クロアチア - "魔女の宅急便"の街の光と影

ローマから、飛行機で1時間半ほどで、クロアチアのドゥブロブニクの空港に到着し、陽気な若いお兄さんのタクシーに乗り込んで、海沿いの道を20分ほど走ると、ドゥブロブニクの旧市街が見えてくる。

ドゥブロブニクでの宿は、我が家のN君がネットで見つけてきた、旧市街を見渡せる丘の上にある、小さなホテルだ。

宿主の陽気なおばちゃんから手渡された、クロアチア名物(?)だという、果物の甘いウェルカムドリンクのグラスを片手に、テラスから美しいアドリア海と世界遺産でもある旧市街を、ぼーっと眺めているだけでも、はるばるクロアチアまでやってきた甲斐があった、と思えてくる。(欧州の空港の混乱やらコロナやらで、ここまで来るにも、すったもんだがあったのよ…。)

アドリア海の透き通る海の水の色の美しさ。
ずっと眺めていたい景色・・・。

ホテルから丘を歩いて下ると、中世ヨーロッパ感溢れる門に到着した。
旧市街は城壁で囲まれており、いくつかある門を通って街のなかに入る。


城壁上は遊歩道になっているので、美しい旧市街の街並みを眺めながら、歩く。
(観光案内所でドゥブロブニクパスを買うと、観光地巡りに色々お得です。)


城壁の途中のカフェで、アドリア海を背景に乾杯


城壁の崖に造られたカフェバーでは、泳いだり飲んだりできるので、N君も大はしゃぎ。
(美しい夕焼け時間は混んでますが、朝一番で行けば空いてます。)


海辺の街なので、魚介が美味い。しかもワインが安いときている。
確実に太っていくわよね・・・。

「アドリア海の真珠」とも呼ばれるこの街は、宮崎駿監督の「魔女の宅急便」や「紅の豚」の舞台モデルとなったらしいが、HBOの人気ドラマの「ゲーム・オブ・スローンズ」のロケ地でも使われていたらしく、旅行客向けにロケ地ツアーなども人気らしい。

夜になり、数ヶ月前にオープンしたばかりだという、ドゥブロブニク唯一のゲイバーに、一杯ひっかけにいくと、ペンシルバニアから新婚旅行で来ているというストレートのカップルや、スコットランドから来ているというゲイカップルと話す機会があったが、彼らは、そのロケ地ツアーが、目当てで来たらしい。

そんな美しい観光客にも人気のドゥブロブニクだが、街のあちこちにそんな華やかな雰囲気とは異なる掲示版を、しばしば見かける。

何かと立ち止まってその掲示板をよく見てみると、この街が、セルビア人とクロアチア人の民族対立を背景とした、クロアチア紛争での内戦で砲撃に遭い、街の一件一件の建物がどれだけ被害を受けたか、その地図と共に詳細に記されていた。

30年前の内戦の傷跡は、この美しい街のあちこちに残っている。



続く。

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