以下は、先週末4月26日夜に書いたドル円、日経平均、NYダウ平均に関した記事です。

 

 

 

☆今、異常な円安が続いています。ドル円は1ドル156円80銭台、ユーロ円は168円20銭台、豪ドル円は102円50銭台(本日16時29分時点)。米国は昨年12月のFOMCで今年最低3回の利下げをおこなう用意があるとしていましたが今年に入るとトーンダウンし最近では当初6月FOMCで利下げが9月FOMCに後ずれ観測となっており、FRB高官の中には経済の実態に合わせておこなうものでありインフレ抑制のデータがそろわなければ今年、利下げをおこなう必要はないというタカ派もいるようです。

☆日本が政策金利を利上げし米国が利下げするなら日米金利差が縮小し今年は円高に向かうと昨年末、相場関係者の多くは予想していたようです。当塾もそう考えていました。しかしフタを開けてみると今年、ドル高円安が続いています。米国はドル安にできない事情があります。それがBRICSが参加5か国から今年1月1日にサウジアラビア、イラン、エチオピア、エジプトの5カ国が新たに加入し10か国になったことです。TVでほとんど報道しませんが世界の勢力地図は動いているのです。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/01/ee629e119cd8f6ac.html

☆彼らは貿易使用を目的に自分たちの新しい通貨を作ろうとしていることはすでに知られていることです。従来、米ドルが使われていました。現在BRICS主要国の中国とロシアはお互いの自国通貨で貿易をおこなっていますが、BRICSのデジタル通貨を作り、それで貿易をおこなう計画です。このデジタル通貨は金を担保にする計画です。その辺を考えると、米ドルと金の両方が上がり続けるのも、なるほどとなるのではないでしょうか。そういう見立てもあり当塾メルマガPF銘柄に1540純金上場信託を選出したところ、快調に上昇が続き4月16日の高値1万2985円までわずか1か月で33%も上昇しました。

  純金上場信託を選出した3月13日当時の選出理由とチャート

 

現在の1540純金上場信託日足チャート


☆ウィキペディア解説の「BRICS」によると2月4日までにBRICS加入への関心を伝えてきた国は34か国に達するそうです(ちなみにウィキペディアは西側の情報ツールです)。経済規模は「GDPの割合を購買力平価で換算すると2014年の時点で30.2%と大きく上昇し、EU (16.6%)、アメリカ (15.9%)を既に上回っている」とあります。今から10年前で30.2%でその後、中国経済は拡大しておりさらに今年1月から5か国増えて加盟10か国になっていること、そしてその中にサウジアラビアなど産油大国も含まれていることを総合して考えると現在、40%をはるかに超えていることは想像に難くありません。彼らが米ドルを貿易に使用せずパスするということは世界基軸通貨の地位を失うということであり、現在ドル高に向かっているのはその時期をできるだけ遅らせようとしていることだと理解しています。

☆米国FRBが利下げを後ずれさせるということは株式市場がリスクオンになりにくいということですからNY市場はそのへんが明確化してきた4月に入り軟調になりました。

NYダウ平均日足

 
☆月足でNYダウ平均を見ると昨年11月から急激に上昇してきたのがわかります。利下げカードをちらつかせてリスクオン状態に入ったことが一目瞭然ですが移動平均線との乖離が大変大きくなっています。今月どうやら陰線下落しそうですのでこのプラス乖離が今後縮小する可能性が高いです。短くて6月くらいまでは調整期間に入る見方をしています。
 
☆最後に肝心の日経平均についてです。イメージ的にはヘッドアンドショルダー(日本名は三尊天井)の可能性もあるなと見ていましたが今日反騰したのでわかりにくくなりました。Hがヘッド(頭)、S-1が左側のショルダー(肩)、S-2が右側のショルダー(肩)です。今日続落すればその可能性が高くなったのですが陽線反騰したのでまだわかりません。買い方は来週火曜日も続伸を祈っているはずです。もしそうなら見方を変える必要も出てきます。ですが陰線で反落するならやはりヘッドアンドショルダーの可能性が高まります。

日経平均日足
 

☆NYダウ平均のプラス乖離率の高い状態から今月陰線下落がほぼ確定。そうした中、日経平均がどこまで踏ん張れるかー。大型連休明けから本決算発表が始まるので、通過するまでは慎重に取り組んだほうがよいと思います。買うなら業種と銘柄を厳選しないと安眠できないかもしれません。あるいは保険をかけるかでしょう。
 

(4月26日メールマガジン及び「山の中の超相場観」、相場展望より抜粋)