親の愛情不足が子どもに与える影響と今日からできる対処法
・(家ではいい子なのに)学校や塾など、外で問題を起こしがち
・持論で家族・友達・先生・有名人を攻撃する(SNSで誹謗中傷)
などでお悩みの方も最近多いなぁと感じています。
こういった場合、一度、親からの愛情不足を疑ってみるとよいかもしれません。
というのは、しつけや学歴を重視した子育てをしていると、親の愛情がちゃんと伝わっていないことが原因で問題行動が起きている場合も多いからです。
今日は、親からの愛情は子どもの心にどんな影響があるのか、また、不足状態に陥っていた場合の具体的な改善方法についてご紹介します。
愛情不足の特徴が見られたとしても、安心して下さいね。
今お持ちの愛情を、言葉や態度で伝わるように伝えていくだけでよいのですから。
もくじ
愛情不足が子どもにもたらす影響
子どもは親の愛情に敏感です。
なぜなら、子どもは全員!親から愛されたいからです(←大前提)
例えば、兄弟の子育てでは、勉強が得意な子は勉強を、スポーツが得意な子はスポーツを、気持ちが優しい子は愚痴の聞き役を。
それぞれ自分の強みを使って、親から認められよう、褒められようとしています。(←ほぼ無意識)
ですが、自分の個性を親から認めてもらえなくて、否定ばかりされている子どもは、愛情不足の状態となり、いろんな問題行動を起こすようになります。(←こちらもほぼ無意識)
心理的な影響
子どもは「愛情が不足しているよ。お母さん」と言葉で教えてくれる事はまずありません。
ですが、愛情は人の心と身体を健全に保つためのガソリンのようなものですから、これが不足した時には「問題と感じる行動」が見られるようになり、病院を受診すると愛着障害と診断されることもあります。
愛情不足のサインとしては最初は意欲低下などですが、親が子どものサインに気が付かないでいると、だんだんと深刻化し問題行動へと発展することがあります。
注意)愛着障害とは、乳幼児期に特定の養育者(母親・父親など)との愛着形成がうまくいかず問題を抱えている状態のこと
行動に見られる!愛情不足の6つサイン
- 気力の低下
中高生ママ専門コーチの私の元には「覇気がない」「無気力」「死んだ目をしている」などのご相談はかなり多い。他にも「学校への行き渋り(不登校)」「留年の危機なのにやる気を出さない」「塾や部活もサボりがち」「食欲の低下」 など。 - (必要以上に)甘える(愛着障害の特徴)
「お茶入れて」「リモコンとって」など、自分で出来る事を親にしてもらいたがる。「座る時の距離が近い」「夜中、布団に潜り込んでくる」「母へのボディータッチが多いもしくは要求する(幼児退行的な、赤ちゃん返り?)」など - ワガママ(自己チュー)な行動
「自分の思い通りにならないと機嫌が悪くなる」「癇癪や暴力」「ガマンができない」「すぐに人のせいにする(←愛着障害の特徴)」「間違っている人を徹底的に論破する」 - 人の気を引きたがる(←愛着障害の特徴)
幼少期「お母さん、見て見てー」⇒思春期「かまってちゃん」の言動。承認欲求が満たされず、親から認めたり褒めてもらえた経験の少ない子どもの特徴。 - 自己卑下や自己否定が多い
「私(俺)なんてどうせ、、、」が口癖。自虐の言葉が多い。褒め言葉を受け取らない(自己肯定感が低い人の特徴)など - 親以外の人への執着
「特定の友達に執着する」「彼氏や彼女の家に入り浸る(恋愛依存」「祖父母の家から帰ってこない」など。恋愛の場合は、束縛が強くなり、頻繁な連絡を求めたり、GPSなどで相手の行動を見張ってしまう場合も。
愛情不足が原因となる3つの問題行動
1)いじめ
・兄弟をイジメる
・ペットをイジメる(ペットは世話に手がかかるのに、無条件に愛されている存在な場合が多い、、、)
・充実して幸せそうに見える友達をイジメる
・SNS上の誹謗中傷
自分は愛されている実感がないために、幸せそうにしている人(ペット)が許せなくて嫉妬から攻撃(いじめ)をしてしまう。
2)依存症(スマホやゲーム・恋愛依存など)
依存症の別名は孤独病。
親からの愛情が貰えなくて、孤独な子は何かに依存しやすくなります。
例えば、今の時代、中高生が特にハマりがちなのがスマホです。
大切なわが子を何かに依存する子にしないためにも、親は味方であることを心で感じさせてあげましょう。
▼参考記事▼
⇒スマホ依存にさせない!高校生親の対応
3)非行
家族の中に自分の居場所がないと感じている子も愛情不足になりやすいため、所属の要求を満たすために、非行グループに属したりするようになります。
そこには、やはり似たような状況の子も多かったりするので居心地がよく、どっぷりハマる場合も、、、
俗に言う「こんな僕でも愛してくれますか?」現象とも考えられ、親としては「その子のありのまま」を受け入れることが試されます。
なぜ親は愛情を注げないのか(親の心理と生育環境)
子どもが愛情不足になってしまうのは、子どもの成長にあわせた愛情を注ぐことができない親側に原因があると考えています。
ですが、実は親自身も、子ども時代に自分の親から過干渉や過保護、虐待(教育虐待を含む)を受けていた場合も多く、愛情が不足している状態が世代間連鎖しているというわけです。
