続・死に至る病、そして (1)

このまま「最終回」にしておきたかったコロナなのだが、やはり1シーズンでは終わらなかったようだ。

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土曜の夜。

「チームメイトから、コロナ陽性者が出た!」

とN君の水球チームのグループチャットにメッセージが入った。

サンフランシスコ市では、先月やっと一般のプールが再開されたばかりで、N君のチームの練習も先日再開したばかりである。

話を聞くと、どうやらこの週から参加した選手の一人が、ワクチンは接種済みだったものの、喉と関節の痛みがあり念のため調べたところ、陽性だったと言う。

N君は今も元気にしているし、自分も今のところ特に体調に問題ないが、水球の試合中はマスク無しで顔と顔を接近して、ボールを取り合うのである。

ワクチンを接種していても、体調も特に問題なく元気であるとは言え、うっかり感染している可能性は多いにありうるのであった。

とりあえずN君も自分も今日までに、顔を合わせた人々に、念のため急いで連絡することとなった。

屋外とはいえ、一緒に散歩したり酒を飲んだ友人にテキストメッセージで知らせると、誰も特に症状はないという。

翌日、朝一番で近所の薬局に自宅でできる簡易テストのキットを買ってきた。

2回分のキットが入った箱。薬局にて28ドルで購入。

以前やったものと同様、大きな綿棒のようなもので鼻の中をぐるぐるとやり、添付された溶液につけて15分待つ。

症状が無いとはいえ、もし感染していたらと考えるとやはり少々緊張し、2人とも思わず無言になる。

もし陰性だと赤い線が1本。陽性だと2本となる。

15分も経たぬうちから、2人してそわそわと線が2本になっていないかちらちら確認する始末である。

この穴の部分に溶液を流し込み、綿棒を下からぶっさす!


タイマーをセットしておいたGoogle Homeから、15分経ったことを知らせるアラームが鳴ると、恐る恐る線を確認する…。

2人とも線は1本で、陰性!

とりあえずほっとし、チームメンバーや接触のあった友人達に連絡したのだった。

線が1本なら陰性、2本なら陽性。

「俺も同じテストやらなきゃだわ」

こちらから連絡すると同時に、近所に住むM男から連絡が入った。

先日M男が一緒にキャンプに出かけた友人が陽性だったようなのだ。

結局M男も急ぎテストを受けて陰性だったが、ここ数週間で確実にコロナ陽性の話が身近で聞こえてきている。

皆ワクチン接種済みで、周りで誰も重症化した人の話は聞かないが、ワクチンを受けていても確実に感染は続いているよう。

念のため週明けには、ちゃんと医者にもチェックしてもらいましょ、と自分とN君はハワイへ行く前にも訪れた検査会場に行って検査を再度受けたのだが、数ヶ月前の以前と違って長蛇の列ができていた。

「ワクチンのおかげで重症化はしないかもしれんけど、やっぱり知らない間に感染してたら怖いね」

「まだワクチン打てない小さい子がいる知り合いにでも感染しちゃったら大変よ」

いつものM子ともそんな話をしていた矢先のことだったのだった。

サンフランシスコ市では、来週からレストランやバー、ジムなど屋内での施設に入るには、ワクチン接種済みを証明するものを見せなければならなくなるらしい。

どこへ行くにも、接種時に記入してもらった証明書か、カリフォルニア州のウェブサイトからダウンロードできるQRコードを持たねばならない。

ワクチン接種が進んでいた当初は、やっと皆でコロナ前のように食事にも飲みにもいけるわね、と思っていたのだが致し方ない(先月はリムジン乗ってナパ行ったわよね)…。

これからはデルタ変異種やら何やらで、また引きこもりのマスク生活になりそうである。



続く


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