近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2022 01-6
【日時】
2022年5月1日(日) 開演 17:00
【会場】
びわ湖ホール 大ホール (滋賀県)
【演奏】
指揮:沼尻竜典
チェロ:上村文乃 a
ソプラノ:伊藤晴 b、冨平安希子 c
バリトン:晴雅彦 d
テノール:宮里直樹 e
合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
(コンサートマスター:須山暢大)
【プログラム】
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 a
プッチーニ:「蝶々夫人」より“ある晴れた日に” b
モーツァルト:「フィガロの結婚」より“訴訟に勝っただと?” d
沼尻竜典:「竹取物語」より“帝に捧げるアリア” c
プッチーニ:「トゥーランドット」より“誰も寝てはならぬ” e
レスピーギ:交響詩「ローマの松」
びわ湖ホールで開催された、近江の春音楽祭を聴きに行った。
二公演聴いたうちの二つ目(なお一つ目はこちら)。
近江の春音楽祭の最後の最後、グランドフィナーレ・ガラコンサートである。
オーケストラは大フィル、指揮はコロナ禍で来日できない大植英次に代わって、沼尻竜典が担当した。
曲目も、チャイコフスキーの「1812年」から、レスピーギの「ローマの松」に変更。
好きな指揮者による好きな曲目という、私にはラッキーな変更だった。
沼尻竜典と冨平安希子を中心にトークを交えつつ、チェロや声楽が次々と曲を披露していく。
こういうガラコンサートも、特別感があって良いものである。
その中では宮里直樹の声量がしっかりしていて比較的印象深かったが、何といっても目玉は最後の「ローマの松」。
レスピーギの「ローマの松」で私の好きな録音は
●トスカニーニ指揮 NBC響 1953年3月17日放送ライヴ盤(Apple Music/CD)
●デ・ワールト指揮 サンフランシスコ響 1981年10月セッション盤(NML/Apple Music/CD/YouTube1/2/3/4)
あたりである。
そして、今回の沼尻竜典&大フィルの演奏は、上記のデ・ワールト盤に近い、最高の名演だった。
あらゆる楽器がクリアに扱われ、あまりに色彩豊か、いわば色彩の洪水で、ローマの情景が眼前に現れるかのよう。
終曲「アッピア街道の松」では、いかに大音響になろうとも決してやかましくなることなく、すっきり整理されてあくまで美しい。
大フィルの「ローマの松」というと、4年前にバッティストーニの指揮で聴いたが(その記事はこちら)、そちらも若々しくて悪くなかったものの、今回格の違いを見せつけられた。
沼尻竜典がびわ湖ホールの音楽監督を務める最後の「近江の春音楽祭」、その舞台にふさわしい締めくくりのコンサートだったと思う。
それとともに、この日は大フィルのクラリネット奏者である金井信之の定年退団前最後の舞台であり、大きくフィーチャーされていた。
なかなかに感動的で、近江の春音楽祭だけでなく別のコンサートでもこういった退団員の祝福をやってほしいと思った。
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