期RX-7そのものはお蔵入りしたものの、
その技術はRX-8となって昇華したのです。

 

加えてガソリンタンクを
ホイールベース内に納めて、
スペアタイヤを廃し
パンク修理キットにすることで、
マスの集中化はRX-7以上に進みました。

下回りまで再現しているこのミニカーでは
そのマスの集中化の成果と、
足の長い良く動きそうなサスアームが
見てとれます。

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RX-7の弱点だったボディ剛性も強化され、
4ドア4人乗りスポーツカーという
走行性能上のハンデがありながら、
RX-7以上のコーナリング性能を持つ
クルマになったのでした。

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専用色のベロシティレッドマイカも
新世代のスポーツカーに
相応しい今までにない色で
これがRX-8に良く似合っていました。

現在マツダは、
ソウルレッドプレミアムメタリックを
イメージカラーにして訴求していますが
マツダは節目節目で、
いい赤色を出していますね。

ロードスターのクラシックレッドも
RX-7のヴィンテージレッドも
ソリッドカラーとして良い色でした。

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さて、RX-8のデザインで
最も特徴的なのはフロントフェンダー
処理かと思います。

ロータスセブン等のサイクルフェンダー
モチーフにされたデザインは
プロミネントフェンダーと呼ばれ、
タイヤの存在感を強調する手段として
2000年代のカーデザインの
トレンドの一つになりました。

特に初期型はノーズまで独立していて
正面から見ると
デザインの意図が良く分かります。

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リアガラスの形状は鞍型。
R360クーペ、コスモスポーツ
そしてRX-7へと代々続いていた
マツダスポーツカーの
アイコンを引き継いでいるんですね。

こういう小さな積み重ねが伝統を作り、
ひいてはブランド構築に
繋がっていくのだと思います。

概して日本車は
得難い財産である伝統を
軽視しがちな傾向があるので、
目先のトレンドに捉われずに
そのクルマのアイデンティティ
大事にして欲しいところです。


久々のスポーツカーニューモデル、
日常性とスポーツ性の程良いバランス、
ベースグレード240万円からという
戦略的な価格設定もあって
発売当初、RX-8は良く売れました。

リーマンショック以降の不景気からの
燃費志向の煽りを受けて、
REの弱点の燃費が足枷になり
モデル末期は失速してしまいましたが、
9年の長きに渡ってRX-8
ロータリーの火を守り続けたのでした。

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