拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

電子マネーアプリ

あなたへ

 

おサイフケータイ

 

初めてこんな言葉を耳にしたのは、いつのことだったでしょうか。

 

ガラケーと呼ばれる機種が一般的であったあの頃、

携帯電話を使って支払いが出来るだなんてと、

あなたとこんな話をしながら、驚いた日がありましたね。

 

その新しい機能に驚きながらも、

私たちにとってのそれは、まだまだ縁遠く、

なんだか、他人事のようにも感じていましたね。

 

電子マネーアプリが、

私にとって身近なものへと変わって行ったのは、

あの子が高校生になってからのことでした。

 

丁度あの頃から、あの子が電子マネーアプリを利用するようになり、

それに関する機能についての話を聞きながら、

それまで縁遠く感じていたものが、すぐ側へと感じられるようになっていったのです。

 

お金を使った気がしないから、なんとなく嫌だな。

 

電子マネーの類に関して、こんな感想を持っていた私にとって、

それにはあまり良い印象を持てずにいましたが、

あの子に教わりながら、初めてその機能を体験をしたのは、昨年のことでした。

 

初めて体験してみたことで知ったその便利さから、

やがて私は、電子マネーアプリでの決済を少しずつ取り入れるようになり、

今では、当たり前のように利用するようになりました。

 

いつも通り、電子マネーアプリを利用したのは、先日のこと。

 

気が付いてみれば、

私も時代の流れと共に、進化をすることが出来たのだなと、

こんなことを考えながら、

この景色もまた、あなたが知らない景色なのだということに、

ふと気が付いたのでした。

 

家族3人揃ってiPhoneへと機種変更をしてから、

あまり時間が経たないままに、この世界を去ったあなたにとって、

今の私が見ているこの景色は、きっと驚くような景色であるのでしょう。

 

あの頃の私たちにとって、縁遠く感じていたものが、

とても身近なものへと変わったことを知った今のあなたは、

どんな顔で、この手紙を読んでいるのでしょうか。

 

振り返ってみれば、此処に見える景色も様々に変化し、

あの頃の私たちにとっての当たり前だったものは、

当たり前とは呼べなくなったものもあります。

 

新しいものが増えて、あの頃は普通であったものが衰退し、

周りを見回してみれば、様々に進化が重ねられてきました。

 

これから、この世界はどんなふうに変わって行くのでしょうか。

 

まだ見たことのない景色を、こうしてあなたに報告出来ることも楽しみに、

この人生を歩んで行きたいとワクワクする一方で、

これから、どんどん年を重ねる私は、

世の中の進化についていけるのだろうかと、

実はちょっとだけ、不安な気持ちも存在します。

 

だって、今の私が当たり前に利用するようになった電子マネーアプリの使い方は、

若者と呼ばれる部類の中にいる、あの子に教わったものだから。

 

あの子が巣立った後も、私はちゃんと時代について行けるのかなって。

 

不安の材料を探せば、心配は尽きることがありませんが、

もしも、時代の流れについて行けずに、ちょっと恥ずかしい失敗をしてしまったら、

ひとりで思い出し笑いでもしながら、あなたへの手紙を綴れば、

失敗も、少しだけ特別な思い出へと変えることが出来るのかも知れませんね。

 

私の恥ずかしい失敗についてを綴った手紙を読む、

あなたの笑顔や笑い声を思い浮かべてみるのも、

きっと楽しい時間となるのでしょう。

 

そんな時間も楽しみに、此処から先も、歩んで行くよ。

 

 

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