同僚の刺身デビュー | ピロの屋本館@ロサンゼルス

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天使の女王の町Los Angelesでの生活記録

職場で仲良くしている

ハーマンというおじさんがいる。

 

 

おじさん?

ん~、、、もしかしたら、

私と同じくらいか

下だったりするかもだけど笑

 

 

なんでもいいや。

で、そのハーマンは

ジェントルマン、、、

なのか、それを装っているかは

知りませんが、

いつもクール。

 

 

どうクールか?

 

 

そうですね~、

話し方が一定でソフトというか。

興奮してる??って時でも、

割と冷静な感じ。

 

 

楽しんでいる時も

怒ってる時も、

なんか同じというか。

 

 

ゲイではないんですよ。

でもゲイをイメージして頂けると、

しっくりくるかも笑

 

 

きゃぴきゃぴしてない

ゲイね笑

 

 

そんなハーマンはアレンジャー。

 

 

なのでご遺族と会って、

アレンジメントルームや

電話などで、

葬儀に関する事全般を

打ち合わせしていることが多い。

 

 

さて先日、

用事があってオフィスへ行ったら、

ハーマンがデスクにいて、

電話もしていなかったので

声をかけた。

 

 

『おはよ、ハーマン。元気?』

 

 

するとゆっくり振り返りながら

彼はこう言った。

 

 

『最悪だよ』

 

 

聞いてみると、

どうやら最近

日本食レストランに行ったらしい。

 

 

私はそれを聞くや否や

二マっとした。

 

 

実はこの日より2週間程遡った時に、

ハーマンが私に

こんな事を言ってきた。

 

 

ある朝行ったら、

マネージャーのダニが、

『ヘイ、ピロ。

昨日ハーマンがピロを探してたぞ』

と。

 

 

月曜日だったんだけど、

前の週の土曜日出勤だった私は、

休みだった。

 

 

『え、なに?

仕事のことかな?』

と聞いた私にダニが言った。

 

 

『違うんだよ。

サシミ、サシミって騒いでた』

 

 

刺身。。。

?? 真顔 ??

 

 

よくよく聞いてみると、

刺身刺身言いながら

ケアセンターまできて

私を探して帰ったのだと。

 

 

『ほ~。なんだろね。

お刺身食べたいのかな』

と言った私に、

ハーマンの事が嫌いな

スーパーバイザーエンバーマーのゴリラは、

『刺身のことなんて

知らねーよ、ヤツは!』

なんて呟いていたけど。

 

 

そんな話しをしていたら、

 

ハーマンがケアセンターにやってきた。

 

 

そして私を確認するなり

目を輝かせて寄って来た。

 

 

『ハ~イ、ハーマン。

なに?私を探してたって?』

というと、彼はいつもの

ジェントルマン風に言った。

 

 

Do you know Sashimi?キョロキョロ

 

 

という彼の質問に、

私はまたニンマリ顔で即答した。

 

 

『Of course I do know Sashimiニヤリ

 

 

なんでも、

彼が担当したご遺族が

なにかのパスワードを作った際、

それが”Sashimi”だったのだと笑

 

 

そこで彼は、

初めてサシミという単語に

出会ったのだと笑

 

 

刺身に彼がなぜそこまで

興味を湧き立てられたのかは

我々の知るよりもないのだが、

とにかく彼はその日から

刺身の虜になったらしかった。

 

 

それから刺身について

いくつか質問をしてきた。

 

 

高いのか?

新鮮でないと食べれないのか?

日本の刺身とこっちの刺身の違い。

私はどの刺身が一番好きか?

 

 

と、、、

そんな会話が

我々の間であったのが、

オフィスで声をかける

ほんの1,2週間前のことだった。

 

 

で、話を戻し、

彼はある日友人とサンタモニカの

日本食レストランに行き、

そこで散々騒いでいた

刺身デビューを果たしたのだと言った。

 

 

私は聞いた。

『ほ~!で、どうだった?』

 

 

それだけ刺身に

興味津々だったハーマンの

感想はこうだった。

 

 

『それが凄く高かったんだよ!

なのに少なくてさ。

だからその後に

ジャックインザボックスに寄って

ハンバーガーを食べたんだよ』

 

 

(ジャックインザボックスとは

ファストフード)

 

 

そんな感じで、

刺身がどれだけ高かったか、

刺身がどれだけ少なかったか、

そのお陰で

どれだけ余分なお金を使ったか、

などなどを、

私に語ってきかせた

ハーマンであった笑笑

 

 

そして最後に

付け加えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『オレ、あの緑のはムリだわもやもや

 

 

刺身に幻滅させられた彼は、

わさびにノックアウトされた

らしかった笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

ご愁傷さまでした笑

 

 

ヘビーなものをガッツリ食べる

アメリカ人からすると、

お刺身などの

あっさりちょっぴりなものは、

満足しないんでしょうね笑

 

 

ってことで、

ハーマンの刺身デビューの

お話しでした。

 

 

 

ではではみなさま、

良い週末を音譜

またねパー