大阪フィルハーモニー交響楽団
第554回定期演奏会
【日時】
2022年1月20日(木) 開演 19:00
【会場】
フェスティバルホール (大阪)
【演奏】
指揮:大植英次
ピアノ:中野翔太 *
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
(コンサートマスター:須山暢大)
【プログラム】
ガーシュウィン:キューバ序曲
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー *
ガーシュウィン:ガール・クレイジー序曲
グローフェ:ミシシッピ組曲
ガーシュウィン/ベネット:交響的絵画「ポーギーとベス」
※アンコール(ソリスト) *
ガーシュウィン/中野翔太:A Foggy Day
大フィルの定期演奏会を聴きに行った。
指揮は、コロナ禍のため来日できないウェイン・マーシャルの代役として、大植英次が担当した。
ソリストは、ピアニストの中野翔太。
1920~40年代のアメリカ音楽プログラムである。
ガーシュウィンのキューバ序曲やガール・クレイジー序曲、グローフェのミシシッピ組曲、いずれも私は普段あまり聴かない曲だが、古き佳きアメリカののどかで楽しげな様子が思い起こされた。
また、ガーシュウィンでおそらく最も有名な曲、ラプソディ・イン・ブルー。
この曲で私の好きな録音は
●ガーシュウィン(Pf) ポール・ホワイトマン指揮 ヒズ・コンサート・オーケストラ 1924年6月10日セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube)
●ワイルド(Pf) グッドマン(Cl) トスカニーニ指揮 NBC響 1942年11月1日ニューヨークライヴ盤(NML/Apple Music/CD/YouTube)
●ドノホー(Pf) ラトル指揮 ロンドン・シンフォニエッタ 1986、87年セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube)
●フレディ・ケンプ(Pf) リットン指揮 ベルゲン・フィル 2011年8月セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube)
●グロヴナー(Pf) ジャッド指揮 ロイヤル・リヴァプール・フィル 2012年4月16-19日セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube)
あたりである。
今回の中野翔太の演奏は、これらの名盤のようなヴィルトゥオーゾ的な華やかさはなかったものの、スウィングのリズムなどなかなか堂に入っていた。
フォルテは音が硬めだったが、それすらジャズらしい気がしてくるのが面白い。
アンコール曲も、洒落たジャジーな雰囲気がよく出ていた。
最後の曲は、ガーシュウィン/ベネットの交響的絵画「ポーギーとベス」。
この曲で私の好きな録音は
●ライナー指揮 ピッツバーグ響 1945年3月26,27日セッション盤(Apple Music/CD/YouTube)
●シャン・ジャン指揮 中国フィル 2015年3-4月頃北京ライヴ盤(Apple Music)
あたりである。
この組曲の委嘱者ライナーによるパワフルな名演に、中国出身の女性指揮者シャン・ジャンによる解像度の高い名演。
今回の大植英次&大フィルの演奏は、これらの名盤に並ぶとは言わないまでも、それほど遜色ないものだったように思う。
さすがはアメリカ仕込みというべきか(大植英次はバーンスタインの助手を務めた)、ガーシュウィンにふさわしい軽妙なノリが楽しい。
それに、上の二種の名盤にはカットがある(それぞれ別の箇所だが)のに対し、今回はきちんと全曲演奏されていた。
これまで、大植英次&大フィルの取り合わせでベートーヴェンやブルックナー、ホルスト、オルフ、バーンスタインなど聴いてきたが、今回のガーシュウィンが一番良かった気がする。
(画像はこちらのページよりお借りしました)
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