今日は、安田学園中学校(2016年)で出題された社会・資料分析問題の「読み取れることを記述する問題」を紹介します。
親子で挑戦してみてください!
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ゆかり:日本企業が進出している世界の6つの国についての資料を見つけたわ。
日本企業の業種別割合をまとめた資料(資料1)よ。
なおき:おもしろい資料だね。ぼくは,その6つの国について,製造業で働く人の賃金をまとめた資料(資料2)を探してきたよ。
国によって賃金がまったくちがうからおどろいたよ。
ゆかり:日本はどれくらいなのかしら。
なおき:日本はだいたいアメリカ合衆国と同じくらいで,約26ドルだよ。
ゆかり:そうすると,この6つの国と比べると,日本は高い方に入るわ。
製造業で働く人の賃金と海外に進出した日本企業の業種別割合には関係がありそうね。
資料1 海外に進出した日本企業の業種別割合
(経済産業省ホームページより作成)
資料2 製造業で働く人の1時間あたりの賃金
(2014年版「世界国勢図会」より作成)
■問題
「製造業で働く人の賃金と海外に進出した日本企業の業種別割合には関係がありそうね。」
とありますが,ゆかりさんたちが調べた6つの国において,日本の製造業における企業の海外進出の特徴について読み取れることを,ゆかりさんとなおきくんの会話文と,資料1,資料2をもとにして書きなさい。
安田学園中学校(2016年)
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■解答例1
人件費が安いフィリピンや中国は,製造業の割合が高い。
■解答例2
製造業で働く人の賃金が日本よりも大幅に安いフィリピンや中国では,現地に進出している日本企業にしめる製造業の割合が高い。
資料1から,アメリカ・ドイツ・イギリス・シンガポールは,製造業の割合が40%以下で,フィリピン・中国は,製造業の割合が50%以上であることが読み取れます。
資料1 海外に進出した日本企業の業種別割合
資料2から,製造業で働く人の1時間あたりの賃金は,ドイツが最も高く,アメリカ・イギリス・シンガポールの順で低くなり,フィリピンと中国は大幅に低いことが読み取れます。
資料をもとにして,読み取れることを書くことが指示されているので,以上のことを組み合わせて解答を書きましょう。
資料1で示されているのは「割合」であり,実際に進出している企業の数は読み取ることができません。他の国よりもフィリピンや中国に進出している企業の「数が多い」と書いてしまった場合は誤りとなります。
また,「製造業における」と指示されているので,商業のことはふれないように注意しましょう。
社会・資料分析問題の「読み取れることを記述する問題」は下記学校で過去に出題されています。
東京都立小石川中等教育学校、埼玉県立伊奈学園中学校、青森県立三本木高等学校附属中学校、茨城県共通、長野県共通、宮城県共通、和歌山県立向陽中学校・古佐田丘中学校、岡山市立岡山後楽園中学校、岡山県立岡山大安寺中等教育学校、山形県立東桜学館中学校、安田学園中学校、宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校、京都市立西京高等学校附属中学校、広島市立広島中等教育学校、高知県共通、大分県立大分豊府中学校、熊本県共通、鹿児島県立楠隼中学校
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