大阪フィルハーモニー交響楽団 第554回定期 大植英次 ガーシュウィン ポーギーとベス ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

大阪フィルハーモニー交響楽団

第554回定期演奏会

 

【日時】

2022年1月20日(木) 開演 19:00

 

【会場】

フェスティバルホール (大阪)

 

【演奏】

指揮:大植英次

ピアノ:中野翔太 *

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

(コンサートマスター:須山暢大)

 

【プログラム】

ガーシュウィン:キューバ序曲

ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー *

ガーシュウィン:ガール・クレイジー序曲

グローフェ:ミシシッピ組曲

ガーシュウィン/ベネット:交響的絵画「ポーギーとベス」

 

※アンコール(ソリスト) *

ガーシュウィン/中野翔太:A Foggy Day

 

 

 

 

 

大フィルの定期演奏会を聴きに行った。

指揮は、コロナ禍のため来日できないウェイン・マーシャルの代役として、大植英次が担当した。

ソリストは、ピアニストの中野翔太。

 

 

1920~40年代のアメリカ音楽プログラムである。

ガーシュウィンのキューバ序曲やガール・クレイジー序曲、グローフェのミシシッピ組曲、いずれも私は普段あまり聴かない曲だが、古き佳きアメリカののどかで楽しげな様子が思い起こされた。

 

 

 

 

 

また、ガーシュウィンでおそらく最も有名な曲、ラプソディ・イン・ブルー。

この曲で私の好きな録音は

 

●ガーシュウィン(Pf) ポール・ホワイトマン指揮 ヒズ・コンサート・オーケストラ 1924年6月10日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●ワイルド(Pf) グッドマン(Cl) トスカニーニ指揮 NBC響 1942年11月1日ニューヨークライヴ盤(NMLApple MusicCDYouTube

●ドノホー(Pf) ラトル指揮 ロンドン・シンフォニエッタ 1986、87年セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●フレディ・ケンプ(Pf) リットン指揮 ベルゲン・フィル 2011年8月セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

●グロヴナー(Pf) ジャッド指揮 ロイヤル・リヴァプール・フィル 2012年4月16-19日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube

 

あたりである。

 

 

今回の中野翔太の演奏は、これらの名盤のようなヴィルトゥオーゾ的な華やかさはなかったものの、スウィングのリズムなどなかなか堂に入っていた。

フォルテは音が硬めだったが、それすらジャズらしい気がしてくるのが面白い。

アンコール曲も、洒落たジャジーな雰囲気がよく出ていた。

 

 

 

 

 

最後の曲は、ガーシュウィン/ベネットの交響的絵画「ポーギーとベス」。

この曲で私の好きな録音は

 

●ライナー指揮 ピッツバーグ響 1945年3月26,27日セッション盤(Apple MusicCDYouTube

●シャン・ジャン指揮 中国フィル 2015年3-4月頃北京ライヴ盤(Apple Music

 

あたりである。

この組曲の委嘱者ライナーによるパワフルな名演に、中国出身の女性指揮者シャン・ジャンによる解像度の高い名演。

 

 

今回の大植英次&大フィルの演奏は、これらの名盤に並ぶとは言わないまでも、それほど遜色ないものだったように思う。

さすがはアメリカ仕込みというべきか(大植英次はバーンスタインの助手を務めた)、ガーシュウィンにふさわしい軽妙なノリが楽しい。

それに、上の二種の名盤にはカットがある(それぞれ別の箇所だが)のに対し、今回はきちんと全曲演奏されていた。

これまで、大植英次&大フィルの取り合わせでベートーヴェンやブルックナー、ホルスト、オルフ、バーンスタインなど聴いてきたが、今回のガーシュウィンが一番良かった気がする。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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