作編曲講座3 | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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昨日までは音使いやライン同士の関係、つまり対位法的なこと、それから和声的なことなどについて、あまり深く掘り下げずごくごく簡単に書いてみましたが、きょうは、そのほかのことについて書いてみたいと思います。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  ここを押さえろ?

 

2日間書いてみて思いましたが…
普段自分がなにを考えて楽譜を書いているのか、
なにしろもう無意識にやっていることなので、なかなか言語化できないのですよね。

もう無意識だから。
なので、『あぁこれもあったな!』というのがまだまだあるような気がします。
まぁそりゃ、当然あるでしょうね。なので、

実際の楽曲、楽譜に当たって考察したりアドバイスしたりする、

というのがやっぱり有益なんだと思います。
きょうはオーケストレーションとか楽器の使い方について書こうと思っていたのですが…
そんなの、理屈で勉強するより実際に楽曲や楽器の音に触れて学ぶ方がいいのです。
 

 

  際立たせたいものは

 

ラインとハーモニーについて、昨日と一昨日は書いてみましたが、では…
そのライン、いちばん際立たせるにはどうしたらいいでしょうか。
それは、大ユニゾンにすること。それが、そのラインをいちばん際立たせる方法。
カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲のメロディとか、星条旗よ永遠なれのイントロとか、
大ユニゾンだから、際立つわけですね。
逆に言えば、ハモらせてラインに肉付けすればするほど、広がり感は出るけれど、でも、
そのラインは、際立たなくなってしまいますよね。
 

 

  興味を持つ

 

たとえば吹奏楽の曲を書きたいと思ったら(作曲、編曲)…
その編成の中の楽器に興味を持ちましょう(含む自戒)。
もちろん音域とか特徴とかを勉強することも大切なのですが…
管弦楽法の本に書いてあることって、なんというか、鵜呑みにしない方がいいかも(汗)。
たとえばトロンボーンについての記述を読んでも、『そうかぁ?』と思うこともありますよ。
実地でその楽器の音や演奏に触れて、観察する。
興味を持ったら訊きまくる(鬱陶しがられますが…)、そんなふうに得ていくことって多いです。
なので、『この楽器はこうだ』ってここに書くのはやめておきますね。
でも、ちょっとだけ…
 

 

  内声に…

 

たとえば、4声のハーモニーを書きたいとするじゃないですか。
でも、トロンボーンは3本しかいない。さあ、どうする。
吹奏楽での場合の話を書きますね。
もちろん、3つのパートしかなくても音使いを工夫して4和音を表現することは十分に可能です。
でも、どうしても4つ音を書きたい…
そうだ、ユーフォを使えばいいじゃん!…
これ、じつはオススメしません。
ユーフォニアムという楽器は、基本的には内声に使わない方がいいと思うのです。
そうではなく、際立たせたいラインを書いてあげる方がいい。
同じように、アルトサックスを4番クラリネットのように使うのも、うまくいきません。
(やってみるとわかりますよ)
サックスも、ほかの楽器の内声に向かないのですね。
ただ、ユーフォについては、場合によっては5番ホルン的な使い方はアリだと思います。

 

 

  いろんな楽曲に

 

なにしろ、いいスコアを書きたかったら、いろいろな楽曲に触れる、聴き漁ること。

そして、スコアを読む。

これに尽きるように思います。自戒も込めて。

あっ、でも、課題曲のスコアや吹奏楽の楽曲ばかりに当たるのもどうかと思います。

偏食はいけません。もっと広く、いろいろな楽曲や演奏に触れること。

そういうことって、理屈を学ぶことよりむしろ大切かもしれません。

理屈は、そのあとでついてくるもの。

でも、理屈を知っていなければ気づけないことがあるのも、また事実。

ただ、理屈が独り歩きするのは、よくありません。
そのあたりの順番を間違わないことも大切ですね。

ビギナー向け作編曲講座、ここを押さえろ、とりあえずひとまずここまでにします。
まったく不十分ですけどね。
またなにか思いついたら書くかもしれません。

 

最後に、きょう、ハーモニーについて、こんな秀逸な『相関図』を見つけました。

鳴海和穂さんが書かれたものです。

 

 


さて、みなさんはどんなふうに楽曲やスコアに当たっていますか。