カンボジアの電気の普及率は集落までの電化率が90%と言われていますが、残りの10%にこの地域はあります。

実は電線は通っているのですが、電気が通るのは数年後だとか。

カンボジア全体の家庭の電化率は70%ほどです。つまり、電線は道路まで来ているのに、引き込み線はないという事です。

電気料が高い(25円/kwくらい)、引き込み線工事が自己負担、家電製品を買えない、照明とテレビ用に小さなソーラーシステムがあるなど、いろんな理由はあるようです。

プノンペンでもクリーニング屋がたくさんあるので、洗濯機のない家がたくさんあります。小さな市場が町内会レベルにあるので、冷蔵庫がない、エアコンなんてなくて当たり前という状況です。建設作業員や工場で働く若者は給料が200ドル程度、家族収入でも1,000ドル以下の世帯がたくさんあります。電気料は高いという感覚です。

 

そんなわけで、ソーラーシステムで乾季の農産物の栽培に挑戦します。

ほかにも、照明や、ポンプ、電動工具なども使えるようになりました。

予算をケチったので、パネルは車庫兼倉庫の屋根に付けます。

池から遠いので、当初計画より大きめのシステムになってしましました。

上が送水ポンプ用のシステム、右下が照明などのシステムです。

早速従業員は携帯の充電に使っています。

池に筏を組んでその上にポンプを置きます。

こうしないと、雨季になると一時的に2mくらい水位が上がるので沈んでしまします。

一時間に最大3tの水を汲めます。

直径60㎜のパイプを伸ばします。

ソケットを使わずに、バーナーで炙ってパイプを押し込んでつなぎます。この方法は彼らが強く勧めました。

疑問は残るのですが、まあやってみます。

太陽で温水になるので地下埋設にするのですが、一時的に土をかけて隠します。

その理由は、泥棒対策・・・・ まさかね。

電気線も泥棒がとるというので、キャプタイヤを塩ビ管に通して一緒に埋めます。

タンクとタンクの台が届きました。5,000ℓ。

ポンプにトラブルがありお店に修理してもらいました、取り付けは当然私が。

三相電源なので、誰も手を出しません。

さて、送水パイプも繋いでいよいよ試験です。

水が出ることは試験済みなのですが、やはり緊張します。

通電から10分、ポコポコという音がして勢いよく水が来ました。これで乾季の農場の水は確保できました。

 

本当は水は後回しにして試験栽培を進めたかったのですが、ホースと電線を設置しないと畑起こしができません。

また、牛が入らないように柵が必要だとか、畑が意外とデコボコがあり、ある程度均さないと雨季にそこいら中に水がたまるなどの問題が次々に発覚し、今に至っています。

情報源は村の人たちですが、彼らは何も感じていないことが試験場を作るときには大きな問題になります。

その理由は、村の中にあってここを誰も使っていなかったという事からもうなずけます。

農家は、家から遠くても田んぼにしやすい場所、水がある場所などに畑や田んぼを作っています。

農場で時間ができたのでちょっと見に行こうと言ったら、歩いて30分かかる。車ではいけない、バイクは農場に一台しかない。

11時から2時頃迄は昼休みなので、朝早く来いとか3時頃に来いとか言われます。

事務所と畑が離れているので8時には畑に来れないし、3時に畑に行くと帰りは夜になってしまいます。

そもそも農家も雨季の最中には田んぼにあまり行きません、収穫時期には雨も降らなくなるので、バイクや耕運機で行けます。

用水路はなく、雨待ちでの稲作。なだらかなカシューナッツ畑には陸稲が植えられ、放置状態で収穫を迎えます。品質は悪いけど自家用に食べることが多いそうです。

色々起きることに、いちいち何故と聞きたくなります。当然のように日本の常識では考えられない返答が来るカンボジアです。

 

 

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