森の休暇小舎の自然日記

                 栃木県の那須高原


標高550メートルの小さな森の小さな小舎。小舎内には水道なし、シャワーなし、トイレなし、 


************自然の時間の流れに合わせたスローな小舎の自然日記




連休の最終日

今日は那須の森の話ではなくて、

住まいのある埼玉県の地方都市にある約1万平米の森で行われた「大人のための自然観察会」のお手伝いをしてきた話です。

 

森は戦後形成し始めた比較的新しい森です。

小さいながらも独自の森の生態系ができあがりつつあります。

この日の観察のテーマは「匂い」でした。

様々な動植物に出会えたことに加えて美しいアカスジキンカメムシの羽化に出会えたのは貴重な体験でした。

蝉の羽化は何度も見ましたがカメムシの脱皮は初めてです。

 

 

この羽化の後、数時間であの美しいカラーリングに変身します。

 

 

 

 

 

この観察会に参加された大人の人達が後日、家族、子供達や知人と自主観察会を開いてくれればうれしく思いました。

 

ところで、SDGsと言う言葉を聞かない日はないほどです。

SDGsの17の開発目標のうち、私は、目標15,13、11、について、この自然観察会が、目標達成のごく初期的なきっかけとなればと願っています。

 

・目標15:陸の生態系の保全・持続可能な利用

自然観察会は里山の生態系を保護し、持続可能な方法方法で利用することの理解に繋がっていきます。

・目標13:気候変動への対策

自然観察会を通じて里山等の生態系の大切さを理解して地域社会が気候変動対応策を考えるきっかけとなる可能性が広まると考えています。

・目標11:持続可能な都市とコミュニティ

自然観察会は地域のコミュニティの一体感を深めて、地域の自然環境を理解して大事にする意識を深めることに役立つとかんがえています。

・ついでに目標4:質の高い教育

自然観察会は参加者に自然や生態系について学ぶ機会を作り、環境教育を通じて持続可能な都市づくりへの理解を深めてくれると思います。

 

自然観察会に何回か参加したからと言って、すぐに住みやすい地球環境の保全に役立つとも思えませんが、これらの開発目標を気づき、後日、参加者の子供達や家族と考える「きっかけのきっかけ」になればと思うのです。

 

 

GWの頃の森

いつもの年ならGWを過ぎて数日後に木々の開葉が進んで森は少しづつ暗くなっていくのですが

今年はすでに暗くなり始めていました。

何もかも自然の移ろいのスピードが速くなっています。

 

 

 

 

コシアブラ もう大きくなりすぎて食べられません

 

イヌシデの株立ち この森では一番の大木です

いつかこの木にツリーハウスをと思っていますが、なかなか実現は難しそうです

 

花期の長いシュンランはまだ咲いていました

 

一方、比較的花期の短いカタクリはもう種をつけていました

 

コシアブラの多い森です

 

ズミの花が満開です

 

より光環境が良いところへとパートナーが移植したエンレイソウが年々増えています

 

 

ヤブレガサが日よけになりそう・・・ チゴユリが心配しています

 

アズマイチゲの群落 もう花は終わっていました

 

ハクウンボク

 

愛犬のケインのクロスの基に植えたスズランが咲いています

 

 

 

クロモジ

 

通路にササバギンランが出てきました。 踏まれないように枝を刺しています。

 

エビネラン

年々その株数を減らしてきたエビネランが今年はとうとう一株になってしまいました。

もともとは半日陰のそんなに明るいところではなかった場所なので光環境・温度がが変わってしまったせいでしょう。

また元のような環境に戻してあげたら増えるでしょうか。

 

数年前は20株以上ありました。

 

ズミの花

 

鮮やかな朱色で森に色どりをつけていたアカバナマンサクは今では大きく葉を広げ他の樹木と見分けがつかなくなっています。

 

ハリギリ(センノキ)

隣の森に大きなハリギリの木があり、毎年種を飛ばしています。この森はハリギリの幼木だらけです。

それにしても立派なハリギリの葉です。

 

コシアブラの芽ぶき

 

ご存知、山椒の葉

 

朴の木

 

リョウブ

この森には、ハリギリ、コシアブラ、タラ、など食べられる木の芽があります。

春を感じるために、このリョウブの芽をご飯に炊きこんでたべます。

正直、おいしくありません。

救荒植物なのでしょう。

 

ツクバネソウ

 

もう間もなく、水路に水が流れ水田が水の惑星を彷彿させます。

 

タンポポは花が終わってからも茎は成長を続けるのですね。

より高く種を飛ばすための戦略でしょうか?

 

 

タンポポで休んでいた「モモブトカミキリモドキ」

「名は体を表す」と言いますが、正にそのとおり。

 

サクラソウを見に出かけます。

このあたりには野生のサクラソウの群落が多くあります。

 

スミレと言う名前のスミレ

 

ミツバツチグリ

 

ゼンマイ

ワラビ、ゼンマイ、コゴミ、同定方法をすぐに忘れてしまいます。

これは特徴ある胞子のうでゼンマイとわかります。

 

カブラハバチの幼虫

 

ウリハダカエデの花

 

オビカレハの幼虫

食害による植物への影響や人的な影響はあまり大きくないようですが、

気味が悪いのは確かですね。

 

森の入り口の駐車場の脇に大きなウワミズザクラがあります。

満開でした。

 

 

OKこの森には

めずらしい植物も

動物も

昆虫もいませんが、

原則外から何も持ち込まない私の本当のナチュラルガーデン。ニヤリ

 

フジコヘミングウェイさんが先月亡くなられたそうです。

身体的なトラブルを始め多くの逆境を乗り越えた彼女の音楽才能が広く世界に知られるようになった年は1970年代初頭だそうです。

「自分のできることをすべて行い、きっとうまくいくと信じること」・・・

そのような意味のことを彼女が話していたことを且つてきいたことがあります。

本日の朝日新聞の天声人語にもそのような事が記載されていました。

 

メラメラ小舎の隣に建てた物置小舎のドアの上に書いた標語的なサインはいつも勇気づけてくれます。グッド!

 

 

 

 

自作したほとんど掘っ建て小舎状態の水場小屋と物置小屋

愛犬ケインの後ろ姿の白い影が付いています。