愛され方を知らないと、愛し方がわからないですもんね。
理想は子どもの安全基地になることですが、自分も自分の親から愛されている安心感や自信がないと、なかなかわが子のありのままを受容することができません。
ですので、結果として、親子の役割が逆転していたり、学歴コンプレックスをわが子にリベンジしてもらおうとしていたり(投影)、子どもに依存状態(自分で自分のご機嫌が取れず、子どもにご機嫌にしてもらおうとしている)場合があります。
自分が未熟な親(過干渉なちょっと毒母)だと気づいた時はほんとーーーーに辛かったです(涙)
でも、できそうな事から一つづつ改善していきました。
愛情不足の環境から脱却する方法
今この記事をお読みの皆さんの中には、「親となった今でもまだ、自分の親から認められていない」と感じている親御さんもいらっしゃると思います。
きっと愛情はあるはずなのに、○○ができたら、など条件付きの愛情で育てられてしまうと自分を肯定する力が弱いままの状態に居続けてしまうのです、、、(悲)
ここでは、この状態から脱却する方法を2つご紹介します。
- 心理的なアプローチ
例えば、子どもの頃「テストで95点をとった時!褒めて貰いたかったのに、どうしてミスしたの!」と責められたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
小さな頃、親からあまり褒められることがなかったという日本人は皆さんの想像以上に多いと感じています。
そんな方にお勧めの方法があります。
それは「あの時、本当はどうして貰いたかったのか?」を自問して、本当は親にしてほしかった対応や言葉を紙に書き出して自己理解を深める方法です。(書き出す⇒でも、今の自分が未熟なのと同じように、そのときの親も未熟だった。だからしょうがない。と言葉に出して親を許す)
また、自分やわが子を認めることが難しいと感じている方はコチラの記事を参考になさってください。 - 社会的支援を活用する方法
上記の心理的なアプローチは、自分一人でできる方法ですが、これが一人では難しいと感じる方は、とにかく誰か(否定しない相手)にじっくり話を聞いてもらうことをお勧めします。
カウンセリングを活用するなど、自分以外の人のサポートを受けると早い効果が見込めるはずです。
私の場合はコーチングでした!共感性の高いコーチにじっくり話をきいてもらうことが非常に効果的で、「本当はどうしてほしかったの?」という質問を投げかけてもらったことで、自分の本音に気づくことができました~
子どもを取り巻く社会環境の変化と親としてできること
コロナ禍では、自宅でのオンライン学習が可能になり、学校に行かなくてもいい事、勉強はどこでもできる事を実感した子ども達。
これに比例するように、年々子どもの数は減少しているにもかかわらず(前年に比べ30万人少ない1435万人・42年連続の減少で過去最少)、令和4年度の不登校児童数は過去最高の29万人となりました。
ここ2,3年で「学校に行かない」という選択肢が増えたように感じています。
この状況下において、すでに家庭学習が中心となる通信制高校を選ぶご家庭が急増していますが、私は日本の教育が変わる時が来ていると実感しています。
こういった社会環境の変化の中で、親ができることは以下の2つです。
- 多様性を受け入れること
対面授業からオンライン授業へ。
また、鉛筆とノート学習からタブレット学習へ。
こういった時代の変化を鑑みても、学ぶ場所も学校という場所一つに執着せず、多様性を柔軟に受け入れることが求められます。 - 非営利団体(NPO)やコミュニティの活用
フリースクールや通信制の中学や高校。サポート校や地域のコミュニティーなど。その子の個性や成長に合わせた選択を人目を気にすることなく受容していけますように。
親ができる!愛情不足の改善方法
私自身にも!そして「見守る子育て」を実践して下さった中高生ママたちにも!実際に効果があった!
今すでにお持ちの愛情がお子さんにジャブジャブ伝わる対応をご紹介します。
この時に注意していただきたいのが、親が与えたいものではなく、子どもが欲しがっているものを与えること。
子ども目線をインストールして、子どもが喜ぶ言葉や環境をただただ与えるだけ。
愛情不足を改善するには、日々の行動の積み重ね(信頼貯金)が超重要なのです。
ただ、自分の人生の課題(苦手)と向き合うことになる方も多いので、最初は難しく感じるかもしれませんが、子育てを通じて成熟した親(大人)になってまいりましょう!!
1)価値観の押し付けをやめる(良かれと思って子どもが嫌がることはしない)
「見守る子育て」では親の価値観を押し付けないことを大切にしています。
今、親子関係がうまくいかない人は、たいてい「勉強すべき、いい学校に入るべき、毎日頑張るべき」など親の価値観を押し付けていることが多いですから。
つまり、(躾と称して)子どもにとって「されたら嫌なこと」をやり続けている状態です。
なので、愛情不足の子どもに対しては、嫌なことをやめる!のが最も効果的な対応です。(めっちゃシンプル!)
