年末!年始!1年が過ぎて

2017年01月21日

猫の喪中

昨年末にペットの喪中ハガキなんてあるのかなぁ、と思って
色々と調べてみた末、文面だけ考えた私ですが(そのときのおはなしはこちら
「喪に服す」という意味をさんざん調べて
そして脱線して別のことをし始めるといういつもの癖が出てしまいました。

そんなときに出会った「猫の喪中」という本





今から17年前に出版された佐藤洋二郎著の短編です。
芥川賞の候補になった作品のようですが残念ながら絶版されていて
古本屋さんで購入しました。


15年間飼ってきた猫の死。火葬にして、墓まで建てた。
しかし男は猫を溺愛しているのではなかった…。
自らの老い、世間の冷淡、それは男の諦念なのか。 (帯より)

ネコさんとの別れとその後続く悲しみのことが書かれていると思って手に取ったものの
主人公の男性の無気力な沼の中に放り込まれて、
ずぶずぶと沈んでいきそうな感覚でした。

そして思い出さずにいられなかったのは著者と同年代の父のこと。
ずっと走り続けてきた父が母と飼い犬を亡くしたあと
仕事も辞めてどんどん冷えて小さくなっていくようでした。
なんだか父の物語を見ているようであのときの不安を思い出しぶるっとしました。

私には父の心の空洞を想像することも温かく包んであげることもできなかった。
後悔というより自分の無力さを今でも情けなく思ってます。

父をそんな風に変えるきっかけとなったのは阪神大震災。
先日の17日で22年が経ちました。

毎年この日は追悼行事も行われていて当時のことを思い出します。
ガレキの山や割れた道路、空を飛ぶヘリとレスキュー隊の救出の様子。
母と犬のメイちゃんは助からなかったと聞いたときのあの恐ろしい気持ち。
22年経ってもまだ胃がきゅーっとします。

話は遡って喪中のこと。
一般的に喪に服す期間というのは配偶者や子供、父母だと1年ほど。
兄弟姉妹や祖父母は半年ほどだそうです。
でも実際は故人との付き合いの程度や同居、別居などの状況、
悲しみの大きさなどからその長さは変わって
現在では正確に期間が定められているわけではなくて
自分の気持ちによるところが大きくなっているようです。

もともとは江戸時代に公布された服忌令で喪中期間が定められていたようですが、
当時の時代背景から男女で期間が違ったり、今とはずいぶん違っていて
廃止されてからもこれが服喪期間の基準となっているとはいえ、
なんだか今みると違和感いっぱいな感じがします。

母が亡くなってから数年は悲しみに暮れていて
おめでたい席でもどこか場違いな気がしていたし
ヨーちゃんがいない今年のお正月には「おめでとう」という気になれず
ほとんど口に出しませんでした。

dr18

故猫を偲ぶ

服忌令ではもちろん制定されていなかったペットの喪中ですが
今もしこのような法令が出されたら期間も設定されるかもしれませんね。

ヨーちゃんとお別れして今日で11か月。
まだまだ彼を偲ぶ毎日が続いていますが
感謝の気持ちと笑顔で思い出を振り返りながら今年の母の22回目の命日を迎えて
いつかヨーちゃんのこともこういう風に想える日がくるのかなと
よろこび半分さみしさ半分なのでした。




youji20160221 at 20:00│Comments(0)

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