中嶋勝彦に足りないものとは? | DaIARY of A MADMAN

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毎日、ROCKを聴きながらプロレスと格闘技のことばかり考えています。

新日本プロレスの「G1クライマックス」だけでなく、プロレスリング・ノアの「N-1 VICTORY 2021」にも触れてみたい。

 

既に中嶋勝彦の優勝は決まっているが、本当にここ2-3年のノアは試合内容が充実しており、満足度が高い。

 

準決勝の「中嶋勝彦 vs 船木誠勝」「拳王 vs 清宮海斗」、そして優勝戦となった「中嶋勝彦 vs 拳王」も予想以上の激闘となった。この3試合1日で、しかも後楽園ホールで行われるのだから、贅沢だ。

 

ここ最近は、武藤敬司や桜庭和志、藤田和之、ケンドー・カシンといったビッグネームのインパクトが大きく、あれだけリング上を荒し回った拳王率いる「金剛」さえも目立てない時期が続いたものの、最後は生え抜き同志(新生ノアとして)で優勝を争ったことは意義深いものがある。

 

N-1覇者・勝彦は2020年前半のW-1参戦時にヒールファイトに目覚め、太々しいスタイルを身に付けたことで完全にひと皮剥けたが、業界を代表する選手となるにはもう一つ何かが足りない気がする。(身長だけではない)

 

この週末(10・10)、丸藤正道の持つGHCヘビー級王座に挑戦するが、ただタイトルを奪うだけでは、物足りない。既に5年前に初戴冠を済ませているだけに、新鮮味も薄く、者が揃っている今のノアマットではチャンピオンというだけでは真の主役の座は奪えないのだ。

 

そろそろ「金剛の客人」的なポジションではなく、独り立ちすべき時なのではないか。

 

ノアファンは嫌がるだろう喩えをすれば、今の勝彦は“制御不能” を名乗りだして一人暴走を続けていた内藤哲也と被る。

 

後に会場人気ナンバーワンとなるが、ヒールターンした当初はまだ声援とブーイングが半々だった。はっきり言えば、中途半端だったのだ。

 

それが一気にブレイクしたのは決してIWGP王者に君臨したからだけではない(それも大きいが)。BUSHIやEVIL、SANADAという仲間を得てロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン(LIJ)を結成したことが人気爆発の最大の要因だと思う。プロレス会場はもちろん、コンサート会場や街中でもLIJのTシャツやキャップを見かけたが、こんなことはあのnWo以来である。

 

勝彦がノアの枠を超えてプロレス界の主役を張るほどの存在に成り得るか、それとも一過性のエースで終わってしまうのか。N-1の優勝を超えるインパクトを我々ファンは待っている。

 

プロレスラーは最終的には「一人」なのは承知しているが、やはりバリエーションとしてチーム(仲間)が必要。おそらく「金剛」は勝彦の居場所ではないと思うのだ。

 

キャリア18年といえど、まだ33歳と若い勝彦だが、すぐ後ろには清宮が迫っている。無駄に時間を過ごしている時間はもう無いはずだ。

 

ともあれ、まずは丸藤とのタイトルマッチ。何を見せてくれるか、期待したい。