藤田真央 樫本大進 赤坂智子 シュテッケル 兵庫公演 ブラームス ピアノ四重奏曲第1番 ほか | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

奇跡の四重奏

樫本大進&赤坂智子&ユリアン・シュテッケル&藤田真央

 

【日時】

2022年11月27日(日) 開演 15:00 (開場 14:15)

 

【会場】

兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

 

【演奏】

ピアノ:藤田真央

ヴァイオリン:樫本大進

ヴィオラ:赤坂智子 *

チェロ:ユリアン・シュテッケル

 

【プログラム】

モーツァルト:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 K.478 *

メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 op.49

ブラームス:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 op.25 *

 

 

 

 

 

好きなピアニスト、藤田真央が出演する室内楽コンサートを聴きに行った。

彼の実演を聴くのはこれで10回目。

 

→ 1回目 2019年愛知公演

→ 2回目 2020年大阪公演

→ 3回目 2021年京都公演

→ 4回目 2021年関西フィル公演

→ 5回目 2021年モーツァルト第1回

→ 6回目 2021年モーツァルト第2回

→ 7回目 2022年大阪公演

→ 8回目 2022年モーツァルト第3回

→ 9回目 2022年モーツァルト第4回

 

今回は、ベルリン・フィルのコンサートマスター樫本大進らと共演した、ピアノ四重奏曲・三重奏曲の夕べである。

 

 

 

 

 

最初の曲は、モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番。

この曲で私の好きな録音は

 

●セル(Pf) ブダペスト四重奏団員 1946年8月18日セッション盤(Apple MusicCD

●クリーン(Pf) アマデウス四重奏団員 1981年セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube123

●アレクセイ・メルニコフ(Pf) 豊嶋泰嗣(Vn) 磯村和英(Va) 上村昇(Vc) 2015年12月1日浜コンライヴ盤(CD)

●三浦謙司(Pf) 漆原啓子(Vn) 鈴木康浩(Va) 向山佳絵子(Vc) 2015年12月1日浜コンライヴ盤(CD)

●牛田智大(Pf) 川久保賜紀(Vn) 松実健太(Va) 長谷川陽子(Vc) 2018年11月19日浜コンライヴ盤(CD)

●アンスネス(Pf) トラスコット(Vn) ハンター(Va) F-M.グートマン(Vc) 2020年2月21-25日セッション盤(Apple MusicCD

 

あたりである。

この曲はピアノが大事で、ころころと軽やかかつ流麗にながれる演奏が好み。

今回の藤田真央のピアノも、これらの名盤にも増して軽やかで繊細なタッチによる、最高級の演奏だった。

これが聴けただけでも、今回行った甲斐があったというものである。

弦については、樫本大進のヴァイオリンと赤坂智子のヴィオラはなかなかよくこなしており、シュテッケルのチェロはそれよりやや音がかさつく印象だが、全体に十分満足できる出来だった。

 

 

 

 

 

次の曲は、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番。

この曲で私の好きな録音は

 

●ギラード(Pf) J.フィッシャー(Vn) ミュラー=ショット(Vc) 2006年2月14-16日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

 

あたりである。

とにかくユリア・フィッシャーのヴァイオリンがあまりにもうまい、そして爽やかな中にもほのかにドイツの味が感じられる、これぞメンデルスゾーンというべき最高の名盤。

これに比べると、今回の樫本大進のヴァイオリンがやや大味なのはどうしても否めない。

また、藤田真央のピアノは上の盤のギラードより表情付けが相当細やかだが、あくまで柔らかく、この曲らしい情熱はあまり出てこない(その点では樫本大進は情熱的でこの曲らしい)。

それでも、第3楽章など藤田真央の軽やかなピアノが曲想にぴったり、また樫本大進もかなりうまく弾けていて大変良かった。

 

 

 

 

 

最初の曲は、ブラームスのピアノ四重奏曲第1番。

この曲で私の好きな録音は

 

●E.フィッシャー(Pf) ブレロ(Vn) ネル(Va) シュルガーズ(Vc) 1939年9月9日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

●R.ゼルキン(Pf) A.ブッシュ(Vn) ゴッテスマン(Va) H.ブッシュ(Vc) 1949年5月25日セッション盤(Apple MusicCDYouTube

●バビン(Pf) ゴールドベルク(Vn) プリムローズ(Va) グラウダン(Vc) 1958年1月10,13日セッション盤(Apple MusicCD

●D.ハン(Pf) I.ファウスト(Vn) ジュランナ(Va) ムニエ(Vc) 1996年8月21-24日セッション盤(NMLApple MusicCD

●フィールハーバー(Pf) ボーネン(Vn) ブントロック(Va) シュテムラー(Vc) 2020年1月7-9日セッション盤(NMLApple MusicCDYouTube1234

 

あたりである。

最初のモーツァルトのピアノ四重奏曲と違って、こちらのブラームスではピアノもさることながら特にヴァイオリンがうまいと引き締まる気がする。

その意味で、今回の樫本大進は上記の各名盤のヴァイオリンほどではなかったが、それでもブラームスらしい分厚い音色で全体をしっかり引っ張っていたように思う。

藤田真央は、ブラームスらしい重みはないが、相変わらずうまかった。

終演後、アンコールもトークもなかったが大ホールで満席だけあって拍手は盛大、スタンディングオベーションもちらほら見られ会場は熱気に包まれていた。

 

 

 

(画像はこちらのページよりお借りしました)

 

 


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