アニメーター塚原重義制作の長編アニメ『クラメルカガリ』

昨日鑑賞した『クラユカバ』のスピンオフ作品で、あちらは集団失踪事件を追う探偵ものでしたが、こちらは元監獄だった“箱庭”と呼ばれる炭鉱の町で、採掘によって地下トンネルだらけで地盤沈下も頻発し日々地形も変わるために町の地図を作成する“紡ぎ”と呼ばれる地図屋を生業とする主人公の少女・カガリが、友人で同じく地図屋で掃き溜めのような今の生活から抜け出したいと野心を持つ少年ユウヤと協力して、少し危険な区域まで潜り込んだところの地図を作っていたところ、地下にはびこる悪党集団とつるんで、怪しいロボットを使ってカガリのいる区域を攻撃しようと企んでいるところに迷い込み、命からがら逃げ出すも、敵さんが容赦なく攻め入ってきて、炭鉱街の派閥同士が戦闘ロボットと激しい銃撃、爆撃戦に突入し、カガリたちも巻き込まれていくお話

こちらもスチームパンクっぽいところは良いのですが、主人公のカガリの顔の傷についてや、少しだけ垣間見えた箱庭で修理工を営む朽縄博士とその助手の詳細な過去についてや、情報屋の伊勢屋と結局なにしに来たのか中途半端だった調査員シイナとの関係など、登場人物について語られていないことも多くて、それだけでもスピンオフ作れそうな感じなのがもったいないところ。。。★★★☆75点

その背景がもっと明らかになれば面白さも倍増しそうなのに残念。

カガリの住む区域の狛犬市場で代表兼用心棒を勤める青年・栄和島はなぜかバーテンダーみたいな格好で、情報屋・伊勢屋の雰囲気とか、この二人ってどう見てもデュラララの平和島静雄と折原臨也って感じだなぁ(名前も近しいし)と思ったら、クラメルカガリのシナリオ原案はまんま「デュラララ」の作者・成田良悟さんでしたね。チョイ役どころか重要なキャラをオマージュしてるとか、なかなかアツイです。

劇場版名探偵コナンの27作目、北海道の函館を舞台に怪盗キッドと五稜郭にまつわるお宝騒動を描いたミステリー『劇場版名探偵コナン100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が毎年恒例のこの時期に公開

今回「刀」がテーマで、剣道の得意な服部平次が登場しますが、真剣とか普通に振り回したらだめな代物なのに服部くんも結構平気で刀を抜いて打ち合うとかちょっと子供も見るアニメ映画で大丈夫なの?と心配になります(笑)

キッドと服部平次って結構定番キャラな気もしますが、キッドはこの年明けのを除けば劇場版4作ぶり、平次に至っては6作ぶりなんですね

今回はキッド以外にも青山剛昌先生のマンガ『YAIBA』の鬼丸猛も登場しています。私は『YAIBA』はよく知らないのですが、突然強そうなキャラが出てきて、服部平次も誰?とか言ってたのでコナンのキャラではないなとは思いましたがなんと『YAIBA』ともコラボとは。

ストーリー的には、あちこちに伏線が張られていき、オールスターキャストたちがタイミングよく手がかりを見つけてくれて、敵対組織に先を越されたり邪魔されたりしつつ真相にたどり着いていく、ファミリー映画には似つかわしくない本格的なミステリーなところはコナンらしい内容でした。お約束のようなラストになりましたが、その前の平次の見せ場はちょっとベタですが思わずグッと来てしまいました(笑)

流石コナンにハズレ無し★★★★85点

 

ストーリーよりも驚かされたのが、おまけシーンの工藤新一の父のカミングアウト。

キッドこと黒羽快斗と、工藤新一が似ているのと、声優が同じなのは同じ青山剛昌原作だし、ネタだろと思ってたのですが、え?まさかそんな設定だったのと、一気に繋がって辻褄が合うところはかなり衝撃でした

これは黒の組織のボスの正体以上に今後の展開も気になるところです

ディズニー&ピクサーのこの夏の新作映画「インサイドヘッド2」公開を記念して、コロナの影響で公開されなかったディズニー&ピクサーの泣ける名作アニメ映画が特別料金(1300円)で公開中

その1本『ソウルフル・ワールド』を観てきました

当時遅れて劇場公開されると思っていたら、Disney+での配信に切り替えられたために劇場でみれなくなっていた作品です

ジャズに魅せられ本業にしたい中学校の臨時音楽教師が憧れのサックス奏者のいるジャズバンドからの誘いを受けて舞い上がって、不注意でマンホールに落ちて命を落とし、魂(ソウル)となるも、その死を受け入れられずあの世に行くのを拒んで強引に後戻りしたら、生まれる前にどんな人間になるかを決める世界に迷い込み、そこでどんな人間にもなりたくない問題児のソウル・22番に出会い、22番のメンターとなり、自身は元の世界の体にもどるために、22番には「人生の煌めき」を見つけてもらうために共に奔走するお話です。

