濾過能力

VESTERGAARD社製のLIFE STRAW  VESTERGAARD

MSR社製の手押しポンプ式濾過器。 MSRトレイルショット MSR 



ともに濾過器であるから、しっかり浄水できているかどうかの検証は大事。濾過できないのであれば濾過機ではない。これは当然すぎるほど当然。

そこで実際に濾過能力についても実験してみた。

ところがここでまた問題が発生。考えてみれば直ぐに分かることなのだけども、VESTERGAARD社製のLIFE STRAWは写真でも分かるように、口で吸うことによって初めて飲料水を得られるのであるから、実際に泥水などをろ過浄水しても、浄水後に得られる水はダイレクトに口に入るために検証はほぼ不可能。
DSC_3254[1]
実際に検証しようとすれば、何か吸引する機械などでライフストローから水を吸引し取り出さないといけない。そうしない限りは安全な水なのかどうか?検証できず、結果、VESTERGAARD社 メーカーが主張する浄水能力をすべて鵜呑みにするしかない。

アメリカとヨーロッパの安全基準はパスしているので,ほぼ間違いなくろ過浄水はできているのであろうが、信頼するかどうかはまさにそれぞれの個人的な判断による。
従って、私はライフストローに関しては濾過能力の実験は行わなかった、イヤ、行えなかった。

ここにもVESTERGAARD社製のLIFE STRAW には私は大いに不満が出た。

しかし、MSR社製の手押しポンプ式濾過器。 MSRトレイルショットは手押し式なので、ろ過浄水した水を抽出することが可能なことから実際に検証が可能であった。DSC_3266 - Copie

MSRトレイルショットでローヌ川の水を実際にろ過浄水し、それを別途に容器に移し実際に検証をしてみた。
この部分でもやはりVESTERGAARD社製のLIFE STRAWよりもMSRさHのトレイルショットには非常に好感が持てる。











実験に当たってはDSC_3264、ドイツ製のクイックテストと言う飲料水試験紙を使用してみた。
ここで肝心なことは、この試験紙が公平中立であり、かつ正確な実験を行えるのかどうか?という問題が出てくる。
まがい物のいい加減な実験器具では真面な実験などはできはしない。


06181120_51bfc40a4b184[1]本来であれば、かなり高額にはなるけども正しい実験器具を採用すべきなのであるが、個人の予算上どうしても数十万円もするような実験器具は購入できず、仕方なく、ネットで色々と調べて、コスパに優れ、信頼性が高いと思われるものを採用するしかなかった。

ある程度、お金に余裕がある、例えばお医者様などは是非、たとえ高価であっても飲料水試験機は購入して備えておいてほしいと思う。なぜならば、被災し、飲料水が不足し、井戸や川、池などの水を一般の方々に責任を持って飲んでもらうためには保健所の検査が必要なのだけども、被災後に保健所がわざわざ水質検査のためだけに緊急で来てくれるということはおそらくはない。ならば、医療機関医療関係者が、しっかりした水質検査機を備えておくということはとても大事なことではなかろうか?

WATER TEST
クイックテスト付属の試験紙の対応表

PH値と言うのは大まかに言えば酸性化アルカリ性か?ということ。




ph[1]PHとは


日本水処理工業株式会社







クイックテストはドイツ製なので当然対応表はドイツ語表記、alkalinität という項目を調べるとアルカリ性、アルカリ度と出てくる。PH検査でアルカリ度は検査できるので、何故またアルカリ度を調べるのか正直不明。

試験紙や実験器具は日本語表記、英語表記のものが望ましいというのがよく分かった。

実験を行う前に、ローヌ川の水質について調べてみた。
2018-07-30 私が実験を行った場所付近の水質調査報告書。


基本的に大変良好な状態ではある。実験場所から数㎞ほど離れた場所に2つの大型原発がある上に、ろーーぬ川中流には化学薬品工場が密集しているにもかかわらず状態は極めて良い。

しかしこれは化学物質などに汚染されているかどうかの調査報告であるので、大変良好であるからとって即飲料可能と言うわけでは決してない。



そこで実際に自分で調べてみた。

DSC03671DSC_3265















































お分かりになるだろうか?試験紙を川の水につけたところ、
残留殺藻剤濃度が異常に高く、このままでは飲料不可である。しかし、PHなどその他の部分では飲料に適したレベルにはなっている。しかしこの試験紙ではばい菌、細菌、寄生虫などは検出はできないので、その辺は不明。しかし、この試験紙でも分かるように残留塩素が検出されていないので、塩素による殺菌がされていないというのが分かるので、おそらくは寄生虫、ばい菌細菌などは多く潜んでいるであろうというのは推測できる。しかし、川釣りでそこそこ魚が採れていることから、極めて良好な水質であるとは思われる。

そこで、MSRトレイルショットでさらにどこまで浄水できるかを検証してみた。
DSC_3269
その結果がこの写真である。

残留殺藻剤がものの見事に除去されていた。しかし、PH値がなぜか6.6から7.4まで増加しているのが非常におかしい。この辺はこの試験紙の信頼性に問題があるのかもしれない。


しかし、PH値7.4というのは飲料に適した値なので、多少増加していたとしても飲料には問題はないとは言えるかもしれない。

アルカリ値も低く抑えられており、また残留塩素がほとんどない。


しかし、残留殺藻剤を除去するほどの能力があるということは、科学性物質よりも大きいばい菌、寄生虫などはMSRトレイルショットのフィルターで除去されているものだろうとも推測はできる。

しかし、ばい菌、細菌、寄生虫などもまた除去されているであろうというのはあくまでも私の推測と、、またMSR社メーカーが主張する性能、及び、アメリカとヨーロッパの安全基準をパスしていることによる。
ちなみにメーカーでは99.99%のばい菌、細菌、寄生虫などは除去できるとしている。

Product Details

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  • Simple to Clean: A few shakes helps restore flow rates in the field; no tools required.
  • *U.S. EPA Guide Standard and Protocol for Testing Microbiological Purifiers
Made in USA
しかし、これでもまだ不安を覚えるのであれば、


DSC_3274コーヒーのペーパーフィルターでさらに濾過し、アクアタブと呼ばれる消毒剤を入れ、さらに沸騰消毒すれば間違いなく飲料に適した水になる。











DSC_3276aquatab




















DSC_3285

実際にMSRトレイルショットで直接ローヌ川の水を飲んでみた。

塩素系の消毒薬で消毒されていないせいなのか?化学薬品の味が全くせず、舌をさすような味もせず、実に味わい深いうまい水であった。

これじゃ自宅の水道水はもう飲みたくはないという感じであった。
































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結果はMSRのトレイルショットでろ過した水よりもあまり水質は良くないようだ。ただし自宅の水道水はばい菌、細菌、寄生虫などはまずいない。無論、ばい菌細菌などは健康に支障はない程度には関らず存在はしているであろう。






































DSC_3293DSC_3296エビアンのミネラルウォーターでも試してみたが、水道水とあまり変わらないという面白い実験結果も出た。
無論、フランスの水は硬水である上に、石灰が多分に含まれており、日本の軟水とは一概には比較はできない。



ここで若干濾過から外れた話をすれば、日本国内において、東京や大阪、その他主要な大都会圏以外の地方都市、及び地方の各市町村ならばスーパーで買うフランス産のミネラルウォターよりも水道水の方がより安全でうまいのかもしれない。
つまり、エビアンやヴィッテル、ペリエなどと言うペットボトルの水はおそらくは日本の地方の水道水よりも劣るであろう。


水10に続く