江戸時代から明治にかけて活躍した日本画家、河鍋暁斎の娘である、やはり日本画家の河鍋暁翠の展覧会が近くで開催されているので、昨日、行ってきました。
場所は愛知県一宮市にある一宮市三岸節子記念美術館です。
この美術館へは約1年ぶりに行きました。
暁斎の展覧会へは東京で行っているのですが、暁翠の絵を見るのは初めて、というか、暁翠の作品に特化した展覧会が開かれること自体が恐らく初めてでしょう。
暁斎自身が日本でよく知られるようになったのが最近のことで、暁翠は「暁斎の娘」として、「ついでに」取り上げられることが多かったようですが、昨年直木賞を受賞した、澤田瞳子氏の「星落ちて、なお」で一挙に知られるようになりました。
会場は2階にあります。1階は常設展で、作品が入れ替えられます。
この展覧会では暁斎や関係の画家の作品何点かを含め約70点が展示され、展示やキャプションも父娘の画風の比較や、彼女の履歴とともに、素人向けにしっかり表現されていました。
大部分は蕨市にある「河鍋暁斎記念美術館」からの借用ですが、東京藝大、女子美大、あるいは個人蔵のものが少数入っていました。
5歳から父(暁斎)に"鍛えられ"、狩野派を自認しつつ、琳派や土佐派、住吉派などからも学び、暁斎の画法を発展させて独自の世界を作っていった暁翆は、女子美術大学で最初の女性教授にもなり、後進の指導にも熱心に取り組んだそうです。
暁斎の下絵から書き上げた絵でも、微妙に、あるいは大胆に修正を加え、自分を出していることが多く、彼女自身の"自立性"を示しているようです。
私は暁翠の方が暁斎より色使いがはっきりしていて、私の嗜好に合っていると感じました。
この展覧会は12月4日までで、間もなく終了します。
昨日は平日でしたが、そこそこ混んでいて、恐らく、県外からの来館者も多かったのではないかと思われます。
暁斎もそうですが、暁翆の経歴については知られていないことが多く、これから研究が進むのではないかと思われます。もしかすると、「暁斎の娘暁翆」から「暁翆の父暁斎」なんて言われるようになるかも知れません。・・・か?
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