今日観た映画の感想

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前作よりはパワーダウンだが「シャザム!~神々の怒り~」(2023)

ぷらすです。

本日公開、「シャザム!~神々の怒り~」を初回上映で観てきました。

先に個人的な感想を一言で言うと、物語的には前作に比べパワーダウンも、シンプルな構成ゆえの面白さは健在。って感じでしたねー。

というわけで今回は、まだ公開したばかりの作品なので出来るだけネタバレはしないよう気をつけますが、まだ本作を観ていない方、ネタバレ絶対許さないという方はご注意ください。

いいですね?注意しましたよ?

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画像出展元URL:http://eiga.com

概要

最強のヒーローに変身した少年が、騒動を巻き起こすさまを描く『シャザム!』の続編。半人前のヒーローのシャザムが神々の怒りを買い、神々の娘たちが地球に来襲する事態になる。デヴィッド・F・サンドバーグが、前作に引き続きメガホンを取る。ザカリー・リーヴァイ、アッシャー・エンジェル、ジャック・ディラン・グレイザー、ジャイモン・フンスーらキャストも続投し、『ウエスト・サイド・ストーリー』などのレイチェル・ゼグラーのほか、ルーシー・リューヘレン・ミレンらが出演する。(シネマトゥデイより引用)

感想

「シャザム!」とは(前作のネタバレあり)

「シャザム!」はDCコミックスのヒーロー。

元々はフォーセットコミックスという出版社で描かれていたヒーローで、少年が魔法の力で大人のスーパーヒーローになるというミンキーモモ的な設定が子供たちにウケて、一時はスーパーマンをも凌ぐ人気だったそうです。

しかし、その後いろいろあって雑誌は廃刊。現在は版権を取得したDCコミックのヒーローになっているんですね。

そして2013年からスタートしたDCヒーローを実写映画化するプロジェクト「DCエクステンデッド・ユニバース」の7作目として映画化。

それまでヒットはするも、重い・暗い・長いの三拍子で、評価がイマイチだった同プロジェクト作品の中で、コミカルで明るく、ジュブナイル的成長譚としてサクッと観られる作品として、ファンの間で高い評価を受けました。

そんな「シャザム!」の主人公ビリー・バットソン(アッシャー・エンジェル)は孤児で幼い頃離ればなれになった母親に会いたさに23回も家出を繰り返している問題児。彼は新たな里親バスケス夫妻が運営するグループホームに入居するも、中々馴染めずにいたんですね。

学校に通い始めたビリーは義兄弟であるフレディ(ジャック・ディラン・グレイザー)がいじめっ子に暴行される現場に出くわし、彼を助けた正義感を見込まれて魔術師からスーパーヒーロー・シャザムへの変身能力を与えられ――というストーリー。

そんな本作の魅力は、ビリーやフレディらメインキャラクターの孤児という設定がそのまま物語と深く絡んでいて、なおかつその本質は普遍的な「家族」の物語であるということ。そして少年が主人公ゆえ、スーパーヒーローものとして奇をてらわず真っすぐだということ。

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シャザムに変身する能力を得たビリーが、親友でバディでもあるフレディとともに失敗を繰り返しながらも心身ともに成長していく様子はジュブナイル的面白さに満ちていたし、ラストのオチのつけ方や、その後のオマケシーンに至るまで、とても多幸感に満ちた楽しい作品だったのです。

続編ゆえの難しさ

その続きとなる本作は、すでに物語の核となるビリーやフレディたちの成長が前作で描かれ終わっているため、物語的推進力に欠けていて、正直パワーダウンは否めません。

ビリーは前作で克服したはずの悩みを再び繰り返しているし、フレディの学校でのいじめられっ子という立ち位置も変わってはいない。

2人(と義兄弟たち)がヒーロー活動している以外は、前作のリピートを観ている様で、正直、前半部分はちょっと退屈でした。

もちろん、それは本作に限った事ではなく、人気作、ヒット作の続編が常に抱える問題でもあるんですよね。

そんな本作のヴィランとして登場するのは、ギリシャ神話の神アトラスの娘ヘスペラヘレン・ミレン)、カリプソルーシー・リュー)、アン(レイチェル・ゼグラー)の3人。

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彼女たちは魔術師シャザムジャイモン・フンスー)によって、魔法の力を盗まれ別世界に封印されていたものの、前作でビリーがうっかり封印を解いてしまったため、復讐のため現世にやってきたのです。

そんな3人とビリーたちの戦いは、序盤はコミカルに、しかし中盤以降は徐々に物語にドライブがかかっていき、どんどん映画に引き込まれていくんですよね。

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そしてクライマックスのあの展開には、思わずグッときて泣いてしまいました。

さらにラストのあの展開も、「まぁ、そうだよね」と思いながらも納得。

なにより前半での展開もあり、あのキャラクターがあそこで登場するとは思いませんでした。美味しいトコ持っていくわー。

そんな感じで、物語は前作に比べてパワーダウンは否めないものの、少年の成長譚と家族の物語という普遍的な物語の骨格自体は失われていないし、キャラクターの魅力もあって一定の面白さは担保されているという作品でした。

出来れば、前作を観てから本作を観た方が楽しめると思いますが、なんなら本作からいきなり見ちゃっても楽しめると思うし、本作を観て面白いと思ったら、遡って前作を観てみるのもアリじゃないかと思いますよ。

興味のある方は是非!!