はたして進化しているのでしょうか… | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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たとえば吹奏楽コンクール、昔の演奏と、現代の演奏、みなさんはどちらが上手いと思いますか。

そして、どちらが表情豊かだと思いますか。もちろん一概には言えませんが、でももしかしたら…

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

昔の方が大人?

ツイッターにこんなことを書いたら、多くの『いいね』をいただいたのでした。

 

 

みなさんはどう思われますか。

音色や、正確さ、響きの純粋さなどは現代の方が上だと思うのです。傾向としては。

それは楽器やメソッドが進化してきた、いいものがたくさんあるということが大きいでしょう。

いくらでもいろいろな演奏が聴けるしね。でも…

音楽的なところ、表現の深さという点では、あるいは昔の演奏の方が…

と思うこともあるのです。一概には言えませんけども。

 

昔の演奏

たとえば、ぼくが高校生の時のコンクールの録音があります。

正直、ヘタです。音も良くないし、合ってないところやキズもある。でも、意外と、

『こんな表現してたんだ、なんか大人じゃん!』と思ったりする部分もあるのです。

余談ですが、トロンボーンセクションは、始めて3ヵ月ほどの3人。

『ちゃんとトロンボーンの音してるじゃん。がんばったね』とも思ったり…

尤も、自分の演奏したモノはどうしても色眼鏡が入るのかもしれません。

でも、そのほかの演奏をYouTubeなどで聴いても、思ったりするのです。

『これが中学生? 大人じゃん』って。

 

昔の子どもは今より大人だった?

これはぼくがなんとなく思った印象というだけで、現代にもとても音楽的な演奏をする団体もあるし、

もちろん過去にも、技術的にとてもすぐれた演奏をする団体もあります。

でも、なんとなく傾向として、昔のほうが表現がより大人だったような印象を持つのですよね。

昔の子どもは、今の子どもたちより大人だったのでしょうか。それはわかりません。

でも、演奏は傾向として、音楽が積極的で、しかもそれが自然だった。作為的ではなかった。

そんな気がするのです。

もしそうだとするなら、一体なにが原因なのでしょうか。
 

マニュアルやメソッドが

今、マニュアルやメソッド、それにHDなど道具もたくさんあります。コンピューターもある。

いろいろな人が、いろいろなやり方やポイントを、ネットに書いたり言ったりしています。

情報も多い。

と、ただその通りにするばかりで、悪く言えば、縛られて流されているばかりで、

個々の個性や思いやこだわりを練り込むすき間がなくなってしまっているのではないか…

そんな気もするのです。

昔はもっと、考えたり悩んだり議論したり、たくさんしていたように思うのですよね…

すごく悪く言えば、『このとおりやりました』的な演奏は、増えているのではないかとも思ったり…

 

世の中の全体が

でもこれは、なにも吹奏楽や部活動や音楽の世界だけの話なのではなくて、

もっと言うと、学校だけではなくて世の中の全体が、なにかに固められてしまって、

考えたり工夫したり個性を発揮したりする余地がなくなってきてしまっているのではないか、

そんな気がするのですよ。

だからますます人は、それをしなくなっていってしまう。

もしそうだとするのなら、あきらかにこれは進化ではなく『退化』なのではないかと思うのです。

悪い意味で『幼児化』してきているのではないかと思うのですよね。

と思ったら、こんな本を見つけてしまいました。読んでみようかな…

 

 

さて、みなさんはどう思われますか。

世の中は、はたして進化してきていると思われますか。