朝、家の前に落ちていた、

どんぐりの木の葉っぱ。




踏みつけてしまえば
粉々になるほど乾いている。
春先、細い枝先から 萌出る若葉の頃は
ビロードの様な和毛に包まれとても小さかった。
やがて夏になり、
蝉しぐれにあらわれながら
風を受けている様は勇壮ですらあった。

葉っぱの四季。

からからの 葉っぱ。
つまんで じっと眺めていると
不思議な形に思えてくる。
革でできた武具の一部の様にも見えるし、
捻れて光っている所を
うんと 拡大して天空を舞っているのだと思い込めば
ドラゴンみたいにも見えてくる。

ボタニカルアートを描くつもりで
細部にまで目を走らせる。
葉脈の流れ。
縁の先端を飾る棘々の細さ。
単純に見せかけて実は複雑に表裏が捩れ傾いて翻る。

色も、とてもシック。
こんな色のコートが欲しいな。



ワタシが毎日見上げていた
どんぐりの木。
じっと、そこにあるのではなく、
日々、変化して 様々な色をまとっている。

万物は廻り ひとときも 
じっとしてなどいないんだな
と、
思ったよ。

葉っぱ一枚、
これだけの変化を見せてくれるのだ。

ワタシの心の有り様も
ちょっとずつ変化してる。
悲しさも寂しさも、
苦しみも喜びも、
一度に、こころの中に存在して
混乱しそうだけれど
人間は思いがけず強くって
混乱したまま日常をおくっていけるんだ。

どんな日も、一日。

どんぐりの木と葉っぱが
大事なことを教えてくれている気がしたよ。

自分の、世界の、
変化を 掴んで生きていけたらいいな。
戸惑ったり 彷徨ったりするする
弱い自分も引き受けて
一生懸命飛んでいたら
いつか枯葉もドラゴンになる。

さて、
今日も日常を始めるよ。
葉っぱのドラゴンみたいに勇敢にさ。