落ち着きこそが強さ
〔政治運動家・思想家〕頭山満
(1855年-1944年)
出典 Wikipedia


みなさんは、心の強さと言えばどういったものを連想しますか・・・? 色々なものが挙げられますね。包容力、忍耐力、根性、嫌な事を忘れる力、意思の強さ、逆境をバネにし向上する力、積極的思考、明るさ、落ち着き。こういったものが、人それぞれが備え持つ心の強さとして、言い表される言葉ではないでしょうか。


特別に意識していなくても、普通に歳を重ねて生きていれば、経験を通して人は強くなって行くものです。中には、お金や周囲の人々などの環境に守られ、さほど強くならずとも無難に生きて行ける方々もいるようですが、その先、自分の弱さにも気づかぬまま、もし、それらの力を失った時には打ちのめされることになるかもしれませんけど・・・

心の基本にあるべき強さ



そしてこの、真の意味で、心の基本として備わっていなくてはならない強さとは、予期せぬ事態、いついかなる時もパニックになって思考停止したり、取り乱すことのない冷静な心、「落ち着き」ではないでしょうか。これは生きている限り、生涯を通して毎日鍛え上げていく価値のあるものだと言えます。


一見すると落ち着いた雰囲気の方はたくさんいますが、予期せぬ事態に遭遇した時に落ち着いていられる方は限られてくるはずです。


現在、東京都知事であり希望の党を立ち上げた小池百合子さん。みなさんもTVでよく拝見されている人物ですね。男性ばかりの政治の世界で戦っている女性は、他にもたくさんいらっしゃいますが、小池さんの印象としてはまず、落ち着いた女性という印象を受ける方々が多いのではないでしょうか。


感情に振り回されず、状況を的確に判断し、綿密に策を練る策士。相手に叩かれれば、叩かれるほど、その攻撃力を自分の反撃力に変え倍返ししているかの様にも感じられます。落ち着いて強い女性、頼りになる女性という印象でしょうかね。


もちろん、落ち着きだけでは、この国、この世の中を変えていく事はできませんし、次の衆院選も勝てるとは限りませんが、与党を脅かす大きな風を作り上げようとしているのは確かではないでしょうか。次のその次の衆院選では、女性初の総理大臣が・・・ってことになるかもしれませんよね。

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心の基本を整え、落ち着いた態度で、その場に応じた適切な判断を下してゆく



「いつも冷静で親切であれ」


日本テレビ系ドラマ「過保護のカホコ」の中で、カホコの父親役の時任三郎さんがよく心の中で呟いていた言葉として記憶に新しいかもしれませんね。ソフトバンク社社長の孫正義さんも尊敬する、アメリカの前国務長官 コリン・パウエルさんが自分に課した教訓の中の言葉です。「落ち着きと、他人に対する愛情を忘れるな」ということになるでしょう。


あの時どうしてあんなことを言ってしまったんだろう・・・ どうして感情的になってしまったんだろう・・・ 誰しもそうやって後で後悔してしまった事があるはずです。自分のほんの一瞬の心の態度、言葉や行動が、他人を深く傷つけてしまったり、その先にある自分や相手の人生を大きく変えてしまったりすることがあります。


ストレスを抱えてる時や、混乱した状態にありがちな失敗です。我に帰るって言葉がありますが、あの時の自分は、本当の自分じゃなかったとでもいうことでしょうか・・・ 心はすぐに本来の自分を見失いやすいという認識が昔からあるのでしょう。本当に人間というのは、日常の中で外的要因に支配され振り回されやすい存在です。


人は常に毎日、人生の分岐路に立たされています。一瞬の判断の積み重ねが人生を作り上げていると言っても過言ではないと思います。感情に支配されずに落ち着いた心で物事を見極め、より良い方向に人生を歩んで行ければいいですよね。

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すべての英雄や大物が備え持つ、落ち着き



いつの時代でも、大物と呼ばれる人々は、まず、落ち着きを備えていたという共通点があります。決して、生まれ持った才能だったという人ばかりではなく、瞑想や禅の修業などを通して、落ち着きを学び、身に着けたという話しも良く耳にします。


偉人、英雄の武勇伝はたくさんありますが、あまり一般には知られていない、頭山満という方のお話を少々。


この方は、幕末の生まれで、昭和前期にかけて、勤皇や板垣退助率いる自由民権運動、条約改正に関する運動に尽力し、当時の右翼の巨頭・黒幕的存在としても有名な思想家、政治運動家です。日本初のヨーガ行者であり、クンバハカ法など心身統一法を広め、当時の各界の指導者に影響を与えた、中村天風が若かれし頃に出会った恩人でもあります。


この、頭山満という方、どんな事にも動じない中村天風が驚くほどの不動心を持った方だったようです。ある日、ピストルを持った刺客に襲われた時も平然としていたと語り継がれています。後に、中村天風が頭山満にこう尋ねました。

「先生は、ピストルを目の前に突きつけられていた時、平然とされていましたね」

そう言われた頭山満は、

「驚いたって間に合わないよ」

と、答えたそうです。


普通の人は、慌てふためくのが当然ですが、確かに、驚いていたってなんの解決にもならないと言えますね。実際、驚く暇があれば、落ち着いて対処法を考えたほうが効率的ですね。


そういうことで、まず、大物と呼ばれる人間と普通の人間との差は、この「落ち着き」にあると言っても過言ではないと思います。

クールな人間になる必要はない



冷静な人、落ち着いた人と言っても色んなタイプの人々がいます。特に、冷静な人と聞くとロボットの様に事務的な人や、見た目に冷たい人を想像する人もいるかもしれませんね。そういう冷静さや落ち着きはあまり面白くないかもしれませんね。


喜怒哀楽が激しくてもいい、感情を大いに出して子供のように転げまわって、はしゃいでてもいい。映画やドラマを観て泣きじゃくってもいい。一人ひとりが人間らしい個性、愛嬌やバカらしさを出しつつも、いざという時には落ち着きをすぐに取り戻せる人になれればいいのではないでしょうか。


常に自分自身がイラついていたり、慌てていたり、また、周囲を慌てさせたり不要なプレッシャーを与えたりすることで、作業効率が上がると信じているかのような方もいらっしゃいますが、冷静かつ迅速にという言葉もあります。もちろん、冷静や落ち着きという言葉はのんびりすることではありません。


落ち着きについて、当然の事を記事に書いてみましたが、心の基本に落ち着きを備え、その上に自分らしい人間らしい個性を育んで成長して行ければいいのではないでしょうか。しかし、いざという時に落ち着いていられるのは、それほど簡単な事ではないですよね。そのために、クンバハカ法など、体から精神を鍛えることができ、毎日どこでもできる鍛錬を、僕はお勧めしています。


落ち着きこそが、どんな時でも一番強い自分を引き出し、それと同時に、他者への信頼感と安心感をも与えることが出来るものです。


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