こんにちは、ショショウです。
最近は猫がちょいとお休み気味のニャ菓子なんですが、もう一度だけ猫はお休みにさせていただこうと。
何でも、周年記念辺りから年末年始辺りまでこのようなリクエストが多かったためです。
周年怪談が欲しかった……
クリスマス怪談は無いのか……
年末年始怪談が聞きたかった……
皆さまのリクエストに応えないわけには……という事で、この前の物件の話はあったもののガチ怪談を書きたいと思います。時間もまずまず取る事は可能ですので……
会話付きのやつですよね？皆さんが期待しているの。
確かに時間がかかるから最近やってなかったな……
よし！！！やろう！！！
あいにく猫たちも熟睡モードだしな……
今回のお話は、最終的には謎が多すぎて未だに真相が分からない。
そういうお話です。
動く花
これは友人たちと夜にドライブしていた時のお話です。だいたい土日に暇になると
自分(S)
T
R
の３人が集まる事がお決まりでした。この３人が集まるとだいたいは行き当たりばったりのドライブを始める事になります。所謂、どこに着くかはお楽しみというものです。
過去には訳のわからない海の近くに到着したり、最悪な時は二つ隣の県まで行く事もありました。最後に「お前どこ行ってんだよww」と全員で笑うのが楽しくてしょうがなかったですね。
しかし、３人はある日を境にこの遊びをやらなくなった。
正確には
やりたくない
となってしまったのだ。
20XX年 某県某所
さて、今日もやりますかー！！！！ww
毎回恒例の！！！ww
とRが意気揚々にドライブの誘いをしてくる。
またかよ！！！ww
と、この前訳のわからない海まで行ってしまったTが突っ込む。
今日は誰が運転かなー！？ww
とノリノリの管理人。
いつものようにジャンケンで決めるぞ！！！
最初はグー！！ジャンケン！！ホイ！！
運転するのは何故か負けた人間が行う。これは言ってしまえば罰ゲームなのだ。それもそのはず、負けた人間が自分の車を出すため、ガソリン代も自腹なのだ。
今日はSねーww
うーわ！！最悪だわ！！！
最悪と言いつつも毎回このドライブが楽しいので、罰ゲームと言えど友人と笑い合える至福の時間なのだ。
いつも通りナビは無しで高速も無しね？
了解！！！
二人を乗せて管理人は車を出した。そもそも管理人の車にナビは無い。
今日どうする？何となくだけど、また海に行きそうな道を通る？
そんなの分かるのかよ？ww
さぁww
まぁテキトーにwww
俺はまた県跨ぎになるのは嫌だぞww
そん時はそん時だww
車はとりあえずテキトーに進む。テキトーに進んでいるとだいたいトンネルが多い山道を通る事がお約束だった。
ここ見覚えある？
前回通ったような気もするけどどうなんだ？
たぶん通ったと思う。
じゃあ今日はここから右に行こう！！！
どこ行くんだよこれwww
お楽しみーwww
一応ちゃんとした道だから問題ないww
それでいつもおかしな所に行くだろうがww
大丈夫ww
大丈夫じゃねーよww
窓を開けると少し潮の香りがした。明らかに海の近くに来ているという事は分かる。
そして
海に来たぞ！！！オーシャンビュー！！！
やべー！！真っ暗じゃん！！波の音しか聞こえねー！！
ちょっと一回降りない？
おいおい！！マジで言ってる！？
じゃあ停めるよ？
道路はしっかりしていたが、街灯一つ無い真っ暗な道だった。もちろん人も車も全くいない。そのため、３人の声だけが周りに響き渡る。
今日はここがゴールかー？というかもういいだろ？ww
だなww
これ以上進んだら絶対訳分からなくなるぞww
そんじゃUターンして国道に出て飯でも食って帰るか
３人は車に乗り、Uターンをして引き返す事にした。その時、Tが何かを見つけた。ここから３人がこのドライブをやらなくなった恐怖の展開が始まる。
あ、あれ何？何か光ってる
どれ？
目の前のやつ？
Sちょっとハイビにしてみてよ
おう
ビニールに包まれた何かが置いてあった。それはパッと見だとゴミのようにも見えたが……
車を少し前に出す。
花だ……
・・・・・・・・・
誰かここで4んでるの……？
わからん……でも……そういう事だよな……
さらにTがこう言う。
ちょっと待って……最初ここ通った時にこれあった？俺見てないんだけど？
いや、見てない……Sは？
俺も見てない
え？絶対気付きそうなものだけどね
うーん……
Tの言っている事も分かる。ちゃんとした道路だけど対向車も後続車も一台も走っていなかったからかなりの低速で走っていたのだ。花があれば最初に気付くはず。
なんか気持ち悪いから帰ろう……
そうだな……