私たち大人も、人からずーーーーっと嫌なことをされ続けている場合、それをやめて貰えることが一番嬉しいことですもんね。
具体的には
・勉強のこと、学校のことを口出しするのをやめる
・将来の心配や不安を口にしない
・指示命令やアドバイスをやめる
・生活習慣(躾)も厳しすぎる場合は話し合ってみる(年齢と共に本人の意思に任せていく)
など。
家では、学校や勉強の話題を減らして(できるだけゼロに)、しょうもない楽しい話が出来るといいですね。
2)子どもの話を聞く
子どもの話をちゃんと聞く、という簡単なことができていない親御さんは非常に多いです。
話の途中で間違いを正したい気持ちを抑えられずアドバイスしたり、話をとって自分の話をしてしまったりはよくある話です(←コーチングを学ぶ前の私!)
「うんうん。あなたはそう思うんだね」とその子の「今の気持ち」を否定しないように受け取るようにすると、子どもは「親から愛されている。自分は大切にされている」という実感がわくことでしょう。
子どもの話を聞くことは、一番簡単にできる愛情表現の方法です。
3)条件付きの子育てはやめ、存在承認する
・テストで平均点以上だったら。
・ルールを守れたら
・頑張ったら
「〇〇してあげる」という子育ては、全て条件付きの愛情になり、子どもに愛情が伝わりにくいです(涙)
条件をクリアしないと愛してあげないよ(認めてあげない)と言っているようなものですから。
「そのままのあなたに価値がある」「生まれてくれてありがとう」など、条件を一切付けずに、その子の存在そのものに感謝するのが存在承認です。
ありのままの自分を親から認めてもらえると、愛されている実感はわくでしょうし、自己肯定感もグングン育ちます。
▼存在承認について詳しく知りたい方はコチラ▼
⇒存在承認とは?子どもを承認する言葉を増やして、やる気を育てよう
4)一人の大人として尊重する
子どもの管理者(指導者)は親だからと「正しい方へ導こう」としつけ重視の子育てをしていると苦しくなります。
特に、思春期は自立心が芽生え、自分の自由な選択(失敗経験も含む)を親に温かく見守って欲しい時期ですから、境界線を意識してアドバイスや指示命令は減らしましょう。
子どもの良き理解者・味方となり、子どもの意見や気持ちを大切に扱うことは、自立前の子育てにおいて非常に大切なことです。
自分とは違う個性を持った一人の大人として尊重すると、愛情不足は解消されていきます。
子どもの安全基地になることを意識しましょう。
5)(子どもが望む場合のみ)スキンシップを増やす
産後すぐ仕事に復帰したお母さんの場合や、不安定な愛着スタイル(特に、人と距離をとりたくて子どもと心を通わせるのが苦手な遠い親)の場合は、スキンシップが足りていなかったことも考えられます。
実際に、中高生になってもハグを求めてきたり、夜中になると布団に入ってきたりする子のお悩み相談もありますから。
こんな風に子どもが望んでいる場合(サインが見られる場合)は、可能な限り、可能な形で応えてあげるといいですね。
実は、自分のタイミングで(←ここ重要)親に十分甘えることが出来た子が自立すると言われています(参考記事:「甘やかす」と「甘えさせる」の違いを徹底解説!子どもの自立心を育てたい親御さんに
6)難しい方は専門家に相談
一人では難しいと感じる方は、心の仕組みを学んでみたり、専門家(親子関係を専門にしているコーチやカウンセラーに相談するのもおすすめです。
「見守る子育て」では、「7日間で親子関係改善に効く♪7日間動画セミナー」がありますので、よかったらご登録されてください。登録無料です。
まとめ: 愛情を育む家庭環境の重要性
愛情不足のまま大人になると、どうなってしまうのでしょうか?
【愛情不足のまま大人になった人の特徴】
・自己肯定感や自尊心が低い
・依存体質
・自分のことも、人のことも信じることが苦手
・被害妄想が強い
・自慢話が多い
・独占欲が強い
・平気でうそをつく
・愛情表現が苦手
・キレやすい
・人の顔色ばかり気にして、自分らしく生きられない
・視野が狭く自己中
こんな大人になってほしくない!わが子には幸せな人生を生きてほしいですよね。
せっかくお持ちの愛情が伝わらないのはマジで切なすぎます!
「自分は確かに親から愛されている」とじわじわ感じる温かい家庭環境をつくることを心がけませんか?
▼小・中・高校生別の愛情不足のサインについてはコチラの記事を▼
⇒(小・中・高校生別)愛情不足の子どもの特徴とサイン
この記事を書いた人(監修者)
わかばやしゆかこ(中高生ママ専門コーチ)
コーチングオフィス ままはぐ代表
長野県松本市在住
ICA国際コーチ協会認定 ポテンシャルコーチ
【経歴】
・セッショントータル
4,500時間以上を実施
・24歳(社会人)
21歳(大4)
2人の息子を持つ母親
・京都大学にて
教授秘書歴7年
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