去る3月8日土曜日、休館発表で美術ファンを驚愕させた千葉県佐倉市の美術館【DIC川村記念美術館】へ訪問してきました。

【DIC川村記念美術館】を運営する【DIC株式会社】とは、印刷インキや有機顔料等を製造販売するメーカー。デザイナーや印刷業の方なら「DICの色番号」でお馴染みではないでしょうか。私も「ディーアイシー…ディーアイシー?…(調べている)…ディックか!!」と驚きました。
まぁいろいろあるんでしょうけど、パチンコ屋さんやガソリン屋さんが美術館を保持してくれている昨今…デザイン業界の一端を担う有名企業が美術館をお金のプラマイに組み込むなんて…悲しい世の中だなと思うのであります。
おっとネガティブが漏れてしまった。早速当日の高速バス事情からレポしていきます(※3/8時点)
高速バスが増台!1時間ちょっとの道のり
東京から千葉県佐倉市のDIC川村記念美術館に行く場合、おすすめは東京駅発の高速バスに乗るか、JR佐倉駅・京成佐倉駅から発車している無料送迎バスに乗ることです。
個人的には、まず高速バスを狙ってみて、乗れなかったら無料送迎バスを選択するのが良いと思います。前者は1日1往復、後者は複数あるからです。


東京駅からの高速バスの発車時間は9:55。しかし30分前には待機列が折り返して2列に達し、発車時刻にはさらに待機列が増えていました。
これは乗れない人も出るのでは…と思いましたが、現れた高速バスは視認できるだけで3台あり、乗客増に対応しているようです。
ただ、1列目の最後尾付近の私たちが2台目に乗るという「1台1列弱」の収容数でしたので、早めの時間に並ぶに越したことはないでしょう。料金は片道1,450円です。
乗ってしまえば楽な高速バス。渋滞もなく、DIC川村記念美術館までは1時間ちょっとでした。
広大な庭園と幅広い所蔵品 「ひと通り見られる」満足感
さて、バスの停留所から庭園入口に入り、降りていくと広がるのがこの景色。

池の向こうには自然散策路や広場などがあり、広大な敷地となっています。
館内は撮影禁止なので画像がないのですが、バリエーション豊かな所蔵品を鑑賞できるのが特徴です。
今回はコレクション展となっており、ひとりの作家やひとつの技法に絞って見るというより、印象派からシュルレアリスム、抽象絵画・彫刻までをひと通り見られる展示でした。コラージュまであったのは驚いた。
絵画はピカソやモネやルノワール、シャガール、レンブラント等が少数ずつ展示してあり、「美術ってものをひと通り見たいな」という人にはぴったりです。

また表装の話しますけど、気合が入っている展示ほど額装がいいのよ・・・とくにモネとレンブラントの額は必見です。
特に印象に残った絵は、藤田嗣治「アンナ・ド・ノアイユの肖像」
乳白色の背景に立つ黄色いドレスの女性。非現実的な背景の中に、非常に現実的な目をしてこちらを見ています。夢の中で会って、それを忘れていたときにまた現れたような、目が惹きつけられる佇まい。
モデルの女性はとても苛烈な方だったようですが、ここに存在するのは絵だけですから、どう受け取っても良いのです。

DIC川村記念美術館必見の展示といえば、マーク・ロスコの「シーグラム壁画」7点が並ぶ「ロスコルーム」
パンフレットによると、この変形7角形の部屋のみ照明にハロゲン灯を使用しているそうで、ざらりとした質感の明かりが照らす巨大壁画に囲まれると、えもいわれぬ荘厳さを感じられます。
ロスコルームへは列に並んで数人ずつ入るようになっており、混雑で興がそがれないのが嬉しいです。
また、このロスコルームの出口廊下突き当りの窓も、さりげなく絵画のように切り取られていて美しいものでした。
鑑賞後はぜひ庭園の散策を ランチは持参がおすすめ
DIC川村記念美術館の魅力の半分以上を担っている?広大な庭園。プチハイキング気分になれる自然散策路や芝生の広場、桜やハクモクレンの咲くエリアがあります。

敷地内には「レストラン ベルヴェデーレ」や茶席もありますが、予約制のため、気軽にお昼を食べたいならお弁当持参がおすすめです。
日程によってはキッチンカーが出店しているので、広場でピクニックもいいですね。
私たちは庭園入口ギャラリー付近に出店していた「おおみやパンカフェ」さんのパンを頂きました。

この庭園が、この庭園がなくなってしまうかもしれないなんて…いや、もうなにも言うまい。

千葉県佐倉市は田園風景が日本画みたいで美しいところでした。
3月8日時点の情報で大変申し訳なく、最新の入館情報を貼っておきます。

アクセス
公式サイト