たとえやりたいことが叶ったとしても、満足のいく結果になるとは限らない、誰かを満足させるには見て、聞いてだけではなく、実際に触れて、体感してみてこそ。

何かになるために生まれてくるのではない、生きていく中で自分の道を自由に決めていけるものという、「生きる」とはなにかを考えさせられる哲学的な内容です。。。★★★65点

レビューサイトでも比較的高評価な作品ですが個人的には思ってたほどささらなかったです。

この映画はディズニーが急に配信のみに切り替えたことで色々と公開に備えていた劇場側もコロナに加えて大打撃だったようで、このあとしばらくディズニーと劇場の関係が悪くなって、よく利用しているTOHOシネマズなどで観たいディズニー映画が公開されなかったすることもあり、大人の事情に顧客が巻き込まれて散々だったのを覚えています。

まぁ、作品自体には罪はないのに、良い作品が観れないのは残念でしたが、遅れた公開とはいえ、こういうお得に鑑賞できる機会があるのはうれしいですね。

配信で家でも観れますが、映画はやっぱり映画館で観たいものです

今回は本編とおまけで短編アニメ『夢追いウサギ』も同時上映されます。絵のタッチとかちょっとピクサーっぽくないアニメ映画なんですがこれはこれでほっこりします。

 

アニメーター塚原重義が制作する初の長編アニメ作品『クラユカバ』そしてスピンオフの『クラメルカガリ』が本日より同時公開

続けて観ようと思っていたのですがちょっとお仕事が立て込んでてとりあえず『クラユカバ』の方を鑑賞

レトロな雰囲気の世界観で、世間を騒がせる、目撃者も目的もなく、不気味な轍だけを残して次々と人が消える集団失踪事件を追う探偵・荘太郎が、調査に向かった相棒の情報屋・サキを誘拐し、脅迫状を送りつけてきた“クラガリ”と呼ばれる地下の武装ギャング団・福面党を探る内に、装甲列車でギャング団を蹴散らしながら同じく事件を追うタンネと警備隊員たちと、荘太郎の過去にも纏わる事件の真相に迫っていくミステリー

講談師・六代目神田伯山が主役の荘太郎のCVということもあってか、ナレーションなんかもカツベンっぽくなっていてこの世界観にもぴったりでした

こういうちょっと古めかしいけどスチームパンクっぽい世界観はなんか雰囲気あって良いですね★★★☆75点

福面党は結局なんだったのか、黒幕の集団はなんなのか、主人公の父親は一体どうなってるのか、タンネはいったい何者なのか等々、よくわからないところも多いですが、なんかこんなアドベンチャーゲームにありそうな感じは個人的には好きです

『クラメルカガリ』の方も観てみたいですね。。。

昨年個人的に最高だった映画『リバー、流れないでよ』を製作したヨーロッパ企画の長編オリジナル映画一作目『ドロステのはてで僕ら』

気になってはいたものの、Amazonプライムで有料レンタルということもあり、お金かかるし、ゆっくり時間ある時に観るかとなるとなかなか観ないものです。

どうも、いつでも観れるとなるといつまでも観ないので、個人的に映画は映画館で観るようにしています(笑)

今週は先週スルーした「ゴーストバスターズ/フローズン・サマー」か、「オーメン:ザ・ファースト」でも観に行くかなと思っていて結局あまり気が進まずだったので、久々に家でゆっくり観るかと選択したのがこの映画。

脚本は「リバー、流れないでよ」とおなじく、名作「サマータイムマシン・ブルース」や「曲がれ!スプーン」、アニメの「四畳半神話体系」「四畳半タイムマシンブルース」を手掛ける上田誠さんで、こういうSF コメディは本当に秀逸ですね

「リバー、流れないでよ」は2分間ループを延々繰り返す話でしたが、こちらは喫茶店のマスターが、2階の自室のテレビモニターに一階のお店のテレビモニターから、突然2分後の未来の自分が話しかけてくるところから始まり、少し先の未来とやり取りできる不思議な現象に、最初はスクラッチの当たりを引き当てたりとささやかな恩恵を得ていたものの、頭のいい常連客の案で二つのモニターを向かい合わせてドロステ効果でさらに先の未来を知ろうとして、段々とエスカレートし、喫茶店の常連客や隣の美容院のお姉さん、上の階に事務所を構える怖いお兄さん達まで巻き込んでいくSF コメディです。★★★★☆90点

こういうの大好きです

70分くらいの映画なのですが、無駄がなくテンポよく物語が展開していき、2分先がわかることをうまく使ってピンチを面白おかしく絶妙に交わしていくのが最高。オチも、「リバー、流れないでよ」と同様な感じで、なるほど、らしい締めくくりだなぁと思いました。

劇中でもそんな会話がありますが、藤子・F・不二雄のSF 短編集が好きな人ならハマること間違いなし。

ヨーロッパ企画の舞台もこういう感じっぽいので個人的に結構好きかもしれません

U-NEXTで配信してるみたいですね。。。