長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

さらば、寅歳。

2023年01月21日 23時55分20秒 | 稽古の横道
 武蔵野邦楽合奏団主催の「浮世絵とたのしむ和の音色・舞踊」公演は、大盛況のうちにお開きとなりました。
 ご来場くださった皆さま、舞台を支えて下さった皆さま、お気にかけて下さった皆さま、総ての方々、廻りあわせの森羅万象に感謝しつつ、まだ残る諸事を顧みつつ…一先ず御礼申し上げます。

 嬉しい余韻をいだきつつ、週明けに三味線体験授業へ赴きますれば、またうれしいめぐり合わせが。
 コロナ禍の影響もありましょうか、知らない人が居ると教室へ入ってこられない生徒さんが、廊下で私どもの授業の様子をうかがっているうちに、いつの間にか教室へ入ってきて、一緒に三味線を弾いていたり、
 聴覚過敏で、日頃はヘッドフォンをつけている生徒さんが、何も着けずに三味線にチャレンジして、我らが家元・杵屋徳衛の、長唄の唄い方、演奏の仕方で奏でた「さくらさくら」に目を輝かせて、すごい! と絶賛下さったり、

 悲しく暗いニュースに覆われた西暦2023年頭の日本国を思うたび胸が痛みますけれども、…ぁぁ、人生はそう悪いことばかりでもなかったなぁ、と、初春らしい清やかな風の匂いに、新たな年の到来を感じます。

 寅年に生まれた徳川家康が遺した「御遺状百箇条/ごゆいじょうひゃっかじょう」に、

  謡歌音曲は羽林の所業にあらざれども
  時として鬱情をのべ 太平を賀するの和楽なり
  年月序節に及んで また 廃すべからざる事

 という一文があるそうな。

 文化・芸術が人間に与えたもう効能を、ゆめゆめお忘れめさるな、かたがたよ。

 さて、今日は旧暦の令和四年十二月卅日。
 本当の本当に、大晦日です。

 次の寅年に、また廻り逢えるか分かりませんが、(12年は短いようで長いようで…)今度会ったらまたよろしくね。
 おやすみなさいませ。

 明ければ〝癸卯/みずのとう″の歳です。




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