とりあえずここにいたくないという気持ちから車を出す。通りたくはなかったけど花を横目に通り過ぎる。
時間にしてほんの数十秒後、Tがおかしな事を言う。
彼は通り過ぎた後に後ろを向き、もう一度花を見たそうだ。
ちょっと言っていい？
ん？
あ……でも……やっぱいいや……
何だよ？
いや、何でもない！！
気になるだろ！！
どうしたT！！
Tは勘違いかもしれないと前置きしてこう言った。
さっきさー……花の前を通り過ぎた後にすぐに後ろ見てみたんだよ…
うん
やっぱり花なんか無くない？
思わずハザードを出して車を止めてしまった。
いやいや、あったでしょ？
マジで無かったんだよ
え？でも通り過ぎる時はあったよな？
それは間違いない。俺も見てる。
勘違いでしょ？
だと思うけど……
・・・・・・・・・・・・・・
え？車でぶつけた？
それは無いわ、横目で見てたから
だよな
もう一回戻ってみね？
お前マジで言ってるの？
なんか戻った方が良い気がする……供えてあるのをもし散らかしてたらまずいだろ？
そうだけどさー……マジ！？
・・・・・・・・・・・・
戻る？
そうするか……
３人はもちろん戻りたくはなかった。しかし、Tが戻った方が良いという考えを曲げなかったため、戻る事に。
車は花のあった場所へ。
そして
あった。
あーあるなー……
だから勘違いだって……
わりー……
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
Tの勘違いで終わったのならどんなに良かっただろうか。だが、３人はその場の異変を少しずつ感じ始めていた。
なぁS……花があった位置ってこんな手前だったか……？
あー……俺も違和感はある……
もっと奥だった気がしないか……？
しかもこの花……さっきのと全然違うぞ……
ていうか……包みのビニールすら違うぞ……
二つあったって事……？
どういう事だ……？
いや……だとしたら絶対この2つ目こそ最初の行きに無かったでしょ……
ここで少し流れをまとめる
最初に来た時は花の存在を誰も気付かなかった。
帰りに全員存在に気付く。
通り過ぎた後に後ろを見るとTはその花が無いと言う。
再び戻ると花はあった。
だが、その花は最初に見た花とは見た目も場所も違う。行きでも見なかった二つ目の花が突然姿を現した ←今ここ
ちょっと待って？じゃあ最初に見た花は？
まずはそれだよな、探してみる？
確かもうちょい奥だわ
懐中電灯を手に持ち、最初に見た花を確認しに行く。車は二番目の花の向かいのすぐ近くに停めておく。
しばらくして
あ！！！あった！！！
これは最初ので間違いないな！！！！
という事は……
二つあったって事になるな。
えー…でも……なんかおかしくねーか？もう気持ち悪いから帰ろうぜ……
まぁ……とりあえず解決？はしたか……
３人はホッとしながら車に戻る。
しかし、さらに恐怖が３人を襲う。
おい……ちょっと待てよ……おかしいおかしい！！！
なんで！？
これはヤバいは！！！
なんと、もう一度戻って来た時に見つけた二つ目の花が明らかに車の位置から見て数メーター移動している。間違いなくその花の向かいに車は停めていた。これは一体どういう事なのだろうか？
・・・・・・・・・・・・
花が自分で動いている。
そうとしか言いようが無かった。
３人は慌てて車に乗り込み、急いでその場を後にした。
どういう道を帰ったかは思い出せないが、気が付けば見覚えのある場所に出た。３人はファミレスへ。
・・・・・・・・・・・・
どう思う？
あれもしかして動いてんの？
誰かが移動したという線は？
深夜だぜ？しかも街灯一つ無いし……
それは無いか……
たぶんTが最初の花が振り向いたら無かったというのも勘違いじゃないのかもな……
あれ場所どこだったん？
ナビ無いから分からないわ。
そうなのだ。管理人の車はナビが無かったため、後日明るい時にもう一度調べるという事も出来ない。
この話は３人の間で後に「動く花」と名づけられ、今でも話題に挙がる事がある。
３人はどこに行ってたというのだろうか。
数日後
３人は同時に高熱で寝込んだ。
管理人の車のフロントガラスの真ん中には何もぶつかっていないのに小さなヒビが入り、ボンネットとトランクの中からは数枚の花びらが出てきた。
車屋いわく、ヒビというか引っ掻き傷みたいだねとの事だった。飛び石や故意による破損では無いだろうと。
では、一体何だと言うのだろうか？
完
うん……この話は謎が多過ぎるんですよ……
解決したくてもどうにもならない感じです。
行き当たりばったりのドライブにはお気を付けください。
では、今日はおしまいです。
次回もよろしくお願いします。