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日曜日の朝
早く目が覚めたのでそのまま起きることにした。

日が煌々と東の丘から顔を出した様子だ。
トイレの窓から向こう側をのぞきこんだ。

空気がキンと冷たく日中の暑さが嘘のようだ。
半袖半ズボンではいられない。

昨日の台所のきれいな排水がたまっていたので
少ないけれど畑のトマトに水分補給しに行った。
トマトが少しずつ赤くなってきている。
今日食べてみよう。

しかし、毎年この調子で干ばつのような夏ならば
トマト栽培をやめようとおもいはじめた。
野菜たちは農園に任せればいい。
我が家の土地には、水やりを必要としない
自生できるような果実の樹を植えたいとおもった。
薬草でもいいな。

庭のコンポストにVespa(スズメバチ)が
巣をいくつも作った様子だ。
私は虫刺されアレルギー
(人より皮膚の炎症度が高く痕に残りやすい)だし
刺されるとそいいうわけで面倒なので
刺されても気づかないほどの虫鈍感の夫にいかせた。
が夫は、コンポストの蓋を開けっ放しにして
Vespaに嫌がらせをしていた。

そのVespaの巣をよく見ると
Vespaたちが巣にへばりついて眠っていた。
いつものように動いてなかったので
あれは眠っているのだろう。

ということは、ラベンダーを寝床にしている
Bomboという太っちょのハチも
まだ眠っている時間だろうと見に行くと
やっぱりラベンダーにしがみついて眠っていた。
いとおしい。

虫たちは、気温で目が覚めるのか
日の傾きで目が覚めるのか、よくわからないけど
虫だって眠ることだけはわかった。

生き物には休眠は必要なんだね。
当たり前だけど。
私たちもぐっすり眠らないと翌日がんばれない。

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雨が降らなくたって
勝手にフェロモンだして勝手におもてなしをしている
ラベンダーの収穫を、虫たちには申し訳ないが
今日、収穫しようと思う。

ラベンダーは、成育も香りも効能もいいので
収穫したら、2週間ぐらい陰干しして
肌用にオイルに漬けたり
石鹸をつくるときにラベンダーを煮出して混ぜたり
それでも余ったら、ポプリにしてタンスの虫除けにする。

恒例になったラベンダーの収穫は
花が半分咲き終わった頃
六月の終わりから七月頃に収穫する。

気候変動していても
ラベンダーは通常通りだ。
呆れるほど強いハーブ。

今や私一人で収穫し、束ね、干し
写真を撮ったり。。。
家人たちは各々に好きなことをしている。

ラベンダーに集まる優しいハチにたかられても気にならない。
ラベンダーは、勝手に成長してて、勝手に放出して
そして私のすべての癒しだ。
だから自分の誕生日の今日収穫しようとそれまで待った。

この一株のラベンダーは、息子が4歳の時
私の誕生日のとき、夫と選んで贈ってくれたものだ。

ラベンダーは8年ぐらいで植え替えと聞いていたが
なんのその、もう十年以上経っていいる。

必要に応じた春の剪定と、毎年の花の収穫は
案外ラベンダーの長生きの秘訣なのかもしれない。
それと、ヒトのスピリトがわかるのかもしれない。

Raccolta

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そう、今日は私の誕生日なのだけれど
この特別でない「ふつう」に過ごしたかった。
毎年何をするわけでもないけれど
今年に限っては「ふつう」意識が高い。

過去を振り返らないなんて言う人もいるけれど
私は何度も何度も振り返って
何にぶちあたって何を学んできたのか考える。

自分の選んできた道というかコトを考える。

考え出して見つめ直してると
これが人生なんだな。。。と感慨深くなる。

波乱万丈な20代前半を機に
とりあえず生きてきたし生きてこれた。
これも頑張り屋の夫の支えが大きい。
どんなにケンカしたって夫がいなかったら
私は自由っぽいような生き方はできなかっただろう。

それでも選択の中に諦めもいっぱいあった。

子を一人で歩かせられないイタリアの生活は
実親だけで管理するのは大変だった。
何度もおじいちゃんおばあちゃんがいるところはいいな
とおもった。

ようやく我が子も成長し
私もフルタイムで働けるようになった。

でもいざフルタイム労働がはじまると
嬉しさのあまり緊張して生活リズムが狂った。

可笑しい。
これも人生なんだ。
狂うから..体が反応するから..調整していくのだ。

今までと同じように
今の生活と今の現状と今の社会にあわせて。

私がイタリアにきた頃
そしてアレコレ四苦八苦してる頃
はたまた夢を描いたり自由っぽく生きてる頃
別の人生では、ずっと同じところで
ずっと同じ職場で生きている人がいる。

フルタイム先であと3年で退職という人がいた。
17歳からずっとこの会社にいるって人がいた。
38年間ずっと同じことをしてきた人がいた。
すげーな。

これがいわゆるふつうなんでしょうけど
自分に起こったこと自分で選んできたコトを振り返って
ずっと同じところでずっと同じことをする生活は
私にはできたであろうか、考えさせられた。

でもこの人にはできた。
私もこの人のように
同じところで同じことをしなければいけない
と思うようになった。
今さらだが。

私はきっとイタリアで老後を送るかもしれないと想像した。
だからイタリアの生活に本気にならねばいけないとおもった。
日本人である特別を排除して
イタリア人と同様に生きていかねばならないとおもった。

だからいわゆるふつうな生活を
実はそれが覚悟がいるほどのコトで
また選択のときにぶちあたった。

これが人生なんだな。
アナタとワタシ、全く違うけど
これが人生なんだな。

必要に応じた選択と、毎度学びの収穫は
長生きするための秘訣なのかもしれない。
ヒトのスピリトがあるまで人生は続くのである。

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今日の一曲。





Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




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