最近、ピリカからの派遣として、
ピリカ以外の動物病院でも
診察させていただくことがあります。
私の専門は東洋医学(自然療法)なので
東洋医学の専門外来です。
ワンコイン東洋医学相談
というのもやっていて
その子の状態を
東洋医学的に解説することもしています。
お客様は私のことをあまりご存知なく、
ワンコインなら
ちょっと相談してみようかな？
というノリの方もいます。
先日、ワンコイン相談を受けてくれた
わんこさん。
心疾患があって西洋薬を飲んでいるけど、
東洋医学でも何かできないか、
というご相談でした。
そこで、
その子の状態を東洋医学から見るとどうか
ということをご説明し、
お家でできるケアをお伝えしました。
飼い主さんが漢方薬も試してみたい
とおっしゃるので
漢方薬も処方しました。
それから数週間たち、
そろそろ漢方薬が切れる頃なので
診察させてもらった動物病院に頼んで
飼い主さんに
続きの漢方薬が必要ないか
訊いてもらいました。
飼い主さんからの答えは
「漢方薬は全く飲ませてないから
続きの漢方薬は必要ない」
というものでした
その飼い主さんは勉強熱心なのだそう。
ワンコイン東洋医学相談を受けたあとで
東洋医学に関する本を読んだそうです。
その本には、
東洋医学と西洋医学は真反対の考え方だと
書いてあったそうです。
漢方薬を始めたら
西洋薬をやめなければならない
とまで書かれていたようです。
それで、その飼い主さんは
私を含めて東洋医学というものに対して
不信感を抱いてしまい、
漢方薬を飲ませないことに
決めたそうです。
どうせ読むなら
偏った意見を書いてある一冊だけでなく
何冊か読んでほしいな。。。
さらに、その飼い主さんは
病院スタッフに
「あの東洋医学の先生は
西洋医学が分かるんですか？」
と質問したそうです。
質問された病院スタッフも
私のことをよく知らないので
「分かりません」
と答えたそうで・・・
あらら
私は獣医師国家試験に合格して
免許を取得した獣医師です。
かつては西洋医学だけで
診療していました。
西洋医学の検査や手術もしてました。
抗がん剤やステロイドなどの
西洋薬を使った治療もしてました。
思うところあって
獣医鍼灸師という資格も取り
現在は東洋医学だけで診療しています。
でも、西洋医学の検査法や薬についても
新しい情報を調べたり
セミナーを受けたりして
常にブラッシュアップしてます。
西洋医学にも東洋医学にも
それぞれ長所と短所があります。
私は西洋医学も東洋医学も
どちらも分かるから、
それぞれの短所を補い合い
しかも
それぞれの長所を最大限に活かして
治療していけば良いと思っています。
私が西洋医学も東洋医学も
両方を使って診療すれば
良いのかもしれません。
でも、
西洋医学だけで診療している
獣医師は沢山いるから
西洋医学診療はそちらにお任せして、
私は東洋医学に専念するほうが
多くの患者さんを診察できます。
だから、今は東洋医学だけで
診療しています。
東洋医学と西洋医学は補い合うものだから
漢方薬を始めたからと言って
西洋薬を止めさせることは
絶対にありません。
飼い主さんに漢方薬を渡すときも
飲んでいる西洋薬があるなら
それは今まで通り飲ませるように
お話しています。
東洋医学とか西洋医学とか
そういう垣根を取り払って
動物たちが少しでも健康に暮らせるよう
お手伝いをしたいと思っています。
そういう思いが飼い主さんに伝わらなくて
ちょっとモヤモヤしてしまいました
そこでくじけているわけにも行かないから
これからも
心を引き締めて頑張ります
皆さまが穏やかな
ほっこりした気持ちで過ごせるよう
祈っています
