仁元堂のつぶやきにようこそ。

前回漸進的筋弛緩法について、
書きました。
前回の記事はこちら

 


実際やってみました?

もしやってみられたのなら、
感想とか頂けると嬉しいです。

さて、
以前にも書きました、
臨床動作法の成り立ちは、

脳性マヒなどの肢体不自由の方の
身体的支援から始まりました。

その、脳性マヒの方だけでなく、

そこから自閉症やダウン症といった
脳性マヒ以外の障害の方たちにも
広がっていきました。

世の中は、
私たちが思っている以上に
立体的な世の中です。

赤ちゃんの世界は
平面で、
狭く、
見上げる対象しかありません。

笑顔で近づいてくる大人とか
ベッドの上で回る
メリーゴーラウンドのようなものとか。

つまり、赤ちゃんにとって
自分が動かずに、
世界が遠く、
近づいてくる対象のみの世界になります。

障がいの方も同じで、
動けない方にとっては

近づいてくるもののみが
自分の関心のあるものになりますし、

遠く離れているものは
眺めることしか出来ません。

そこから
成長し、
立って、
歩くようになると、
世界は一変します。

今まで遠くから眺めているしかできなかったものに
自分から近づいて、
触って、
時には壊して、
匂いを嗅いで、
なめて、
食べて。

そうすると、
近づいてきたものにしか興味がなかったものに、
あそこに行って、
あれを触ってみたい
などの欲求が生まれます。

さらに、
自分が立っている分
世界がより大きく感じられます。

目線も変わります。

こんな風に
人は成長していくのですね。

さて、脳性マヒの方にも、
タイプがいろいろありますので、
一概には言えませんが

下肢にちからが入らない方は
この赤ちゃんと
同じような状態なわけです。

世界は床と、
近づいてくるもののみ。

それを起こして、立たせて。
そんなことができたら。
きっと世界は広がるでしょう。

脳性マヒの方だけでなく
ダウン症の方なども

ぐにゃりとした体幹を
ピンと「軸を立てる」といいますが、
立てることにより、
重力を感じるようになります。

重力を感じるということは
新しい世界を感じられるようになった、
ということです。

新しい世界を感じられるようになると
新しい欲求が生まれ、
それを実行するために
試行錯誤するようになるのです。

成瀬先生がよく仰っていることですが、

小さいお子さんと一緒に
神社に行った時のこと。
そのお子さんは、
まだよちよち歩きだったようです。

大人でもちょっとしんどい
と思うような神社の階段を

その子はどうやって降りるのか
心配して見ておられたようです。

すると、そのお子さんは
くるっと後ろ向いて、
腹を階段のほうにむけ、
後ろ脚をそろそろと段の下に降ろして、

足が着地たところで、
反対の足も降ろす。

そうやって「階段を降りる」ことを
工夫するようです。

何かをやってみたいと思う気持ちは
意図であり、
そこから努力し、
身体活動を行う。

これが、
臨床動作法の考える「こころ」なのです。

当然それは
臨床心理にも役立つかもしれない!
と思うようになったわけです。

私たちは日常生活で、
ダラダラしているときは

寝転んだり、
ソファーで、
グデーってしてますよね。

そのままの姿勢で、
仕事とか、できないですよね。

男性であれば、
ネクタイを締めることや

女性でも仕事着になることで

シャキってする感じになりますよね。

その状態をセラピストとクライアントが
お互いに協力しながら作っていくことで、

いままでシャキッとしなかった思考が
はっきりしてくることがあります。

そこが、心理療法であるということなんです。

また、どうしても自分の体験の仕方が

動作法では体験様式と言いますが、

固定されていますよね。

例えば、誰かに
「今日の服、素敵だね」と
言われたとします。

人によっては
「嬉しい!ありがとう!」
と言うかもしれないし、

「何見てるんだよ。
バカにしているのか?」
と思う人もいるわけです。

嬉しい!ありがとう!と言う人は、
だまされやすいかもしれません(笑)。

バカにしているのか?と思う人は
もったいない生き方を
しているかもしれません(笑)。

とにかく人によって
環境からの刺激に対して
どう対処していくか、
どう捉えるかと言う

体験の仕方が違うし、
その体験の仕方は、
割とその人固有のものなわけです。

そうすると、
その体験の仕方で
生きにくくなってしまっている人、
辛くなってしまった人に

からだの動かし方を通じて
新しい体験の仕方を
体験していくことが
動作法なのです。

例によって、
ここらあたり気になると思われた
動作法の方々。
ご指摘をいただけるとありがたいです。

このあたりで失礼いたします。

ここまでお読みいただきまして
ありがとうございました。

ご意見やご感想など、
いただけると嬉しいです。

 

 

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