ここまで長いシリーズにお付き合いいただき、ありがとうございます。


最後は日本のこと。

「西洋の自死」のマレー氏は、

同じような先進国で経済水準が高い日本のような国は移民の流入を食い止めているではないか、

と述べているのですが、

実は日本は既に移民大国となっており、

2018年の時点で既に外国人の人口は250万人と、

人口の約2%が外国人という計算になります。


年間の流入数ベースでは2018年には47万人と世界第4位の水準。

このグラフを見るとドイツが際立ちますね。

ドイツ、アメリカ、イギリス、の後が日本です。


人口に占める移民のパーセンテージでは以下の通りのようです。

1. ドイツ 12.8%

2. イギリス 9.0%

3. イタリア 8.5%

4. フランス 6.9%

5. アメリカ 6.9%

6. カナダ 6.5%

7. 日本 2.0%

やはり欧州が突出しています。アメリカは流入数は多いですが、そもそもの人口が多いので意外にも5位ですね。

数字はこちらのサイトからお借りしました。

日本は本当に移民大国なのか? | 日本の経済統計と転換点 中小企業の付加価値経営 株式会社小川製作所 東京都葛飾区実は日本は移民大国であるという報道が多いようですが、本当にそうでしょうか?確かに移民の流入数では、世界第4位の水準のようですが、日本の場合は技能実習生の割合が高く、多くは一定期間滞在した後に帰国するようです。移民の累積数(ストック)では主要国の中では低い水準であることがわかります。リンクbangking-yeah.com日本に戻ってみると、本当に外国人が増えたことは生活実感としてあります

日本は留学生や技能実習生など、一時的に滞在し、期限がくれば帰国する外国人が多い印象ですが、実は永住権をもった外国人は73万人もおり、家族の呼び寄せなどもでき、日本人と違う点は参政権くらいだそうです。
永住権は10年在留し、職があり、犯罪歴がなければいいようで、意外と簡単なのだとか。
こちらの記事を参照しました。



川口マーン惠美さんは
今後介護など人手がかかる職が増大するのは自明であり、移民を受け入れない選択肢はない、
それを踏まえて、日本は欧州の轍を踏まないよう、
郷に入っては郷に従え
を徹底すべし、
とおっしゃっています。

確かにしょうがないのかな、とも思いますし、
日本で10年真面目に働いてくれた人には永住権もやむなしなのかな、とも思います。
コンビニでがんばっている留学生とおぼしき方には、異国で感心感心、と思います。

高度人材と呼ばれる人達の永住には誰も異論はないと思うのですが、やはり問題は単純労働者。

私はなんか嫌です。
外国人が嫌い、とかではなく、
外国人単純労働者が増えると、

ああいう仕事は外国人の仕事

みたいな意識が高まってくると思います。
既にそうなりつつある業種もありますが、
そうなると益々日本人はその仕事をしなくなる。

日本人は学校でみんな掃除をする、
トイレ掃除もする、
どんな仕事だって、それを一生懸命にやり、家計を支えたり、自分の未来の糧にするなら尊い、
そんな意識も壊れていきそうな気がするのです。
もう壊れている、といわれそうですが、汚い仕事は外国人にさせ、自分達とは違う種族として扱う、そんな日本になってほしくない。

今、コロナで苦しんでいる住民税非課税世帯に5万円を給付、とニュースでありますが、
実は住民税非課税世帯、3000万人もいるそうです。
日本の人口の4分の一ですよね。
いつのまに日本人はこんなに貧乏に??
かなり高齢者も含まれている数字だとは思いますが、恐らくこれらの層が外国人労働者と仕事を取り合う層。
ここに外国人労働者を招き入れて更に給与に下方圧力をかけるんですか?
移民など入れずに、給与を上げましょうよ。
この層が真面目にコツコツ働けば、住民税を払えるくらいの給与をもらえるようにしましょうよ。
物価は上がるでしょうが、いいですよ。
もっと野菜が高くても、もっと牛丼やコンビニ弁当が高くても、マンション価格上がっても。
だって日本はずっとデフレで困ってるんでしょ。
そうしたらもっと経済は回る、外国人労働者は国外に仕送りしてしまって、国内でお金が回らないよ?
大体外国人労働者は安い、というのが間違っていると思います。
企業には安くても、
外国人を受け入れる自治体には事務や教育、治安、外国人の側に住む人ではマナーの違いなど、
有形無形な様々なコストがかかります。
そういった社会的コストを無視して、企業に単なる安い労働者として提供するなんて、国民を犠牲にして企業に甘い汁を吸わせるのと同等です。
外国人を雇う企業には外国人雇用税みたいなものを作って、社会的コストを支払わせるべきです。
たしか、シンガポールなんかはそんな制度だったと思いますし、アメリカもアメリカ人以外を雇うにはいろんなコストがかかります。(少なくともホワイトカラーは。詳しい方教えてください。)

そして、技能実習生のような現代の奴隷制度とも言えそうな制度は国家の恥なので廃止。
外国人単純労働者を雇いたい企業は外国人雇用税を払った上でそれでも雇いたいなら正々堂々と雇用すべきと考えます。

この経済音痴め!との批判は受け入れますので遠慮なく述べてください。

いずれにせよ、ある程度の数の外国人が日本で暮らすこととなるのは避け難いのはわかります。
川口マーンさんの言うように、
郷に入っては郷に従え
を進めるために、日本人自身がもう少し自分達のアイデンティティについて考える必要があると思います。

マレー氏が欧州について提起したように、

日本に住めば日本人となれるのか?

との疑問は、欧州よりもはっきりした形でノーだと思います。

幸か不幸か、日本語は日本人にとっても使いこなすのが難しい複雑な言語ですし、
やはり日本人は見た目も日本人でないと、
「日本人」と認識しないのではないかと。
外国人が心地よく「日本人」として暮らせるのは数世代を経ないと無理なのかもしれません。
逆に、外国人にはそれを理解した上で来て欲しいとも思います。

今までほぼ単一民族で暮らしてきた日本は
日本人の特性やアイデンティティをあまり意識してこなかったと思います。
日本は宗教観や儒教的価値観など、一部をとってもかなり独特ですが、この不文律のようなものをまず日本人が意識し、そして日本に住む外国人と共有していく努力が必要かと思います。

アメリカの学校でなるほど、
と思ったのは
学校で毎朝旗に宣誓すること。


私はアメリカ合衆国国旗と、それが象徴する、万民のための自由と正義を備えた、神の下の分割すべからざる一国家である共和国に、忠誠を誓います

これを毎朝、幼稚園から暗唱するわけですね。
自由と正義、
これが国家の根幹なのだと。

日本もこういうのを始めたらどうかと思います。
学校で唱和。
教育勅語はもう時代が違うにしても、
日本の根幹となす理念、
和をもって貴しとなす、
でも
福沢諭吉のひびのおしえ、でも
憲法前文でも、
元は中国だけど、論語なんかでもいいのかもしれません。

日本社会が移民によって、その内部からも世界の荒波にさらされていくとき、
必要なのは
グローバルだー多様化だー英語だー、寛容だー差別だー、
などと叫ぶことではなく、
この世界において、

日本人として守り抜いていくべき価値観、

をあらためて整理し、
日本人も、永住したい外国人も
その価値観の下に発展していこう、という
態度をもつことだと思います。


次回からは、
そんな時代を生き抜くための
グローバル人材とはなんぞ、
今必要な学力、、
そんなことについて考えていきたいと思います。


今回も長くなりました。
お付き合いありがとうございました。


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