シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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『ラ・パロマ』が『ハバネラ』に変身?

2021年09月25日 | 音楽関係の本を読んで
左から イラディエル、「ドミンゴ スター街道まっしぐら」、ビゼー。
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ドミンゴ自伝を読んでいたら、こういう件りがありました __『カルメン』の中の「ハバネラ」は、作曲家ビゼーがスペイン民謡の『ラ・パロマ』から持ってきた歌だと __
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『ハバネラ』はビゼーがメゾ歌手に、そこで自分の歌うソロがないと文句をいわれて、後からくっつけたものだった。 この曲はスペインの古い民謡『ラ・パロマ』から取ったものである (233p) __「ドミンゴ スター街道まっしぐら」(1983) から
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このドミンゴ自伝で述べられている『「ラ・パロマ」がカルメンの中の「ハバネラ」になった』説は、”えっ?” ととまどいますね。 そうではなくて __
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『カルメン』の中で歌われるアリア『ハバネラ』は、ビゼーが、イラディエルのハバネラ "El Arreglito" をスペインの民族音楽と誤解して流用した (ウィキペディアから)。
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__ ではないでしょうか? ドミンゴが誤解しているのか、訳者が間違ってしまったのか判りません。 この2曲 ("El Arreglito" と “La Paloma”) を聴き比べてみると、全然違う曲です。 けれど "El Arreglito" (エル・アッレグリート 愛する約束) を聴くと、カルメンの中の「ハバネラ」に似ているのが初っ端 (しょっぱな) のメロディーから判ります。

ドミンゴが誤解したとしたら、訳者はちゃんと聴き比べて確認しなかったのでしょう。

もし『カルメン』に「ハバネラ」がなかったら、カルメンはあまりぱっとしない人物像になっていたかも __ そう考えると 初演時のメゾ歌手がビゼーにおねだりして「ハバネラ」を付け加えさせたのは正解だったという事ですね。
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そして イラディエルの有名曲では、何といっても『ラ・パロマ』です。 ですから ドミンゴが同じスペイン人のイラディエルの “あの曲” … 何だっけ、そうそう『ラ・パロマ』と頭に浮かんだ有名曲を自伝の原稿に思わず書いてしまったのかも。 ドミンゴが『ラ・パロマ』を歌う映像が YouTube に投稿されています (https://www.youtube.com/watch?v=Z8gLDihFduw)。 下左映像です。



右画像は "El Arreglito" を歌うホセ・フェレロの音声 (https://www.youtube.com/watch?v=KekeN8rjFHk) です。 動画像ではありません。
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『ラ・パロマ』(スペイン語: La Paloma) は、スペイン語圏の有名な楽曲。 19世紀中頃にスペインのセバスティアン・イラディエルによって作曲された。 ラ・パロマとはスペイン語で「鳩」を意味し、ハバナを去る自分を鳩に托す歌詞を持つ。
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また 61年の米映画『ブルー・ハワイ』で E. プレスリーが「ノー・モア」(https://www.youtube.com/watch?v=XvIrUaWNOXI) という曲を歌ってますが、これは『ラ・パロマ』そのものだと一聴して判ります。

今日はここまでです。

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