日本と西欧の500年史❼ 西尾幹二著(2024年発行) | ウインのワクワク「LIFE」

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本書から】

 

第二章 ヨーロッパ500年遡及史

なぜこれほどまでしてポルトガル人はアフリカの西海岸を南下しインドへ向かう航路の発見に夢中になったのだろうか。~経済的動機が主であったと説明される。~当時のキリスト教徒たちがヨーロッパの西隅に押しこめられて閉塞した心理状態(世界の終末が近づいている)」。

 

コロンブスもこの伝説に取り憑かれていた一人であるといわれている。世界の終末は近づいていた。最後の審判の前にひとりでも多くの異教徒を改宗し、知上のすべての民に福音を説かねばならないのだという固い信念は、あらゆる物事の前提として、キリスト教世界を覆っていた。

 

ポルトガル人のインド領は、この海における交通と貿易を支配し~。

 

軍事力を背景に、地球の広大な領域に自由勝手な線引きをして、その内部を囲い込んで管理し、支配すると言うこの発想は、人類史上ことのほか深刻で、影響の大きい意味をもっている。アングロ・サクソンがこれを引き継ぎ、その後の歴史で大規模に展開したことは良く知られる。